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少尉ですが何か?改修  作者: 背徳の魔王
英雄ですがなにか?
62/123

心のスキ


━━━南大陸、南ターミナルの街




大洞の通路から、駅のある。出入口まで、急坂を猛スピードでかけ上がる。



やがて━━━土竜馬車は、ゆっくりとスピードを落として、ようやく地下迷宮から。



━━南大陸の玄関口、駅舎に到着する。




オーラルは達は駅舎に到着後。体を動かしたり、捻ったりしながらも直ぐに荷物を降ろ始めた。その合間にオーラルは駅舎に向かい土竜ギルドの受付で、運行日程表の提出他書類を書き上げしてから、みんなの元に向かう。



ちょうど外に出たときだ童顔の青年が姫様達に近付いて歩いてきたのを見掛けた。少しだけ歩みを急ぐ。


「失礼いたす。ミレーヌ姫と護衛の方々とお見受けします」


青年は小柄な体躯で。さらさらの手入れされた栗色の髪にクリクリッとしたお目めが印象的で。第一印象は凛々しいと言うよりも、失礼だが可愛らしいとの印象を与えるためか、青年と呼ぶよりも少年と呼びたくなったが、よくよく見れば背に精緻な革細工の施された鞘に大剣がある。見事な黄金の竜が柄にいて、宝玉に向かい口を開けてるいた。かなり強い魔力が込められた魔剣の類いだと推測出来る。ちらりオーラルの視線に気づいたか。振り返る時に使った足の運びもバランスが秀逸で、かなりの使い手と認識したが……、


さてさて随分と青年はぼくとつとした顔立ちをしていて、朗らかな人柄が隠しようがなく。少しだけ信用出来そうな人物と判断した。


「ん?……」


そう言えば……、ケレル殿下から聞いてた要人の一人と風貌が酷似していた。


「失礼ですが……、もしや剣聖のジンベイさんでは、ありませんか?」


やや面食らいながらもジンベイは、人好きのする笑みを見せる。


「はい、では君が?」


「ええオーラルです陛下。この場まで、わざわざ陛下自ら来られたのには、何か理由があると思います。しかしこの場で聞くには場所が悪い。ひとまず落ち着ける場所を用意しましょう、しばしお待ちください」


