断章 純愛なるValentineday
バレンタイン、それは女達にとっては聖戦を意味し男達にとってはめんどくさい日である。
そしてこの暁星島に於いても聖戦は行われる。
2月13日 AM5:00
「まだ甘みが足りない、また1からやり直しね」
「嘘でしょ?ねぇ美緑、もうこれで40回目よ?」
「だって中途半端なものを夜桜さんにあげたくないから!」
「そうよね、ならこの私紫躑躅桃華も付き合うわ!」
ある者は共に戦うことを誓い共闘し
AM6:30
「よし、甘さもほろ苦さもいい感じになってるし形も問題ない!後はラッピングだけね」
「なるほど、茜はハート型という王道にラッピングも所謂恋する乙女が想い人に渡すチョコの様なものだな、メモっておこう」
またある者は敵状視察を遂行し情報という武器を手に入れ
AM10:16
「やはりブランデーが良いのでしょうか?自分で作った物を手渡すのが1番手堅いですがそういった経験もありませんしここは既製品にラッピング等で対抗しますか」
さらにある者は己の力量を推し量り最善手を模索し
PM13:00
「zzz」
連日の職務の忙しさから聖戦の予兆にも気が付かずガッツリ爆睡してる者もいる。
そしてこの聖戦の根源たる非リアの敵、姫斬夜桜と言えば・・・
「ったく五月雨と睦月め、何が部屋から出るなだよ!」
軟禁状態であった。
部下の五月雨と睦月は緋奈達の聖戦を感じ取り色々と面倒な事を起こされる前に夜桜を軟禁した。
この時期は男性職員は皆ピリピリしている、モテる者はたかがチョコひとつで等と言うがモテない者にとってはとても重要な事なのである。
下手をするとNCB内で|非リアの非リアによる非リアの為の夜桜暗殺が起きかねない。
そして時は無慈悲にも進み・・・
2月14日AM6:00
茜・藍・鳳姫・美緑・桃華の夜桜の嫁(予定)達が各々の得物を持ち寄って集っていた。
「それではここは公平にジャンケンで勝った順に手渡していきましょう!」
美緑が嫁会議の時の如く仕切る。
「そうね、負けても恨みっこ無しよ」
藍が一応言っておく。
何やらドアの前が騒がしい、もしかして爆弾でも仕掛けられてるのか?
そんな物騒極まりない想像をしているとドアからノックの音が聞こえる。
「誰だ?」
「美緑です、入っても良いですか?」
「いいぞ、どうしたんだ?」
「その、き、きょ、今日はバレンタインデーじゃないですか?なのでその・・・チョコレートを作ってきました」
「ん?もうそんな時期だっけ?」
「もしかして忘れてたんですか?」
途端に普段藍と同じくらい表情に感情が含まれてない美緑だが今は明らかに落ち込んでるか不安になってるかだ。
なんかごめん。
「ココ最近はずっと執務の方が忙しかったし昨日は五月雨と睦月に軟禁されてたし」
そうだったんですか、ありがとうございます五月雨さん、睦月さん。
「取り敢えずありがたく受け取っておくよ、サンキューな美緑」
「は、はい!喜んでいただけて何よりです!」
美緑がとても嬉しそうな表情で出てきたので皆何かあったのかと邪推しまくるが次の者が戦場へと歩を進めると皆臨戦態勢の如く聞き耳を立てる。
こうして皆恙無くチョコを渡すという一大イベントを乗り越えホッとして自室に帰るが皆は忘れていた。
とんでもない伏兵を・・・
暁星島領主、青薔薇緋奈である。
彼女はちゃんと作っていたのだ、至高のチョコを。
そして明らかに寝起きであろう寝癖付きの髪の毛を揺らしパジャマを着て寝ぼけ眼を擦りながら夜桜の部屋に堂々と侵入した。
「おい、ノックも無しに入ってくんなや」
「いいじゃない別に♪」
「はいこれ!夜桜の為に作ったチョコ♪」
「お、おう、ありがとう」
そして緋奈に名を呼ばれ振り返った夜桜は驚愕する。
緋奈が口付けをしてきたからだ。
そして離れるとトドメの一言。
「好きよ、夜桜」
そう言って出ていく緋奈、完全に不意打ちをモロに喰らいフリーズした夜桜。
そしてこの後程なくして領主に対する決闘を挑む女達が居たとか居ないとか。
ー完ー
お久しぶりです、東風陽炎です。
つい1時間弱前に不意に目が覚めた後ボーッとしていたらなんか緋奈が目の前に現れてバレンタイン回作れと命令してきた(という夢を見た)ので頭の中で急に流れてきた暁星島の聖戦の様子を書いてみました。
いつかはチョコ貰ってみたいですね(苦笑)
恐らく今週中にSinceNowReStart及びただの高校生の異世界生活改革!のどちらかの更新を行いますのでお楽しみに!




