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少尉ですが何か?改修  作者: 背徳の魔王
第四章
39/123

迷子な少尉と変わった分隊の面々



━━カレイラ師団の入り口で、入隊手続きを行い、敷地に入ったのは、昼前だったのだが……、




空を見上げ、日が高くなったな~、疲れたように首元を緩めてから。改めて広大な領地を平眼して、嘆息していた……


「確かに受付で、広いとは聞いていたよ……、」


「でもさ~ここまで何も無いとは……」


アレイ学園でも乗り合い馬車くらいはあったのにと。自分の甘さに、ぐったりしていた。かれこれ2シクレイ(二時間)あまりも歩いてるが、それらしい建物がまったくなかったのだ。



それもこれも2月前に……起こった伝染病のせいである。未だ軍馬は、優先的にフロスト騎士団に、回されている。



フロスト騎士団とは、主に国内の治安を守る目的でアレイ教団が設立した。治安部隊が目的の師団である。主に大小の街に駐屯所が作られ。主な任務に。街道の巡回があって、わや浅い森に出るモンスターの討伐。盗賊、山賊の捕縛討伐等多岐に渡るが、医者の少ない地方では代わりを勤めることも業務に含まれてるから、フロスト騎士の人員は多忙であった。


現在、人為的な疫病の蔓延によって、未だに小さな村、集落では、病に苦しむ人々はいる。無料の馬車をフロスト騎士団が運行しているため、比較的新しい師団のカレイラ陸戦師団にとってタイミングが悪かったのか、軍馬の配備が遅れていた。その為貴重な馬はなかなか各部隊に回って来ないのが現状である。



それよりも……、現在も続く海洋の嵐が長く続き、物流の滞りも問題で。その為本来ある。広大な所領のカレイラ師団内を走る。定期便も運休とのこと、



未だに戦士養成学校からの正式な配備が決まっておらず。先に一人ぼっちの新兵である配属人員に。わざわざ馬なんて出してくれる筈もなく。オーラルのような立場の者は、各部隊の隊舎までは、自分の足で、探さないとならないようだ。


「思ってた以上に面倒な場所だな…………」


ぐったりと近くの岩に座り、一休みすることにした。



どれくらいそうしてたか、



……ガラガラ………、



古い滑車を回すような音。此方に何かが近付いてくるようだ……、遠目に見ていたら。やがて古ぼけた荷馬車を引いてるような、どうやら驢馬が古い荷馬車を引いてるのか、物凄いゆっくりとこちらに向かって来るのが見えてきた。



━━1日前。



第1分隊長アロ・ジムスは、副隊長を勤める。女性仕官。クエナ・ガイロン中尉の問いに答えた。


「名は、オーラル・ハウチューデン階級は少尉、年齢26。明日より、我が、第1分隊所属となる。彼はクエナ君が、面倒を見ること」


形の良い眉を寄せて、


「えーと………、新人ですよね?」


「そうだ……」


やや不安な顔を覗かせる。小さく迷ってるクエナを勘違いしたアロが、追記した。


「彼は、最近カレイラ准将と同じく『オールラウンダー』の称号を得た人物で、戦士養成学校の卒業生である」


あっと言うように、口を開いた、やはり訝しげに首を傾げる。


「まあ~そうだろうな、カレイラ准将直々の命令なんだ、遅くても半年後。早ければ2ヶ月後に更に49名が、養成学校から編入される新兵だが、なんと第1分隊所属と決まってる」