そう言われて、ジンベイは戸惑いながらも、よくよく考えてみれば、身一つで来てしまい、そうした考えが及んでなかったことに、今更ながら気が付いた。


「助かります」


破顔して、照れくさそうに笑うと童顔なジンベイは、片田舎に住まう素朴な少年のように見えてしまう。



駅舎にあるギルドの受付で、


「特別室を」


やや多目の金を、テーブルに乗せていた。


更に幾つか用意していた、交易品として積んでいた、塩、乾燥果物、香辛料、鉱石の売買の仲介依頼を済ませる。


「オーラル様、助かります」


事務員は、素直に喜び、荷下ろしの人数が集められて、ギルド内はにわかに活気づいた。


「オーラル~自分たちの荷物だけでいいんだろ?」


「ああ、後はギルドでやってくれる。姫様をこちらに呼んでくれ、ではジンベイ殿。先に特別室でお待ちを」


事務員の案内で、ジンベイが奥の部屋に入ったのを見計らってから、駅舎の隣にある。土竜舎でくつろぐJr.の様子を伺い、世話を頼んでから、再び駅舎に戻る。



ギルド内は交易品が届いたと、耳の早い商人が、品物を見に集まっていた。


「値は、あまり上げずに。少しだけの儲けで売買で構いませんから」


迷ってる事務員が、驚きながら振り返ると、とても嬉しそうに笑う、オーラルの背から歓声が、聞こえてきた。


「はてさて……、ミザイナはどこと戦ってる?」


自問自答したが、情報の無いオーラルに答えはでなかった。




━━━剣将ライト率いる。800の駐屯兵は、苛烈な槍技を使う、エドワルド公1人に壊滅寸前まで追い込まれていた━━、



アルベルト流派の門弟は、剣士クラスばかりで、駐屯兵と力差は無いのだが……、

エドワルド公の相手をしていたライトの刀が、数合受けただけで、簡単に折れていた、まさに絶体絶命の中、

「はっ」神速一閃、



二人の女性が、ライトの加勢に入る。


「助かったルルフ、エフィ」


感謝を述べ、部下が投げて寄越した予備の刀を抜刀していた。


「ふん!、たかが剣将が何人いようと、我の相手ではないわい」


新しく八剣将に加わった三人は、ミザイナ女王の側近だったもの逹である。それを知るエドワルド公は忌々しいと言わんばかりに睨み付ける。



━━豪風一陣、逆巻く風を巻き込みながら。周囲全てを切り裂く豪撃。

強烈な一撃を、三人は咄嗟に獲物で防いだが、身体の軽いルルフは、衝撃を逃がせず肋骨が折れた。


ライトの予備刀の刃にひびが入り、


エフィの双剣が砕けていた。彼女の剣は、刃を極限まで薄く鍛えた剃刀のように薄いため、防御には向いてなかった、砕けたのは仕方ないが……、あまりにも技量が違いすぎる………、


ルルフは二人を促し、退却を始めていた。


「ふん!、所詮はこんなものか……」


アルベルト流派の門弟は、剣将が逃げた途端に、歓声を上げた。


「弱い……弱すぎるわ!、所詮剣など、非力な武器に過ぎぬわい」


覇を唱えるエドワルド公の豪気に、門弟は酔う、



━━━その日の夜。夫ジンベイから、姫一行と合流が伝えられた、


安堵したのもつかの間。


姫様一行が、エドワルド公爵との会談を申し出たと聞いて、我が耳を疑っていた。


さらに夫ジンベイも会談に賛成したというではないか……、



もう訳が解らなかった━━。



………一夜明けて。



エドワルド公は突然と公式な会談が申し込まれ。戸惑っていた。しかも相手は同盟国の王族である。ミレーヌ姫様。昨夜の先勝ムードが無くなり、戸惑うばかりである………、


「ぬうっう」


了承して応対したエドワルドは、わが眼を疑っていた。何せミレーヌ姫と一緒に現れたのが、姪の夫で、アルタイル家の養子になった、国王ジンベイであったからだ。幼少期に何度か言葉もかわしていたはずだ……。



さらにテントに入ってきたミレーヌ姫側に問題があった、いずれも聖アレイク王国の重鎮の子息、子女だと紹介を受けて、冷や汗を流した。


「貴殿が、あの……」


一際、異彩を放つ経歴をもつ男からは、今まで感じたことかない覇気と。凄まじい魔力を感じて、思わず総毛立つ。


『底が見えぬ………』


じっとり手汗をかいた手を拭っていた、


それに……、改めて見たアルベルト公は、眼をしばたかせ1人1人注意深く眼を配る。無論未熟な者もいる。が、いずれ……と思わせる人材を前に、覇を唱えていた、エドワルド公は何をしてたんだと、我に返っていた。


「エル?」


「間違い無いのだ、呪いが掛けられてる」




━━━時間は少し戻る。



━━━南ターミナルの

街。



土竜ギルドの特別部屋に入ったミレーヌ姫に、改めて。


「ミレーヌ姫。護衛の皆様。長旅お疲れ様でした」


頭を下げるジンベイを前に、クエナは怪訝な顔を、ジーナ、ミレーヌ姫は首を傾げ。リーラは問うようにオーラルを見つめた。

ミラは肩をすくめていたが察しがついたのは、カールと意識を読む能力者エルだけだ。


「姫様。こちらはファレイナ公国の剣聖ジンベイ殿」


やっぱりかとカールは頷き、クエナは驚きが隠せず。リーラとジーナは顔を見合せ。エルは飽きたのか本を広げた。


「まあ~そうでしたの、初めましてジンベイ王」


驚いたのはオーラルを含め皆である。朗らかに笑いながら、悪戯ぽくチロリ舌を出して。


「ミザイナ様とは、お友達ですの~、手紙でやり取りしてましたから、ジンベイ様のこと知ってましたの~」


成る程……、妙な感心しながら、思わずオーラルは笑っていた。



皆を見回しながらジンベイ王は、何故自らミレーヌ姫を出迎えたか、ぼくとつと話始めた………。

話を聞いてく内に。エルが本を閉じて、興味深く耳を傾けたので。

違和感を覚えていた。そしてミザイナから聞いた意外な人物。バローナの名前と新たな国。軍国の黒幕を思い出す。チラリエルを見ると、真っ直ぐオーラルの目を見ていて、小さく頷いていた。


