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少尉ですが何か?改修  作者: 背徳の魔王
英雄ですがなにか?
61/123

湯煙狂想曲



━━━南大陸…ファレイナ公国。



昨日土竜騎士ギルドから。ミレーヌ姫一行が無事、大洞に入ったと連絡があった。早ければ10日ほどで、南大陸のターミナルに到着するだろう、問題は……、


「叔父上、いやエドワルド公からの返答はいかに?」


なぜ?、今朝になるまで、返答が遅れたのか……。


「叔父上の考えが解らない……、今は、国がひとつにならなければならないときなのに………」


らしくないく焦っていた。


「ミザイナ陛下が、直接訪れるようにの一点張りでした」


困惑する使者を勤めた騎士の労を労いつつも、不快な気持ちからつい、唇を噛み締めていた。件の事件を起こしている公爵は、ミザイナにとって肉親で、実の叔父にあたるエドワルド公爵のことが問題であった。だから余計に解らない。


伯父である前国王が生きていた時までは肉親仲も悪くなかった筈だからだ。しかもミザイナが大使の任を承った後、挨拶に伺った時は、随分と心配され、体に気を付けるよう承ってもいた………、それだけに困惑していた。


『父がいれば、また違っていたかも知れないが……、』


最近ようやく容態が安定したばかりの父に、心配はかけたくなかった……、




━━━━━━━━




━━━地下迷宮6日目。


「変な匂いがしないか?」


鼻の効くミラが、眉間に皺を寄せる。


「言われて見れば確かに……」


リーラ侍祭も同意した。


「ぉ~くさっ。なんだこの匂いは」


御者台から。カールの悲鳴混じりの慌てる声がして、客車に逃げ込んで来た。どうしたのか?迷ったが、好奇心が勝り、見張り台に三人が上が

るや、すぐさま玉子の腐ったような刺激臭がして、鼻と口を押さえ慌てて中に戻る。


「なっ、何ですかあの匂いは」


信じられないと喚くジーナ、


「鼻の中に、まだ匂いが残って……」


真っ青になって。自分の髪をつまみ匂いを嗅いで、絶望的にうちしがれたミラ、


「ミラさん、オーラルさんを」


「わっ、わかった!」


土竜がスピードを下げないので、人体に害はないでしょうが、他の理由なら、土竜騎士のオーラルに、聞く方が確かである。

程なくすると、オーラルを引きずりミラが戻る。ついでに眼を覚ました姫様も一緒であった。寝ておられたようだ。


「ああ~温泉の村が、近いからかも」


一同首を傾げる。オーラルの話では、この辺りは、海底火山の下にあるらしく硫黄臭が、岩に染み込んでいると聞いたが………、誰も理解出来ない。


「この先に着く村には、天然のお風呂があってね、旅の疲れを取れる娯楽施設があるんだよ」


風呂の単語に、女性陣は食い付いていた。やや殺気を漂わせ。


「いつかな?オーラルお風呂は」


ミシミシ凄まじい怪力で、ミラに肩を捕まれた。なんとなく身の危険を感じたオーラルは、


「ま、間もなくですよミラ先輩……」


それを聞いて、安堵した三人は、あわてて仮眠室に向かう、


「うっうわ~何を」


ドスン、パタリ、凄まじい打撃音……、閉められた扉の音……、カールが当て身を喰らい、部屋から追い出されたようだ。



一応今日まで、水が豊富な村で、水の補給を済ませたついでに、身体を拭いたり、水で髪を拭く程度であるが行ってはいた。


「Jr.ありがとう」


気を利かせたJr.が、予定の村を変えて、温泉の村に向かってくれたようだ。赤い手甲を優しく撫でると、オーラルの意思を手甲から受け取り、Jr.は嬉しそうに鳴いた。



━━程なくして、



━━村が見えて来て、



━━村に到着する。


温泉の村の外には、小さいが駅があって。大きな連結土竜車を見つけた。村の子供達……に混じり、ドワーフが興味深そうに集まって来ていた。



彼等は、優秀な職人が多く、珍しい物好きで、偏屈だが、優しい亜人である。



駅舎の職員なのか、腰の曲がった老人に言われて、駅舎に暴君Jr.を連れて行き、労を労い、栄養価の高い、ワームの餌と牛が飼われてると聞き、ミルクをついでに頼む。少し多目に料金を払いお願いすると、しわくちゃの顔を破顔して、枯れ枝のような腕を捲り孫を連れて、支度を始めた。外では何か言いたそうな女性陣の眼差しを受けて、苦笑しながら、連結車両を好奇の眼で見る子供達に声をかける。


