3/14
死を司る漆黒の女神。765。美しい唇。
血だらけの口でニタニタ笑いながら、
頭をゆらゆらするJ。
765は、めんどくさ。と思っていた。
だけどもそんな事を言うのさえ、
めんどくさ。だった。
ハードレイン。
雨音はショパンの調べ?
違う。
雨音はただ雨音として、在る。
さっきJがガラスを噛み砕いてベーしたので
テーブルやあちこちには
細かく鋭利なガラス棘。
硬質な透明とアホの血が、ブレンドされて
汚くてめんどくさ。
765は、己の感情を躾けるために、
棚に綺麗に並べてあるシャンパンの中から、
特にお気に入りの1本を手にした。
ボトルにダイヤモンドとホワイトゴールドがあしらわれた
《グー・ド・ディアモン テイスト・オブ・ダイアモンズ》
それをボトルのままdrinkした。
飲み終えて765。
『それで?J。お前、何しに来たんだ?』
アルコールの吐息。
765の美しい唇。
でもJはアホだから、
そんな繊細な美には気付かない。
『実はよ……』
アホのくせに、急に照れ始めたJ。
もじもじぎゅらぎゅらしながら、
意を決して765に言った。
『お前の書いてる恋愛小説のファンなんです!』
『え?』
『山口一郎と鈴木花子の恋物語、
最高にドキドキするぜ!』
目をキラキラさせながら、ファン宣言するJ。
『よ……読んでくれてありがとうございます。』
765の頬が真っ赤なのは、
アルコールのせいだろう。