可能性は高いか……、


そうなると……、


「ミレーヌ姫、お願いがあります」


「なんですのオーラル?」


オーラルはファレイナ公国を救う。妙案のため。エドワルド公爵に、正式の会談申し込みをするようお願いする。


「おっ……、おいオーラル、流石にそれは……」


クエナの言いたいことは分かるが、ジンベイを見ると、やや驚きを隠せぬ顔に。ゆっくり理解の笑みが広がり了承に頷いた。



━━━時は戻る。

エルの能力を事前に聞いていたが、驚きと同時にジンベイは安堵した。

訳も判らず困惑浮かべるエドワルド公爵に、リーラと名乗った侍祭が、公爵の手を優しく包み、癒しの魔法が唱えられた。


━━光が、エドワルド公を中心に、身体に吸い込まれて行く。


「何を………………」


エドワルド公爵は、全てを思い出した。


『姪の苦労は解るが、槍の名門アルベルト家の面目を思いやること。忘れておるな、一度言わなくては…………』


呟き。肩を竦めた。


「クスクス……それでいいの?」


「せっかく力が、あるのにさ~」


書斎が突然、闇に閉ざされ………、エドワルド公に気付かれることなく魔法が使われたこと、驚きよりも、警戒した相手は、


「無駄だよ~」


「無駄なんだよ~」


眼前にいつの間にか現れたのか……、


全く同じ顔をした……双子か?。


「ほらね?身体が動かない」


「ほらね?心を失った」


双子は、悪戯をする子供のように無邪気で、虫に、人形に。対するよう残酷に笑う。


「欲望のままに♪」


「欲望のままに♪」


言葉が、エドワルド公爵の心を蝕み。



……やがて……、


大切な良心を失わせた。


「どうなるかな?」


「楽しいといいな」


二人の無邪気な笑い声が、呪いの残し香として……消え失せていた。


「わっ、私は、一体何を……」


呆然と立ち上がり、顔を真っ青にして立ち尽くしていた。




━━━夕刻。



オーラルから、会談をセドの街で行うので、ミザイナ女王にはご足労願う旨、エドワルド公爵から書簡が届けられた。まさに狐につままれた気分のまま、


八剣将で側近の三人を連れ、セドの街に着いたのは、



━━翌日の明け方近くである。


戸惑うセドの人々は、女王の到着を喜んでいた。ミザイナ、三人の剣将も歓声を上げて出迎えてくれた民に、訝しい気持ちを抱いた、そもそも何故夫とミレーヌ姫様は、先に叔父上と会われたか、意味が分からなかったからだ。



だが……謀反を起こしたと聞いた時……。


ミザイナはハッと眼を見開き。気付いてしまった。


「私は……、なんて傲慢な………」


叔父のエドワルド公が、発起した意味と原因に気が付き、己の不徳を恥じた。



━━セドの民は、ようやく陛下が我等のことを考えてくだされたと。笑顔が浮かんでいた。民の顔を見て、自国のことがようやく考られた。


何故叔父が固辞してたのかをも理解したのだ……、


「ジンベイ……」


急に不安になって。早く、夫に会いたいと切に思った。




━━セドの街を一望出来る。エドワルド公爵の屋敷、


大きな会議室にて。一堂会していた。



まだミレーヌ姫は、お休みとのことで、オーラルからあらましを、


エドワルド公爵=叔父上から、謝罪の言葉を聞き、


「叔父上……わたくしこそ、申し訳ありませんでした………、自分だけが重責にあるものと、思い上がるあまり大切なこと見落としてました」


「赦してくれるか?、この体たらくを」


「それは……、お互い様です叔父上!」


二人は、わだかまりを捨て、照れ臭そうに握手を交わした。

宴席は、夜ということになり、疲れていたミザイナは、夫の腕の中、短い至福を味わった。



━━昼が過ぎた頃か、オーラルはエドワルド公爵に呼ばれて、裏庭にある。訓練所やってきた、


「しばし……我に付き合ってくれぬか?」


「喜んで」


快諾して、様々な武器から、一般的な槍を手に、対峙した。


「ほう……槍を、それもかなり修練を積んでるようであるな」


嬉しそうに笑い。感心した顔のエドワルド公だが、ただの手合わせとは思えぬ。凄まじい気を放出、オーラルは手加減不可能と判断して、魔法で、身体強化を一瞬で済ませせた。エドワルド公は獰猛に笑う。