もはや驚きは隠せないクエナに、やはり勘違いしていたアロは、


「要するにだ。カレイラ准将は彼に経験を積ませ、第1分隊をオーラル分隊とする考えなのだろう」


と、余計なことまで言う、アロの悪い癖である。


「………」


幾分、険のある眼差しのクエナに、やれやれと首を振る。それが自分の余計な一言であると、爪の先ほど思ってないアロであった。


「問題が起こらなければ良いが……」


アロ中隊長が、閑職に追いやられてた最大の理由は……。



驢馬が轢く馬車は、オーラルの前で止まった。


「貴様!。そんなとこで何をしている?」


女性仕官か?、やや驚きながらも、素早く立ち上がり敬礼した、やや鼻白みつつ、


「私はクエナ・ガイロンだ、貴様の名前と所属部隊、階級は?」


じろじろ無遠慮な眼差しで見られた。


「オーラル・ハウチューデン少尉、第1分隊に、今日から所属です」


これには虚を突かれたように、驚きを隠せずにいたが、


「貴様……、こんな時間に。まだ隊と合流してないのか……」


冷たい、怒気を孕む眼差しを受けた。だがオーラルは気にせず軽く肩をすくめて見せてから、


「申し訳ありません、クエナ中尉、その通りですが、正式には、明日から、部隊編入となりますので、今日中に、就任報告すれば良いと言われております」


忌憚ない、非の打ち所ない返答に、怒りを忘れ、やや戸惑ったような顔をする。


「えーとオーラル少尉……、そうなのか?」


一瞬、気弱そうな、不安そうな顔をしたので、第一印象が、印象だけに、ギャップの落差に、戸惑い、迷ったが、辞令書をクエナ中尉に見せた。


みるみる顔を真っ赤にして、オロオロ挙動不審に……、


「すっ、すまん!」


平謝りするクエナは、同じ第1分隊のオーラルの上司になるらしい……。ガイロン?


「その……中隊長から、今日来るとしか聞いていなかたのだが……」


いつまで待っても来ないので、心配になり、カレイラ師団頓所受付で、聞くことにしたとのこと、するとどういうことか昼前には、受け付けを終えてると言うしで。



何処かで迷ってるのでは?、探し回ってくれたのだろう……、


最初が、最初だっけに、厳しい人かと思えば……、


「第1分隊は、まだ人数もいない、そっ、そのまともそうな人間が、我が隊に入ると聞いて……」


ん?、まともそうな人間?、気になる箇所はあるが、面倒見の良い。優しい人物のようだ。


とりあえずクエナから、驢馬の御者を替わり、第1分隊、隊舎に着いたのは程なくであった。



オーラルの前には、比較的真新しい建物があるも、まるで人の気配が無く。閑散としたイメージが湧いた。


「何せ。貴様を入れて、我が、第1分隊は6名だけだ、いずれ貴様の仲間が、合流すると聞く、現状。隊舎に住むのは私と貴様だけだ」


何となく、寂しげな表情をしていた。少し迷いつつも妙な迫力でいて、真剣な顔をした。


「いっ、いずれ、部下が増えるのだが、そっその……貴様は、料理等は出来るのか?」


恥ずかしいのか、顔を真っ赤にしながら、切実な顔をしていた、ふっと気付いた、オーラルより年下の女性にしては、肌荒れが…疲れた表情、顔色、挙動不審……、


「得意ですよ料理は」


そう答えるやパーッと華やいだ笑み、小さくガッツポーズなど取る。


「えーと…」


それから不安そうな、期待するような眼差しに、


「そう言えばお昼もまだでしたね。俺もお腹空きましたし。何か作りますか?」


「頼む!」二つ返事で、今にも、抱き付いて来そうな勢いである。



とりあえず。食料庫の中を調べた。



━━中には、腐りかけの屑僅野菜、上等のチーズ、ベーコン、カビたパン、発酵し過ぎたすえた臭いの塩漬け魚、パスタ、小麦粉だけ、



樽に入ってた萎びた林檎、それに反して何故か豊富なワイン、


「これは一体?、どういう事だ」


閑職らしい分隊だが、食料が少なすぎる。物流不足が理由か?、



何故か、倉庫の隅には大量の砂糖が袋も開けられず、山積みになっていた……、



確か砂糖は高騰してるはずだ……、


「成る程……」


これらの食材を全部出して、屑野菜の、食べれる部分だけ集める。その間。発酵し過ぎた魚の塩抜きをしてるが、あれは明日の夕飯に使うとして……、



まずはパスタを茹でる。横で、

野菜とベーコンを炒め、ゆで汁を加えたら、チーズをふんだんに入れて、とろみをつける。

塩胡椒で味付けをした。



萎びた林檎を、カルバトス=林檎の蒸留酒と大量の砂糖で、煮付けてる。その間にパイ生地を作る。バターや卵が無いから、歯触りは悪くなるが、アップルパイをオーブンで焼く。



茹であがったパスタを、ソースに絡め、大皿に盛り付け、テーブルにデデンと置いた。

余ったジャガイモの皮の芽を丁寧に取り、人参の皮と、カビたパンをオーブンで素焼きにして、スープの具材にした。


カチャカチャ、モグモグ、出された山盛りのパスタ、鍋一杯のスープが綺麗に、クエナの胃袋に収まるまで、僅かな時間だ。流石に驚いたが、口直しに紅茶を入れて、砂糖を焦がしたキャラメルでコーティングした。

