首が伸びる話
知っておるかの、しうぼさま、ぱれぼさま。
ぢぢぃはの。おめらが、かわええてかわええて、たまらんのぢゃぁ。
じゃがのう、悲しいことにぢぢぃは貧しゅうてお仕事が忙しくてのう
おめらになかなか会いにいけんのじゃぁ。
本当なら、毎日でもおめらん家に遊びに行きたいんじゃがのぅ。
くやしいのぅ。せつねぇのう。
それでのう、最近ぢぢいは夢を見るようになったんじゃ。
その夢ん中でぢぢぃはの、首が伸びるようになったんよ。
真夜中で誰も見とらん時にのう
「しうぼさまはかわええのぅ。ぱれぼさまはかわええのぅ。」
と唱えると。ぢぢぃの首は1ミリ伸びるんじゃ。
それから、も一度
「しうぼさまはかわええのぅ。ぱれぼさまはかわええのぅ。」
と唱えると。今度はぢぢぃの首は1センチ伸びるんじゃ。
さらに、も一度
「しうぼさまはかわええのぅ。ぱれぼさまはかわええのぅ。」
と唱えると。今度はぢぢぃの首は10センチ伸びるんじゃ。
どじゃ。次にもう一度唱えると、どんだけ伸びるかわかるかの?
そうじゃ当たりじゃ。今度は1メートルのびるんじゃ。
なかなかに教育的じゃろうのぅ。
ぢぢぃの首は伸びて伸びて、今まさこばっちゃんの家の近くまで
伸びておるじゃ。
もうすぐじゃ、もうすぐじゃ。もうすぐおめらのお家に届くんじゃぁ。
自分のおうちに居ながらにして、おめらに会えるようになるんじゃぁ。
いや、ひょっとしたら、夢ではないのかもしれんのう。
ぢぢぃは老いぼれて、だんだん化けもんに近こうなっておるでの
ホントに首が伸びとるのかもしれん。
じゃから。真夜中おめらん家の窓をたたく音が聞こえたらの
窓をあけてほしいんじゃ。
真っ暗な窓のむこうから、首だけのぢぢぃがするすると入ってくるでの。
おめらをぐるぐる巻きにして、ほっぺをぺぇろぺぇろと舐めるでの。
もうちょっとじゃ、もうちょっとなんじゃ。
もうちょっとで会えるでの。
待っとってくれのぅ。しうぼさま、ぱれぼさま。