「行くぞ!『オールラウンダー』」


エドワルド公が、いくら呪いに屈したとはいえ……、謀反を起こしたのは事実である。やはり自分の中にある闇を見て、一度は覇を唱えたのだ武人として落とし処を求めた。


━━そこには丁度よいよい相手がいた、伝説の吸血鬼を滅した武人が現れたら。


エドワルド公は本気の手合わせをすることで、己の教示を、一門に示すためあえて戦いを挑んだ、


「豪刃一閃!」


凄まじい破気の込められた長巻きは、周囲を切り払う━━━、



オーラルは咄嗟に、槍で受けず。身体を独楽のように回転させて、勢いを殺してあっさりかわしてみせたた。


「なっ……に……」


周囲に、驚きの声が響く、二人の闘気に気付いた、アルベルト流の門人、中にはミザイナの側近が混じっていたが、



実際戦ってアルベルト公は気づいた。オーラルの技は基本に忠実で、派手さはないが、数合のせめぎあいは、見応えのあるものであると。

端から見ると槍のエドワルド公と呼ばれる達人と遜色ない、実力を見せてるオーラルに俄然興味を抱く者が増えた。


「やるな!、これはどうだ?」


エドワルド公は、払うと見せて、オーラルが受けに来た瞬間槍を巻き込む引き技で、体制を崩させた。


次いで、凄まじい必殺の斬撃に。 オーラルは、体制を崩されたまま無理に受ける事となり、槍を折られながらなんとか、後ろに飛んで、ダメージを逃がしながら、回避していた。


━━━既に勝負は決したと誰もが感じた瞬間。気を抜いたエドワルド公に無手でありながら、オーラルは烈火の如く勢いで肉薄した。驚いたエドワルド公だったが、流石は武人である素早く体制を整え、オーラルの拳打、上下の連蹴、足を刈る。技に、舌を巻きながらこれをいなしていた。流石に冷や汗が頬を伝う、まさか体術すら使うとは、


「アルベルト公。次は剣でやりますか?」


正しくエドワルド公の教示を知りながら、手の内を惜しげもなく晒すオーラル。アルベルト公はすっかり気に入っていた。


「そうだな……、さすがに一息付きたい、まだ余裕あるなら、どうたろう?、門下に一手教授願いたい」


公爵にそこまで言われたら、やるしかくなった………、

オーラルの怨めしげな眼差しを心地よい疲れと、汗を流しながら、門下の試合を眺めることにした、中には、剣将の三人が嬉々として、参加してるのは、ご愛敬である。



ミザイナは、夫と久しぶりに二人で過ごす喜びを噛みしめながら。使用人に訪ね。叔父上が何処にいるかと訪ねると。

中庭にいると聞いて足を運んでいた。



此度のこと……、色々と考えさせられた。いくら自分はわかってたと思い上がっていて、自分の若さと経験不足を痛感していた。


これからは叔父上に相談して国のこと考えていかねば、固まった思いと自分の気持ちを話そうと中庭に出たら………、


「なんと……」


余りの光景に、口を半開きにして、ついつい笑ってしまっていた。

中庭の真ん中でオーラルと叔父上が仲良く背を預け、座ったまま眠り込み、さらには二人のまわりに、数十人もの門下、呆れたことに、剣将の三人まで、中庭で眠り込んでいたのだ。


「皆よい顔をしているな……」


眠り込む一同の顔は、ただ剣に打ち込んでた子供の頃を思い出させた。


「風邪をひくなよ」


オーラルの計らいに、感謝しながら、久しぶりにジンベイの腕ぎゅっと、甘えるように抱き付いた、照れ臭そうに、はにかむ愛する夫と二人。きっと大丈夫、そう思うと、肩が軽くなっていた。




