貴族に巻き込まれました④
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俺は漆黒の帳が降りる頃、町長邸へ到着した。
気配察知を行うと、エミル達はどうやら無事のようだ。
二人とも寝ているようで、ほっと胸を撫で下ろした。
(なんか起こるかと思ったけど無事のようだな。ん......二人の部屋に近づいてくる気配があるな......やっぱ無事では終わらんっぽいな......。)
俺は気配遮断をし、まずはエミルの部屋へ向かった。
入ってきた男性は騎士っぽい服装をしていたが、手に持っている首輪?のようなものに俺は気づき、そっと鑑定をすると【隷属の首輪】とでていた。
(あ〜なんかやっちゃってる感じやな......。レミゼのトコも危ないな......。)
俺は思いっきり手加減をして、騎士に当身をかまし、意識を奪った。
(面倒やし、縛り上げとこうか......。首輪は証拠として、回収しとくか!)
俺はエミルの寝台のシーツを引き裂き、意識のない騎士へ猿轡をし、手足を縛り、レミゼの元に向かった。
レミゼの部屋へはいると、寝台で眠るレミゼに【隷属の首輪】をつける直前の騎士を発見し、先ほどと同様に意識を奪い、猿轡とかをしていった。
(ギリやんっ。やっぱここの町長はろくでなしっぽいな。)
俺は、レミゼをそっとお姫様だっこをし、エミルの部屋へ行き、エミルの横に横たえ、二人を鑑定した。
名前:エミル
状態:睡眠(睡眠薬)
名前:レミゼ
状態:睡眠(睡眠薬)
(おう......ここまでするか?すげーな。騎士が戻らんことに気づきよるかもな......。)
気配察知の範囲を広げると、なんかワラワラと来てる気配があった。
(おでましやな......エミル達を起こして、町長の反応を見るか。)
俺は、意識のない貴族をクローゼットに押し込め、二人を起こして、そっと部屋に潜伏した。
「解毒」
「快癒」
「エミル、レミゼ起きろ。」
俺はそっと二人を揺らして、覚醒させた。
「賢者さっ「しぃぃ」んんんん〜。」
「簡単に説明するぞ。時間がない。」
コクコクコク
「いいか、そこのクローゼットに騎士が眠ってる。隷属の首輪を持ってな。大丈夫。俺が意識奪ったから。同じようにレミゼの部屋にもいる。で、お前らは睡眠薬を飲まされ、寝ていたわけだ。もうちょういで隷属の首輪が首にはまるとこやった訳や。あと多分町長やろう、騎士と一緒にこの部屋向かってるから、お前らは歓談しておけ、でだ、町長が来たら、クローゼットの中の騎士とレミゼの部屋の騎士を隷属の首輪と一緒に持って帰るように言え。もう来るから、俺は隠れるからな、上手いことやれよ!き・ぞ・く・さ・ま。」
俺は言い終えると【隷属の首輪】を2つエミルに渡し、気配遮断と隠密行動で部屋の天井隅に身を潜めた。
「おい、開けろ!」
「はい。グスタフ様。」
(ふ〜ん、町長の名前がグスタフっぽいな......この騎士も災難やな、開けたら二人起きてるのも知らんと......。)
[ガチャ]
「あら、グスタフ町長。夜分にレディの部屋へ入るのにノックもなしとは危急の要件でしょうか?レミゼ、部屋をもっと明るくして下さい。」
「はい。お嬢様。」
レミゼは燭台に火を灯し、部屋を煌々とさせた。
驚愕に染まる顔をしたグスタフは、まだ目の前の光景は信じれなかった。
「はっ...え?.....こ、これはエミル様。ご無事のようで。」
「まるで、何かあったような物言いですね。」
「え、いえ特には何も。」
「特にないのなら、貴方のお屋敷とはいえ、客人とはいえ、レディの部屋にノック無しとは不躾ではありませんか?」
「た、大変申し訳ありませんでし。では、これで失礼させていただきます。」
「グスタフ様、お帰りになられるのなら、クローゼットの中とレミゼの部屋の貴方の騎士を2人連れて行って下さいね。」
「え?あ?は、はい。おい、お前!早く連れてこい。」
「で、では、これにて、私の部下のお詫びは改めて。」
「グスタフ様。忘れ物です。私たちは今から外で泊まらせてもらいますね。」
エミル達は【隷属の首輪】をグスタフに預けると、荷物をまとめ、町長邸を後にした。
俺は、エミル達と合流し、宿を探し歩いたが、この時間ではなかなか無く悩んでいた。
「あら、シドくんじゃない?どうしたの?あれ?可愛い子連れてる〜。ルルちゃんに言っちゃうぞ〜。」
一難去って、また一難......
「リムルお姉さん、この方達は話していた護衛対象者です。くれぐれもお間違いないようにおねがいします。」
「え?シド様のお姉様ですか?私はエミル・フォン・と申します。シド様には何度も命を救われました。」
「私はレミゼ・フォン・と申します。エミルお嬢様付きの護衛件侍女をしtうぃます。エミルお嬢様と同様、弟君には何度も命を救われ感謝をしております。」
「あらあら〜。ご丁寧にありがとう。シドくんの義姉の〜リムルと申します。この町の〜冒険者ギルドの〜なんとマスターなんかをしていま〜す。」
(おい、さらりと義姉って言いやがった......従姉妹やから義姉でもなんでもないやろ〜。)
「ん?シドくん?お義姉ちゃんだよね〜。」
「う、うん、お義姉さまですよ......。」
(なんか変なセンサーでもついてんのかい!!)
俺たちは、雑談で親交をふかめてるうちに、リムル姉さんの邸宅へ着いた。
「でけぇ!!」
「お義姉ちゃんエライから〜。さぁ、入って、入って。」
「「お邪魔しま〜す。」」
本日もう一本と番外編の予定です。