「済まないが、共同浴場に、お姉さん達を案内してくれないかな?」


三人子供の内。女の子が一人いる。村の子供達はオーラルに声を掛けられて、みんな驚いてたが、案内料を渡すとそはの中にしっかりした子がいて、


「後で、土竜に触らせてあげるから、頼むね」


約束させられた。

ちゃっかりしていた。


「うん!任せてよ」


眼をきらきらさせて、子供達は、急くように、女性陣を引き連れていく。


「やれやれ、ひどい目にあったよ……」


顔に、青アザをこさえたカールを、気の毒に思いながらも、集まるドワーフの職人に、声を掛けた。


「あの少しいいかな?」


偏屈そうな顔を見てると誰かを思い出す。にこやかに注目の的である車両のことを話す。当初は驚いたドワーフ逹も話し合い不可能ではないと言ってくれたので、まとまった金を渡して、追加車両制作を依頼する。驚いてたドワーフ達だが、眼を輝かせ任せろと厚い胸を叩いた。


オーラルが考えたのは帰りのこと。ミレーヌ様の公務予定では、早くても半月以上掛かる。なら今から改善策を準備しておくことが望ましいしい。これが上手く行けば、女性客や旅人も増えるだろうなとオーラルは確信していた。



しばらくしてからカールを連れて、

村に居を構える。太陽神に仕える神官に頼み、目立つ青アザを癒してもらってから、村にひとつだけある食堂で、人数分の料理を頼んでおく、訝しむ女将に女性陣が、温泉に行ってるのでと説明すると、恰幅の良い女将は、なるほどと豪快に笑ってくれた。


「それは仕方ないね。準備しとくから任せときな!」


快く請け負ってくれたので、ようやく一安心。


「お兄さん!、連れてったよ」


走ってきた子供が元気にオーラルを見つけて案内を済ませたと言うので、


「ありがとうな、じゃ約束通りに……」


カールに留守番を頼み、駅舎に連れてくと。


「キュイ?」


目敏く、オーラルにくっついていた、三人の子供を認め首を傾げた。


「Jr.済まないが、彼等と約束してね。君を触りたいそうだ、頼めるかい?」


「キュ~~イ!」


構わないよ。子供達に身体を擦り寄せる。


「うわ~ゴワゴワするね」


おっかなびっくり女の子が優しく触る。男の子達は、しきりにお腹に触れ、感心していた。

しばらくJr.とじゃれあってた三人を、親がちょっと心配して、見に来たようだ。



一瞬三人の親の1人が、驚いた顔をした。


「オーラルじゃないか!」


がっちりした細面の男に、オーラルも見覚えがあった。


「もしかして……ボルド先輩ですか?」


「おう!、覚えててくれたか」


にかり笑う顔は確かに見覚えがあった。色々と懐かしい思い出が蘇る。


「先輩……もしかして?」


照れ臭そうに、くすんだ色の手甲を見せる。他の二人も右腕の手甲を見せ、笑い会う、地下迷宮の村に住み。開拓をする土竜騎士がいると父に聞いたことがあった。彼らは迷宮にあるダンジョンやモンスターの巣から珍しい素材を取ってきたり。地下迷宮にある村や街の開拓事業に殉じることから。探求者または冒険者とも呼ばれていた。ボルド先輩達チームは、この温泉の村を拠点にして、モンスターの巣や、危険な生物の素材を狩って、生計を経てていると聞いた。


「それは大変な仕事を……」


「まあな色々大変ではあるが……。村人に感謝されるから、遣り甲斐はあるさ……、不安は子供達だがな………」


ほろ苦く娘ともう一人顔立ちの似た男の子の頭を優しく撫でる。くすぐったそうに目を細める。しかしとオーラルの表情は固い。これが今の土竜騎士の現状なのかと考えてしまう。自分にどうにか出来ないか、ついオーラルは考え悩む。



