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悪魔勇者 学園都市編  作者: 響 翔哉
入学狂騒編
22/44

決戦後

 今年度最初の決闘は見事ラバルとサラの勝利によって終わった。


「それにしてもあの技反則すぎるよな」

「一人では使えませんけどね」

「使えるようになったら俺より強くなるんだけどなぁ」


 今日の試合を振り返りながら俺たちは帰り道を歩いていた。


「私は強さを求めていないので」


 本人はこう言っているが、もし、常時発動出来るなら、文字通り世界最強だろうな。


 俺たち契約者は契約神の力を借りて戦っている。

 でも、サラはその身に神の力を宿すことが出来る。

 これは圧倒的なアドバンテージだ。

 精霊術師もそうだが、神や精霊の力を借りてしまうとやはり本物より力が劣ってしまう。

 俺だってそうだ。


 だが、サラはその制約がない。

 つまり、最強という事だ。


 だが、サラが言う通り一人では発動できない。

 なぜなら、魔法陣に攻撃されると発動出来なくなるから。

 この技の唯一の欠陥だ。

 だがもし、これを克服することが出来れば、サラの無双天国の始まりだ。

 まぁ本人はそんなことどうでもいいらしいが。


「ふーんそう」


 それにしても初日からこんな大事に巻き込まれるとは思わなかったなぁ。


「うん?そういえば、フローラ姉さんと何か話してなかったっけか?」


 ここに来て俺は決闘前のことを思い出す。

 何か思い出してはいけない気がする。


「そういえばそうでしたね」


 あれ?なんの話しだったっけ?


「結局なんの話しだったっけ?つか、話終わってなかったよな」

「えーっと……私がラバルくんと一緒に暮らすって話です……」

「俺とサラが?同じ寮で?」

「はい……」

「まじで……?」

「はい……」


 思い出せッ――!!

 学園長室で何を話した!?


「おっ!いたいた」


 こ、この声は――!!


「フローラ姉さん!?どうしてここに!?」

「どうしたんだよ。声、裏返ってるぞ」

「驚いただけだ」

「そうかい。で、クソガキ。あの答えはどうなった?」

「あの答えって?」


 なんとか阻止しなくては!

 確かに、前は天使様なサラに良いかとも思った時期もありましたよ!

 でもね!今の少し友好度の上がった状態で同じ屋根の下で寝るとか無理だッ!

 DTだ!?ンなのもんイジりたければイジれ!

 どうせ俺はヘタレDTだ!

 夢の異世界転生しておきながら、彼女の一人も出来ない奴には無理だッ!


「そんなあからさまに、はぐらかすな」

「そうです。私は構いませんから」


 やめてくれ!

 俺はどうするべきなんだ!


「《はぁー。お主は本当にヘタレじゃのう》」

「《フェイ!助けてくれよぉー!》」


 天の助けだー!


「《冒険者時代は女子と寝ておったではないか》」

「《あれは別だって!ユリさんは別だから》」


 黒歴史を掘り返さないで……。


「《可哀想にのう。ユリ殿はお主のことが好きじゃったのに、当のお主は恋愛対象ではなかったとはのう。天国で泣いておるぞ》」

「《だからあれは、まだそういう事を知らない少年だったから!今の俺は思春期真っ只中なの!》」

「《それはサラ殿もそうじゃろ。彼女は恥を忍んで頼んでおるのじゃ。それに応えてやらんでどうする》」


 確かにそうだけど……。


「《ぐぬぬ……》」

「《そうじゃろ?》」

「《そうだな》」


 俺だけが恥ずかしい訳じゃないもんな。

 サラだってこんなこと頼むの恥ずかしいに決まってる。


「分かりましたよ。その件受けますよ」

「そう言うと思ってもう表札を変えておいたから」


「おい!だったらなぜ聞いた!やっぱりお前悪魔だろ!」


「ハハハハハ!それじゃあな!」


 フローラ姉さんは駆け足で去って行った。


 いつまでもガキなのはどっちだよ。


「帰るか」

「そうですね」

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