表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
少尉ですが何か?改修  作者: 背徳の魔王
海賊中尉ですか?
52/123

一夜開けて、


━━一夜明けて。



改めて、救出されたクエナ・ガイロンを伴い。女王を交えて、執務室で報告をまとめる。


「助かったぜオーラル。流石にあれはヤバかったからな」


荒事が得意なイブロだが、視覚魔法を苦手としていた。

無論ナターシャを狙う者が要ることはわかっていたので、ナターシャには常に防御系魔法で守られていたのだ、彼女は防御魔法に特化した魔法の使い手で、暗殺者も迂闊に、手を出せずにいたと聞いた。そこでオーラルは、事前に黒衣の長ノルカに依頼していた。


「嫌よ!、黒衣の長を呼び出して、何様のつもり……」


殺気漂う……剣呑なノルカに、肩を竦めながら、


「あんたの親父さん、好きに使ってくれと言ってたが?」


「なっ……」


絶句するノルカ、改めてラトワニア神国に巣くう、暗殺者達の炙り出しを依頼した。


「成る程……、ラトワニア神国の女王を守るためか……仕方ない…承知したわ」


諦めに似た顔で、立ち去ろうとするノルカ、にんまり悪戯ぽく笑いながら、


「ミラ先輩が、ノルカ姉ちゃん大好きだとさ」


ドサドサ、窓枠を踏み外し堕ちる音がした……、


ノルカは、おでこの青アザを隠すため仕方なく、花売りに扮装する。


「あんにゃろ、いつかギャフンと言わせてやるんだから!」


静かに決意するノルカ、だがチョピリ天然のノルカに可能かは、別の話である。



━━ノルカ達、黒衣の手引きを受けて、イブロは内密に、オーラルの指示を受諾、配下の一部を、

イブロが来る数日前から、待機させていたのである。



かくして━━第一分隊中尉、クエナ・ガイロンさえも捕らわれていた、が、無事に救出された……、


自分の不甲斐なさに、落ち込んでるクエナ、



一方で━━黒衣の村から、見違えたのが、カールだろう。それと………、カールの魔法の先生として、振る舞うエルはかな……、不機嫌そうに、女の子に囲まれるカールを睨む。随分明るくなり、みんなと打ち解けたように見える。


「ほら隊長、口を拭いて」


「ん……」


クリームの付いた顔を出すと、副官のジン・ゲルマンが、世話を焼く。凶顔のためいささか、子供受けに難があるジンだが、動物や子供好きと言う一面もある。が、やはり凶顔の為…泣かれるか、親に人さらいと間違われることもしばしば、物怖じしないエルを猫可愛がりしてるが、


まあ~大丈夫だろう……、


「相変わらずの策士ぷりだな~オーラル!」


軽く胸を叩く仕草をする。ドヴィア騎士団の親愛を示す行為。イブロは相変わらず暑い男のようだ。


「娘らしいなイブロ」


イブロの妻セシルは、ナターシャの姉で、オーラルの旧友の1人だ。


「そうなんだよ」


娘の話を振るや戦士の顔から、雪崩を食らったように。親バカ丸出しのデレデレ顔に崩れた。幸せなのが滲み出てる。


「セレナは、妻に似て、美しくなるぞ!」


ガシガシ背を叩かれ、いささか眉をひそめながら、声を潜める。


「イブロ、セシルに頼まれてた生地が手に入った。後で取りに来てくれ」


あっと思い出して、感謝を述べる。


「助かる。この時勢、南大陸の生地は手に入らないからな……」


「あと例の薬、あれも手に入った、一緒に届けてくれ」


驚いた顔をしてたがクシャリ。安堵と喜びに、顔をくしゃくしゃにしながら、頭を下げる。


「北大陸から良く手に入ったな……」


イブロの父、前騎士団長は、肺の病のため引退した、が、強運の戦士と呼ばれていた。イブロ以上の戦上手とも知られていたのだ。


「ああ北のレオールの宰相レイナに、無理を言ったよ、旅立つ前に届いて良かった」


イブロも、一度会ったことがある。旧知の人物であった。


「おお!レイナ殿か、懐かしいな……」


━━━もう……8年以上前になるか…、



見るからに強面の武人らしいイブロだが、人情に弱く、優しい性格が災いして、苦労もする。だからこそ国を越えて、さらには国すら動かして、義妹ナターシャを助けるために、イブロは動いた。面白い奴だ……、



━━昔。レイナから教えられた、特別な材料を使った薬だ、問題は材料だが、運が良いのか…、飛竜の尾、はぐれワームの胆石とか…、たまたま以前手に入れてたのだから……、レイナからの知らせを見て、笑ってしまった。


「一度、最強の運を持つ戦士に会いたいものだよ」


オーラルの呟きに。にかっと虫歯すら近寄らなさそうな、白い歯を煌めかせ、


「セレナに会わせてやろう」


娘自慢すらして、照れ笑いする。思わずクスリ笑いながら、イブロの胸を軽く、ドウィア式に、拳で小突きあい、


「楽しみにしてる」


二人は久しぶりに心から笑っていた。



ナターシャ女王から呼ばれた。イブロとオーラルの二人は、女王暗殺を防いだ功績により、ラトワニアにて、一代限りになるが、他国兵士に与えられる栄誉。騎士の称号を与えられた。これは末席であるがラトワニアにおいて、貴族に準ずると認めるとの由緒正しい称号であった。