つい昔話を話し込み、楽しい時間はあっという間に過ぎて行く、


「またなオーラル!」


再会を約束して、ボルドは子供の手を握り、家路に着いた。



━━━用も終わりオーラルが戻る帰り道。温泉が気に入りご満悦の女性陣と合流する。食堂では、頼んでいた温泉の村の名産である鳥料理に舌鼓打って、渋みが強いが爽やかな喉ごしのお茶を頂きながら、みんなの話を聞く限り大満足であるようだ。食堂の女将さんに、宿を紹介してもらい、

今夜は、温泉の村で一泊することに決めた。


「あの……オーラル。少しいいかな?」


『また温泉に行きますの~』と、


温泉が気に入った姫と、ジーナに付き合い、クエナが同行する。カールはエルに引きずられ、ドワーフの工房に向かっていた。あの二人も良く分からんが、楽しそうなエルもなぜかカールにはなついてるようだし。


「うん、ちょうど俺も話がしたいと考えてたんだリーラ」


朗らかに笑いながら、さらりと嬉しいこと言われて。リーラは赤面する。二人は軽食を出す屋台を見つけたので、テーブルに相対で座り、飲み物と軽い食べ物を頼んだ。


「こうして二人で、話すの……、夏至祭以来ですね」


迷宮内は朝夕の区別を付けるため。夕方になると駅に街灯が灯る。あれはマジックアイテムになる。魔力さえ込めれば何度でも使えて、松明なんかよりも経済的であった。オーラルに言われたがリーラもオーラルと同じく、思い出してたようだ。


「兄さん……、変わりました」


ゆっくりと……、


色々な思いが溢れて、


胸が一杯になってからか、


リーラの眼から、シズシズと涙が流れ落ちた。


「ありがとうオーラル」


いくら感謝しても足りないくらい……、


母も思い悩む姿がなくなっていた。

本当によかった。

何よりも……自分が……、


でもと考えてしまう。オーラルは誰よりも頑張って、苦難の先を歩き。何処までもかけ上ることの出来る人だ。今ではアレイク王国でも知らない人はいないほどのまさに英雄と呼ばれている。


『でも本人は、気にもしないけど、

でも私……、怖い……、誰かに……、オーラルが…、』


「リーラ、実はこの仕事終われば、しばらく休暇になるんだ。君さえ良かったらまた俺とデートしてくれないかな?」


「へっ……、わっ私とですか?」


「ああ~嫌なら諦めるよ」


「いっ、行きます!」


慌てて、力一杯言ってしまい。真っ赤になっていた。


「じゃ、じゃあさ休みが決まったら、大聖堂に顔出すよ」


「はい!、お待ちしてます」


いつの間にか思い悩んでいた不安が、胸中から消えていた。今度こそ、リーラは幸せそうに笑えていた。




━━南大陸、軍国ローレン。



設えられた真新しい将軍の執務室に、アルマン・ソゲルがやってきた。軍国の財政を一手に引き受ける。アルマン商会の若き当主であり、軍国の財務省トップを兼任している。この国の参謀である。


「久しぶりだなソゲル」


「はいバローナ閣下」


表面上は、敬うように一礼したアルマンだが、実質この国の支配者は、アルマンである。

建国したと言ってもまだ新しい国であり母体は小国の集まりである軍国国内。未だに小さな反乱があったりと情勢はまだ不安定である。最近の事だが元ダーレン軍のグレビー・アシュビ率いる少数の兵が、ラノビー砦を占拠して。未だに苦戦を強いられていた。


「ラノビー砦の件だな?」


久しぶりに現れた理由は、遅々と進まぬ。反乱の鎮圧について、あまり長引くと、軍国ローレンの統治力を疑われかねないからだろう。


「はい分かってるようで何よりですね。それならば何故早急に。反乱者を駆逐してしまわれないのですか、閣下?」


不満があるのだろう、自分達も元反乱者なのにな、とバローナは思ったがあえて口にはしない。商人であるため軍事費が掛かることが理解しているが、許せるかとは違うためソゲルからしたら、わざわざ手抜きして、泳がせてるように感じてしまうのだろう、まあ~理由が解らないから。商人としてはそう見当を付けたかの口調である。