━━━軍国ローレン、砦の一室、



冴えない中年男、グレビー・アスナル将軍は、バーロナと対面して、困惑の顔を浮かべていた。


「私を……、雇いたいと?」


アスナルの戸惑いが抜けぬ顔を、破顔一笑して、


「気付いてるようだな?」


バーロナの言わんとしてることに、嫌そうに頭を掻きながら、首肯していた。


「魔王の六将がいるのですよね?」


諦めた顔で、嫌そうな表情を隠さない正直さに、可笑しそうに見ながら、


「ならあんたは、俺のことは知ってるか?」


何が聞きたいのか解らず。周りの評価と、噂をまとめた内容を告げる。


「まあ~そうだろうな、俺は……」


バローナは自分の隠された過去を、デーア以外に始めて話して聞かせる。


「なっ、何故私にそのことを?」


知られれば、ただでは済まない……、危険を育むのに、


「お前とデーアだけが知った、どうするか決めるのはお前だ、どうせなら手伝えよ~、裏方にいるより愉しいぞ!」


不敵に笑うバーロナ、呆然と見ていたアスナルは自らの腕を抱き締め、身震いした。


「……将軍。私で良ければ………」


固く誓いを立てていた。




━━━フィレイナ公国、王都━━、


無事、聖アレイク王国と同盟が締結されて、エドワルド公爵の謀反騒ぎが、ミザイナ女王の考えを諌めるための芝居であったこと、ミレーヌ姫が、その事に気付き、エドワルド公爵と女王に会談場所を提供して下さり。和解したこと等。ミレーヌ姫の見識の高さを、民は褒め称えた━━━、



━━━王宮内にある道場━━、



ミラとミザイナ、二人は、久しぶりに顔を合わせ、無言のまま道場に来ていた、まるで示し合わせたように、手合わせを開始した。



最初の激突……、お互いに成長したのが分かるや。久しぶりと言う感覚はなくなっていた。まるで何年もの時。ずっと手合わせしたような気分にさせるから……、友とは不思議だとミザイナは思うのだ。学園を卒業してからは一度だけオーラルと手合わせたときも感じた、

沢山の言葉よりも数合のしのぎ合いの方が、わかり会えるのだと、つい嬉しくなり、唇が綻ぶ。


「相変わらずだ……」


ミラの体術は、相手の動きを僅かな筋肉の動きで判別する。先読みである。


「さすがだミザイナ!」


対してミザイナの剣技は、神速の斬撃を主体とする。歩方にある。

凄まじい修練で、僅かな歩幅の動きから軽やかにかわしてく、ミラの先見を持ってしてさえ、追い込まれていった。



だがミラには、黒衣独特の呼吸法を使った奥の手がある。殺ったとミザイナが思った瞬間。


ミラのスピードがさらにあがる。


「なに!?」


それにより、ミラの劣勢は五分まで持ち返す事が出来た。さらにミラの動きまで変化していた、昔ならば自分が優勢になれば、手を抜く甘さがあった。その隙を突くつもりが、あわやの一撃を剣のみねで受け。驚きより嬉しさが勝る。


「うぉおおおおおお!」


ミザイナが、強引にミラを引き離して、後方に飛びすさり。


「奥義、閃一刃」(おうぎ、せんいちじん)


引き絞った弓の如く。全身の筋肉に極限まで力を溜め込み。一気に自分を解き放った。



フィレイナ公国には、独自の風の強化魔法がある。騎士以上の者は、必ず身に付けている魔法は、ファレイナ公国を剣の国と言わしめている一因であった。



ミザイナは、アレイ学園在籍時代にこの独特の溜めを磨き、独自の技として昇華、剣姫と認められた、まず自身の前に、風の防風壁を作り、風の抵抗を無くしていき自身を刃として、爆風を自分の後ろで、発生させ、風すら置き去りにする加速を生み出すことで、衝撃波を剣で生み出し放つ絶技は、回避不可、前に避ければ、風の防風で弾かれ全身の骨を砕く、左右に避ければ、爆風の刃にさらされ、後ろに下がれば、衝撃波を喰らう、三位一体の必殺技である。


「くっ……」


全身を襲う激痛、ミラはやや前傾の体制から、最小限のダメージで受けきっていた、必殺技をギリギリ受けながされ、ミザイナの体制が崩れた。



ミラは僅かに身体に残る。全ての力をこの技にかけた、まるで猫がパンチしたような仕草が、徐々に早くなり、視認出来ないスピードを生み出した。


「拳技、豪雨」


魔力を、放った拳の軌道を残して、まるで蜘蛛が糸を放つように、千本の拳打は、一つの掌のような形に見えて。最後の一撃が━━━、



引き金となり、無数の拳打が、雨のようにミザイナを襲う。長剣を正眼に構え、残った魔力全てで風の壁を作りだした。豪雨のごとく凄まじい打撃に、剣を持った手が痺れ。意識が遠退きかける直前……、


フッと………音が、圧力が消えてることに、ようやく気付いた、

ミラが立ったまま気を失っていて、辛くもミザイナが勝ったことを知ったのだった。


「ミラ……、疲れたよ……、貴様……強くなったな」


駆け寄るルルフに支えられ、満足感に心が包まれていた。






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