エピローグ新たなる脅威の胎動
エピローグ
━━翌年……、
春のこと緑の月。暦では、
赤の月を一月、
(太陽神アセードラ)
蒼の月二月
(蒼の神セイラーン)
緑の月三月
(緑神ロレンブラ)
海の月四月
(海神プラトーン)
狂の月五月
(狂気・狂乱の女神ルグワイト)
水の月七月
(泉の女神エルーニニ)
森の月八月
(森の女神シューフウ)
地の月九月
(大地の女神アレ)
火の月十月
(炎の神フレイム)
風の月十一月
(風の神ヒュード)
光月の月十二月
(光の女神レイザー・月の女神ラトアは双子の女神)
━━アレイク王国。
赤の月初旬。
世界を救った英雄の一人オーラル・ハウチューデン准将は、
年明けに結婚していた。
ひっそりと。身近な人々を集めての結婚式だったが、オーラルの人柄か、英雄の仁徳か、アレイク王国の重鎮は無論。隣国からも友人が訪れたと言う。秘かに世界会議が行われたのではないかと思われるほどだった。
━━結婚から半年。
アレイク王国を激震が走る。
英雄オーラル・ハウチューデンが、
職を辞したのだ。
民は嘆いた。あまりのことに焦りを抱いた。
━━翌日。
暗く。落ち込んでいた人々を歓喜が襲う。
なんとオーラルが、中央大陸に新たなる国を造る毎になったと発表されたのだ……、
人々は、その日。お祭り騒ぎを楽しんだ。腕が痛くなるほどの乾杯を繰返し。
翌日の昼間で寝ていた者が続出したほどだ。
アレイク王国にとって、オーラル・ハウチューデンと言う青年は、
稀代の英雄であると同時に。アレイク王国の誇りだったのだ
━━昨年の終わり。
中央事件のこと発表する折りに。
あることも発表されて、物議を呼んでいた。
━━そう……。
魔王ピアンザの行った所業についての理由であった。大きな波紋を広げていた。
一方で━━。
オーラルの父が、北のレオール連合の将軍職にあることが知らされた。
これにも驚かされたのだが……、
オーラルには、世界中の王が後見人として、名乗りを上げたことを話題にした。
ただ理由を知る者は少ないが、理由を知った者は、嫉妬を抱かずに同情したに違いない。
なかには素直に。素晴らしい判断だと声高々に叫んだかもしれない内容だった。
━━未だ。中央大陸には、多くの元赤の民の生き残りと、数多の魔物が巣食う、危険な大陸である。
様々な有益な利権を主張したとしても、それを得るには、莫大な費用と現実問題があったのだ。
とてもではないが、そんな危険な土地を得て、住まうことは現実的に難しいことだった。
しかしオーラルには『聖王の剣』があった。
大陸には、瘴気がが強い場所が多く。普通の人間では生きてくことも大変な不浄の土地であった。
浄化の時間も必要だ。それ故にオーラルが王になることが許されたのだ。
それ故に、オーラルが世界中から求められた理由である。
難しい英断に世界中の王は同意したと……、
だがそれ以上の大きな異変もあった……。
中央大陸が戻ったことで、地下迷宮は、全ての大陸を繋いだ。
土竜ギルドは、拠点を中央大陸に移すことを名言した。
━━世界中で起きた事件。
魔人の爪痕も甚大で、
今しばらく……。
平和な時を世界は過ごす毎になる……。
━━━ドクン……、
南大陸、華の国ダナイの地下、
はぐれワームが、作った巣の奥にある巨大な繭は、白い塊を吐き出した、
ピシリ……、
繭の内側から、白く美しい手が、亀裂に手を掛けていた、
ゆっくり……、
ゆっくり押し広げ繭を壊した……、
現れたのは全身真っ白い女の子、
薄い胸、肢体を惜しげもなくさらしながら、少女は無邪気に笑う。
蠱惑的に、美しく。
そして━━、
グチャリ、現れたはぐれワームを素手で殺して、体液をペロリ……、
愉しげに笑うと、母なる女神アントンは、はぐれワームを食ら始めた。
凄まじい食欲を満たす内に、不思議な事が起こった……、
少女はみるみる成長して、妙齢の女となり、ぽっこりと妊娠した女の身体付きをしていた、
急にアントンは苦しみだした。
しばらくして女は、黒いヌメヌメした。兵士を産んでいた。
兵士はゆっくり乾いて行くと、表面は黒光りした昆虫のような、身体を持った人形となった。
『行け、餌を集めろ』
兵は小さく頷き。動き始めた。新たな闇が再び動き出そうとしていた。