『現時点はそう言われても文句は言えないが……』


バローナとて、本当ならば早々に決着をつけいが、そう簡単に決着を着けたくない理由もあった。


『所詮は商人であるアルマン商会長であるソゲルには解るまい……、』


「聞くが、あれが本当にただの反乱だと思ってるのか?」


理由を述べる前に。最初に問いかける。


「……閣下?、それはどういう意味ですかな……」


訝しげなアルマンが、眉を訝しげに潜め問い掛ける途中。ノックがなされた。どうやら軍師デーアのようで入室を許可する。


「まあ~待て、詳しくはデーアと聞くが良いよ」


会話が中座させられ、もう一人の幹部が入って来たところでなにかしら言いたげな眼差しをかわすために。少し冷えたお茶をすする。


「デーア先に報告を頼む」


「はっ、閣下の予測通り、グレビー・アスナルから、会談の申し出がありました」


デーアの言葉に一つ頷き、戸惑うアルマンを見て、小さく笑っていた。



━━━元ダーレン国、国境防衛将軍グレビー・アスナル、肩書きだけの昼行灯と蔑まれた中年男は、ダーレン国の動乱のなか、精々とした気持ちで、将軍職を投げ出していた。


元々、親が地方領主で、裕福だが名誉が無かった親が金を積んで、手に入れた地位など、惜しくもなかった。



アスナルとしては、どこかの片田舎の村で、細々と畑いじりでもして、のんびり余生を生きてくつもりだったが、生真面目な部下に見つかってしまい。仕方なく、神輿に担がれた訳だが……、



まるでやる気もく。自分から動かないアスナルに嫌気がさして、騎士逹は突撃、簡単に戦死ししていた。たまたま神輿に担がれて、再び押し付けらた将軍と呼ばれてはいるが、その胸中。理想を囁かれ、訳も解らず武器を手にした新兵を守らなければ、死んでも死にきれん、やる気などないが……、

バローナ将軍は、公平な男だと噂を聞いていた。武勇に優れ軍略の見識が広いことから。此方の意向に気付いてくれれば、乗ってくれる可能性がある。



最早それにいちるの望みを賭けていた。



━━━バローナは部下からの報告を聞き、

砦を占拠する反乱側が、変わったと感じたのは、それから間もなくである。



当初無謀な突撃ばかり繰り返していた反乱側が、戦術を使いはじめたので驚いた。それとなく手を読むようになると。まるでゲームの仕手戦を挑まれてるような感じがして、バローナ自身訳もく面白いと感じた。そして直ぐにグレビー・アスナルの目的に気付いた。


「成る程……、気付いて、今まで動かず。わざわざ愚鈍を演じるか」


密かに、楽しみが出来たとバローナは、乗ることにした。わざわざ新任の部下を向かわせたり。そこそこ頭の切れる士官を向かわせたりと。色々品を代え相手を代えて試してみたが、グレビー・アスナルの狙いは明らかであった。軍国ローレンの支配者、この場合は表向きと付ける必要がある。バローナを引っ張り出すため……、ギリギリの綱渡りを繰り広げ演じて見せた。


「成る程……、それほどの知将がいたとは……」


グレビー・アスナル将軍の会談の申し出を受けると。返答したバローナを非難する眼差しだったアルマンは、バローナの軍事に対する先見性を感じて、すっかり感心ししていた。もしもアルマンなら気付かす。攻め続け殺していただけであろう……、こと戦略、軍務において、自分が素人とだと改めて理解した。


「バローナ将軍、貴方に彼等の処遇。お任せしましょう」


ようやく本当の支配者であるアルマンにも理解出来た気がした。何故今まで動かなかったか、アルマンが訪れたのを見計らい。商人だからこそ解るように利で説く、これ程の才が、惜しいと……、強く思い始めていた。



