国王ですが何か?プロローグ
プロローグ
世界の中心と呼ばれる海には、巨大な穴が、存在すると言う。
遥か昔━━━。
━━神話の時代。
中央大陸があったと言われている。
巨大な穴は、
巨大な口を開け。
常に海水が、流れ落ちる。
海水は何処までも流れ落ちる様は、
まるで滝のように壮大で、世界で一番美しい光景と言われていた。
今や地下迷宮の冒険者や旅人に、一度は訪れたいと上がる人気スポットになっていて、底は存在しないと言われていた………。
━━ただ闇に。海水は落ち続けると。
━━人々は、その海域を、デスホールと呼んでいた。
20年前━━、
……そして100年以上もの昔。
大地震があったと、言われている━━。
それも7日7晩も続いた………、
━━大地は、鳴動を続け。
世界各地に。多大な被害をもたらした大地震。
━━当時……大恐慌が起こったと言われている。
━━現在。その日の早朝。
夜明け前、それは起こった……。
小さな、最初は小さな鳴動、
鳴動は徐々に大きくなって、大地を揺らした、
何時までも終わらぬ長く揺れる地震に。誰もが不快に思い、小さい揺れゆえに最初は訝かむ。何事だと不機嫌に眼りを覚ました時に━━、
あまりに静まる。静寂故に不安を覚えた……、
魔王ピアンザは、異常な魔力の高まりを、足元に感じて、眠気が霧散していた。
「ついに……、はじまってしまったか……」
すぐさま重鎮達を呼び出すため……、廊下に出た途端。大地が、激しく揺れだし。立っているのもままらなくなっていた。
「あなた!」
息を飲むシレーヌ。異変を感じ、妻の見てる方を……、
城の外を見た。
上空を見て息を飲んでいた。
「バカな………」
そして見たのは……、
暗雲たちこめる。不気味な、闇の塊である。
「なんだあれは……」
我が眼を疑った、
僅か数瞬の瞬きする間に。空は不気味な暗雲に包まれてくのだ。どうにかテラスに出れば、町を一望でき。見渡す限り美しい海が広がっている筈が、海はどす黒く変色しはじめて。やがて闇色に染まって行くではないか、
「我が目の前で……、これは一体……」
見る間に、空が暗雲で覆われてゆく。まるで光を喰らうかのように太陽の光が遮られ。
まるで夜に時間が戻るようであった。
「大丈夫か?」
妻シレーヌがバランスを崩したので、ピアンザが素早く。身体を支えていた。
二人は見る間に変わり果てる世界を、呆然と見ていた……。
━━━あれは中央大陸………、
「馬鹿な……、早すぎる」
━━世界の中心……デスホールがある辺りから、黒い稲光が走る。
どれ程の時間が過ぎたか分からぬ、なれど目を離すことなど出来なかった。
━━ゆっくり、ゆっくりと人間の思いなど自然の脅威に比べれば大した物ではない。誰もがそう思わされただろう、人間は無力であると…………、
ピアンザだからこそ見えた。今や魔王と呼ばれ。父である前魔王からその地位を継いだからこそ、『魔王の杖』を手にしたから、遥か先を見る魔法が使える。
━━ゆっくりと巨大な大陸が、海中からせり上がる……、
まるで浮き上がるように……、浮上していた。
━━異常な光景だった……、
━━━━どう時刻。世界各地で、様々な異変が観測された、次々に各国に向け報告された。
━━北大陸では、神話の時代に絶滅したとされていた、ケンタウルスが、中央にある草原の裂目から。次々と現れ出し。人々を襲い始め、多くの民が命を失うの報告を受ける。
━━……一方で、
竜の山から、女の鳴き声がすると、近隣の村から知らされ。村出身の竜騎士見習いが、物見に出たと言うが……、
翌日……、
若い竜の死骸と、下半身を喰われた、見習いが発見された、
傷は鋭く、猛禽類に啄まれたような痕を残して……、
異常事態を重く見た、レオール連合国の宰相レイナは、『竜騎士』と呼ばれる。救国の英雄リブラに、至急調べるよう依頼した。
━━南大陸。軍国ローレン、
バーロナ将軍の眼前に。信じられぬ光景が繰り広がれ、我が身の無力さを嘆く……。
「助けて……」
悲鳴を上げる女、
「お母さん」
子供達が、
我が国の民が……、
目の前で、生きたまま喰われる悪夢。自分の無力さにただ唇を歯噛みしていた、手の大剣は既にはこぼれ酷く。はぐれワームの体液で、切れ味が落ち。剣を振るうも、打撃の鈍器でしかなくなっていた。
「地下に巣くった、ミミズどもが……、なぜ地上に現れた?」
血を吐く呟き。始まりはほんの少し前だった……。朝から小さな地震が、何度も起こり。不気味に思って外に出た。すると世界は暗雲に包まれ。不気味な暗闇が、空に現れた。
━━突然。大地が大きく揺れ。家々を崩し混乱が始まった。大地が悲鳴を上げるかのように、ぽっかり穴が空いた。
━━そう思った瞬間。無数の魔物。はぐれワームと呼ばれる。巨大なミミズが、街中に溢れた。
急な事態に全て後手に回るバーロナは、精鋭部隊を率いて、10以上のはぐれワームを既に狩っていた。だがワームの数は減るどころか増える一方であった、
「なっ、なんだこれは……!」
崩れ落ちる建物………。食欲旺盛なワームは、家を。石畳を……。人を関係なく喰らう、悪夢である。
「ふふふ……ついに始まったね」
「ふふふ……始まったね」
バーロナの側に、いつの間にか、双子の青年が現れた。
「お前たちは……」
一度アルマンの屋敷で、顔を合わせたことがある。
「まっまさか………」
この双子のせいでは?、あまりにあり得る可能性、怒りが込み上がる。
「ふふふ……僕達なら、そんなことしないよ」
「ふふふ……だって、つまらないじゃないか」
バーロナを見る眼差しは、珍しく苛立ってるように思えた。
「困るよな………」
「困るよね………」
「「この国は、わりと気に入ってるんだよ」ね」
双子のどちらかしゃべってるか、解らないが、敵ではないと、直感した。
「お前は、この辺りの人間を避難させろ」
「ちょっと大きいの使うからね」
精悍だが、気弱に映る双子の眼。鋭い光が宿る。バーロナはすぐさま理解した、嘘は言っていないと。
……だが、本当にこの場を、異端児たる双子に任せてよいのか……、不安を覚えた。
が……、住人の避難誘導を指揮するために、走り出していた、