アップルパイを添えて出したが、それもあっと言う間に、食べていった。


「…フ~ウ、生き返る……」


満足そうに、至福の顔をするクエナ、思わず微笑して見てたが、さっきの大量の砂糖を思い出して、ある考えが頭を過っていた。


「クエナさん明日。買い出し。行きませんか?、食料庫を見ましたが、まともな食料なんて全くありませんでしたから」


「うん♪そうだな、久しぶりに人間らしい食事をした、オーラル助かった」


満面の笑みのクエナに、疑問を問うことにした、


「それはそうと、他の分隊の人はどちらに?」


「うむ、中隊長殿は、街に住まいがあるから、夕方には帰られる。他のメンバーは……」


ペチリ、テーブルの下から手が伸びていた。アップルパイをかすめ取る前に。クエナが叩いた音。


「むむむ………痛い」


女の子の声が、テーブルの下から、


「やあ~新人」


ちっちゃな女の子が、分厚い本を広げたまま、手だけ動かして、挨拶らしくピコピコ動かしていた。


「やっぱりエル・フィアン少尉!。いつの間に」


………えっ?、



呆気にとられるオーラルは、ちっちゃな女の子が、自分と同じ少尉であることに驚愕する。どう見ても子供である。


「うむクエナ、久しぶりだな~、壊滅的料理オンチのクエナしか住んでない、恐怖の館から、得も言われぬ。旨そうな香りがして、3日3晩本を読みながら歩いてた私には、毒を喰らう覚悟であった」


なんて言うか……遭難してたのかな?、臭いに誘われ、久しぶりに隊舎に着いたとか?


「うむうむ、その通りなのさ~、あははは~」


おや今のは、口にしてないが?、もしかして、俺の心を読んでるとか、確かそう言う力の女の子が、宮廷魔導師にいると訊いたな……。


しばらく色々考えて、試しに。


`アップルパイはまだある。紅茶を入れるから、ちゃんと椅子に座りなさい´


わざと意識だけを飛ばしてみた。うまくすれば、読ませたい意識だけをエルに読ませることが出来るかもと。そんな軽い気持ちで試してみる。


「うお……。わっ、解った」


驚ろいたエルだったが、大人しく従う。オーラルは彼女の分の紅茶を入れて、大きめに切ったアップルパイ2切れ添えて、10歳位にしか見えないエルの前に置いた。パッと目を輝かせ、早速一口。足をバタバタさせた。


「これは……、ブルーの店で食べたケーキに匹敵する」


思わず唸るエル。傍らに置いた本が、オーラルの目に入る。古代の原語の珍しい本だ……。


`その本、古代の民、光の民の本だよね?´


「うむ……よく知ってるな」


`前に、光の民と知り合いになってね´


ガタリ、驚愕するエルは、興奮気味で立ち上がろうとした。


「本当なのか?」


`ああ~真実だよ´

「ちょっと!オーラル少尉、2人で何の話をしている」


のけ者にされた気分になったクエナは、不快感から二人を睨み付けた。そんな彼女に悪いが、ニヤニヤっと意地悪くエルが笑うから、今度はオーラルを睨んで来た。


「さ~て。洗い物しちゃいますね~」


わざとらしい言い訳を残し。逃げていた。


`クエナには悪いけど、流石にこれでは心配で、洗い物もさせれないな~´


何と無くオーラルの言わんとすることを読み取り。


「プッ………」


思わず吹き出したエルに、キッときつい眼差しで睨まれてしまい。目を泳がせたが、何となく胸を張りわざと笑い声を上げて。


「あははは~、内緒だ、さて私は魔導師ギルドに戻る。また明日これたら来るからな!」


すたすた小気味よく手を上げ、しゅたりと外に向かう。でもささっき自分で、迷ってたと言ってたのに大丈夫なのかな?。内心不安になったが、仮にも宮廷魔導師である。多分大丈夫だろう、エルは逃げた。


「内緒です」


睨むクエナを残して、早速洗い物を終わらてせることにした。残されたクエナは憮然とする。それからしばらくして機嫌を直したクエナの案内で、仕官用の部屋に案内された。


「隣が私の部屋だ」


二階のお隣さんですかとは、多少なり思ったが、与えられた部屋にはいり、

疲れてたので、何もない。ベッドに倉庫から、マットレスと毛布、タオルケットを引っ張り出して、整えてから早々に休むことにした。



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