━━━ファレイナ公国、セドの街、



千にも及ぶ、槍の名門アルベルト流門下生は、

武装して整然と整列していた。エドワルド公爵は長巻きと呼ばれる。槍の穂先に、片刃の幅広い刃が付いた槍を手にしていた。


「今こそ、剣の国から、我らが槍を国技にし。覇権を得る!」


「うぉおおおおおおおおおー!」


長年槍の名門と呼ばれたアルベルト家、門弟も剣の国の中では、長年苦汁を舐めてきた……。先の戦にすらアルベルト公すらも呼ばれることもなく……、国王崩御の時ですら。使者が報せて来ただけである。


━━誰もが……、馬鹿にしたかのように、エドワルド公爵家を侮ってる。



━━なら……、今こそ好機!、蜂起する時ぞ。



豪風一閃。長巻きの一刃で、広場にあった初代剣王の像を、台座ごと、真っ二つにしていた。




━━エドワルド公爵、謀反を計り蜂起そかする!。



ファレイナ公国を揺るがす。大事件の一報が入ったのは、早朝未明である。


あまりの事にミザイナは言葉を失った。


「申し上げます!、エドワルド公率いる。反乱軍およそ千。セドの街を北上して、間もなくライト剣将率いる駐屯兵と、激突すると一報あり」


「何だと!、叔父上は何を考えてるんだ……」


怒りのあまり、立ち上がる。


「ミザイナ」


ぼくとつと、自然体を崩さないジンベイ諭され。ハッと我に帰る。深く深く呼吸して、冷静になろうと、精神集中した、愛剣を手にして、ようやく少しだけ落ち着きを取り戻した。


「ジンベイ済まないが……、ターミナルに向かってほしい……、万一のため王女の警護を頼む、私は叔父上を迎え撃つ、いかにライトでも、叔父上の相手は荷が重いから……」


「承知」


朗らかに、ミザイナの考えを尊重してくれるジンベイ。彼の優しい瞳で見詰められると。胸が熱くなる。深い信頼をミザイナに寄せてくれる。それだけでいつも救われるのだ。




━━━地下迷宮、中継の街南。


オーラル一行は、何も知らず。長旅の終わりを寂しく感じながら、南大陸、タミナルの街に向かっていた。


「後2日程で、南タミナルの街に到着しますが、ここから先は、急激に気温が代わります。南大陸は今は真夏です。エル魔法を切り替えといてくれ、皆は、涼しい格好をしとくようにな」


「解りました姫様、御目し替えしましょうね」


「はーいですの~。到着がとっても楽しみですの♪」


ジーナと姫様は和やかな会話を楽しみながら部屋に戻る。入れ替わりに、見張り台に出てたカールが、袖を捲り、胸元開けながら戻ってきた。


「いや~、外暑いよ、サウナの中にいる気分だぜ~」


素早くエルが、空調を調整して、瞬く間に客車が、涼しくなった。


「ふぅ~助かるよ~。ありがとうなエル~」


「ふん、べっ別に、カールのためじゃに……」


お礼言われたのが、照れくさかったのだろう、ちょっと噛んでいた。からかうようなオーラルの思考を読み。ますます顔を赤らめていた。拗ねたように軽くオーラルを睨んでいた。


何時もならエルの面倒みてくれる。ジン・ゲルマンがいない、凶相のジンは、見た目に反して、子供好きである。動物好きの可愛いもの好きと見た目に反した気は優しくて力持ち、気遣いの男であるが。まあ~顔のせいで悲しい思いすることが多すぎる男であるが、エルは人の心が読めるため優しい性格のジンに、すぐ心を開いた。そうしたジンの悲しみを感じて、喜んで側にいるように思われる。エルはとても優しいから……おっと、意識を読まれたか、


「大丈夫かエル?、顔真っ赤だぞ」


心配そうなカールは、熱を計るように額に手を乗せてきたから、エル益々余計に固まっていた。


「だっ、大丈夫……あっ」


離れる手を、残念そうに見ていた。


「エル~お前も、着替えなよ」


カールと見張りを代わるため、先に着替えてたミラ先輩に促されて、エルは少しだけ安堵混じりに、後ろ髪引かれつつも後ろの車両に向かう、


「ふ~ん、あの子も変わったわね……、まあ~趣味は悪いけどさ」


笑み混じりの嘆息をしながら、見張り台に上がってくミラに。オーラルも思わず小さく笑っていた。






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