これからリドアニア公国との戦において、ラトワニア軍の指揮権も、同時に与える為の処置であると同時に。二人の立場を守る処置としたのだ。



イブロとオーラルはその日の内に、軍に赴き、ラトワニア神国の暗闇を垣間見て、顔をしかめた。



ラトワニア神国には、始まりの4祖神を祭る。古い神殿があった、それぞれが強力な僧兵を独自に抱えるため、4人の大僧正による。派遣争いが、大問題であったのだ……、


新しい8神殿は、女王の要請を快諾した。合わせて8千の僧兵が、今のラトワニア神国の戦力である。



しかし一方で……リドアニア公国の戦力は、少なくとも4万と聞く、戦力的には、4つの神殿から僧兵を借りれなければ…劣勢は明白である。


「なんだあいつ等は!」


実直なイブロには、信じられない暴挙だろう……、しかし欲は人間だれしもある。ラトワニア神国は、東大陸の人々の拠り所である。飾りの女王とて、民に絶大な尊敬を集めていた。だから女王から。各神殿の後ろ楯になったと言わせるだけで莫大な利益が見込めるのだ。


利権が絡む以上……、神殿のトップである4人の大僧正は、自分たちこそが、ラトワニア神国の国教と認めて貰えなくては、1人の僧兵も出さないとお互い譲らず。膠着していて、今日の話し合いは終わった。


「どうするのだオーラル?」


不機嫌なイブロだが、力業でどうにかなる問題でないこと理解していた。


「アセリア大僧正、ルメージ大僧正の2人次第かな……」


「む?、太陽神アセードラの大僧正ルメージと。海神プラト

ーンの大僧正アセリアがか?」


眉間に皺を寄せながら、腕を組む、ピンと来ないようだ。

古き祖の4柱を頂く神殿は、四方の門を守っていた。


東の海王神プラトーン、


南の太陽神アセードラ、


北の蒼神セイラーン、


西の緑神ロレンブラである。


ラトワニア神国首都の四方の門を守っていると言い伝えられていた。中でも太陽神アセードラ、海王神プラトーンは神々の中でも覇権争いをしたなか、犬猿の神々である。神殿同士。仲が悪いのは有名であろうか、


「イブロ………最近海賊が、海王神プラトーンの商船を襲ってるて話を。知ってるか?」


これはラトワニアで、暗殺者炙り出しの最中、黒衣の長ノルカから聞いた話である。と、前置きしたが、ノルカに調べてくれと頼んでた案件であったが……、



━━ラトワニア神国、海の玄関口として利用してる街がある。


三日月の形をした半島の先にある港街ラーダは、どの国にも属さない独立自治区として表向きは有名であった。北大陸からも連日、沢山の商船が、港を訪れていた。

━━そして……、ラーダの商船の多くは、海王神プラトーンの神殿が出資してる。商会の持ち船である。



━━最近……、リドラニア公国に向かう商船が、海賊に襲われていると言うのだ、魔王と同盟を組むリドラニアとはいえ。あくまでも商いに関係はなく。神殿にとって、多大な損害がでるのは確かである。


その為ではないが、噂が出始めていた。太陽神アセードラの信者が、裏で糸を引いていると、アセリア大僧正も疑っているようだと……、


「なるほど……お前の狙い読めたぜ!」


イブロは単純に、自分の役割に気付き、ニヤリと……獰猛に笑んでいた。




━━━その日の明け方。



オーラルは、秘密利に、ノルカの手引きされて、ラーダの街に潜入していた。情報収集をしていたのだ。それから10日あまりかけてある情報を手に入れる。




………古くも、


暖かみのある食堂で、酸味のきつい。北の果物ライムをふんだんに使った。酒を混ぜたエールがある。オーラルはそれを頼み、店主のお勧めを注文して、料理が来たら、やや多めの料金を払う。金払いの良い客に、嫌な顔をする店員はいない、噂話を仕入れるには、有効である。

二杯目を注文して、一気に飲み干すと、

早々に、次の店に向かった。


━━流石に3件目からきつい……、胸焼け気味の腹を抱えて、オーラルは探す。海賊を……、

海賊の話を集める内に。興味深い話を耳にした。



━━数年前……。



リドラニアの王命で、処刑された王族がいたと……、彼女は1人の海賊を頼り、王に逆らい逆賊とされ多額の賞金が掛けられたこと。最後は仲間に裏切られ死んだと言う話だ……、その海賊団の生き残が、今も暴れてると噂を聞いた……、


「例の息子……、彼を面倒見てる。男の住まいが解ったわ」


街頭で、果物を選ぶ、使用人に扮装したノルカは、唇さえ動かさず。特殊な音域で話すため、オーラルにしか聞こえない。


「俺は接触してみるよ。数人残して、ナターシャの護衛を頼む」


ムッと剣呑な眼差しのノルカに、維持悪く微笑しながら、

小さな包装された小箱が手渡される。


「何よこれ?」


甘い香りがほのかに香る。どうやら焼き菓子のようだが……、怪訝なノルカに、


「ミラ先輩に頼まれてね」


「なっ………、あの子……」


肯定すると羞恥に、赤い顔になる。


「ミラ先輩知ってたよ~。俺がノルカさんと付き合ってるのを」


ドサリ……、何も無いところで、痩けるノルカ、オーラルは無視して、雑踏を進む。わなわな怒りの声が、聞こえてきたが、クスクス笑いながら楽しげに。港に向かうオーラルだった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