7話 星
「あの、私は何をやっちゃったんですか?」
私は少し怖くなってお兄さんに尋ねる。
「ごめん、怖がらせちゃったかな?君が何か悪いことをした訳ではないから安心して。さて、着いたよ」
そう言ってお兄さんが指さす先には買取所と書かれた扉があった。
その扉に入っていくお兄さんの後を追って扉へと入ると、そこでは沢山のモンスターの死体が並べられていた。
「わっ!?」
私はその光景に驚き声をあげてしまう。
「全部死んでるから大丈夫だよ」
そんな私を見たお兄さんは少し笑いながら言う。
「大丈夫です。もう違和感はあるけど怖くはなくなりました」
それにしてもこの光景に何故か違和感があるんだけどなんでかな?
ただモンスターの死体が並んでるだけ.....
「あ、死体が残ってるからだ」
私がそう呟くと、横から声が飛んできた。
「お、いいとこに気づいたじゃねえか!お前さんも解体をやってみるか?その細腕じゃちょいときついかもしれないがな!」
驚いて声がした方を見ると、全身が血に塗れ、手には血がべっとりとついた大きな刃物を持っている男性が立っていた。
「.....いいんですか、やってみたいです!」
少しフリーズしてしまったが解体は面白そうだし、採れる素材の幅が広がりそうなので挑戦してみたい。
「ちょっとちょっと、まずは買取からじゃない?このいかつくて血まみれの怖いおじさんが査定してくれるから、素材を出して」
「怖いは余計だ!」
.....いかつくて血まみれなのに怖くない人なんている?
それはそうとして、素材ださないとね。
「あ、わかりました!」
私はウエストポーチの中から集めた素材.....スライムの石とスライムの死体、睡蓮を取り出す。
「スライムの魔石と体、再生睡蓮か。全部で大銅貨2枚と銅貨7枚ってとこだな。売るか?」
「お願いします」
「毎度!あ、内訳はいるか?」
おじさんが懐から取り出した大銅貨と銅貨を受け取る。
ちょっと血が着いていたが気にしないことにしよう。
「あ、お願いします」
「スライムの魔石が10個につき銅貨1枚、体は1個で銅貨5枚、再生睡蓮は1本銅貨5枚だな。んで魔石が18個で銅貨2枚、体が2個で大銅貨1枚、再生睡蓮が3本で大銅貨1枚と銅貨5枚、しめて大銅貨2枚と銅貨7枚だ」
なるほど.....スライムの体が大きさの割に高いんだね。
まあ、取るのがめんどくさいしそれを考えれば妥当なのかな?
「なるほど、ありがとうございます」
「で、解体はやってくか?少しだが給料も出るぞ?」
おじさんが再度勧誘してきたので解体に挑戦してみようとする。
「お願いしま.....」
「おーい、話があるって言ったじゃないかー色々と忘れられて悲しくなるよー。ぐすん」
が、お兄さんがわざとらしい口調で遮ってきた。
私が忘れていたのは事実なので素直に謝る。
「すいません、忘れてました.....解体は話が終わってからで良ければお願いします!」
「おう、楽しみにしてるぞ!」
「それじゃあ、ちょっと奥借りますね」
お兄さんがそう言って買取所の奥へと歩いていくので、私もそえについていく。
部屋の端に着き、ようやくお兄さんが口を開いた。
「さて、そのウエストポーチについてなんだけど、他の人には見せない方がいい。危険を犯してでも奪いにくる人がいるかもしれないものなんだ」
「.....そうなんですか?確かに作るのは大変だったけど、錬金術を始めたばかりの私が作ったアイテムですよ?」
「そのウエストポーチ、睡蓮のウエストポーチには星が着いているんだけど、見た?」
「そういえばついていたような?」
レア度か何かだと思ってあまり気にしなかった記憶がある。
「まあ、ついているんだよ。それで、星はそのアイテムが世界で初めて作られたことを示すものなんだよ。つまり、それを持っていると腕がいいとか、想像力が豊かだってことをアピールできるんだよね。だから、君みたいにレベルが低いと恨みを買ったり、酷い時には盗まれるなんてこともあるんだよね.....」
「なるほど.....つまり、これは使わないでしまっておいた方がいいってことですか?」
せっかく作ったアイテムを使えないのは残念だけど奪われるよりはましだもんね.....
「いや、鑑定対策をすれば星のことがバレる危険性が低くなるから、鑑定対策の方法を教えるよ」
「ありがとうございます!」
「それじゃあちょっと申し訳ないんだけど.....今ならこちらの鑑定偽装アイテムが銀貨2枚でお買い上げいただけます!」
お兄さんはそう言って懐からバッチのようなアイテムを取り出す。
なんだか通販みたいな感じになったんだけど.....
しかもほとんど私のお金持っていかれるし。
けど、すぐ溜まるし買っちゃいますか。
「買います!」
「毎度ありっ!」
私は銀貨2枚をお兄さんに手渡し、バッジを受け取る。
バッジは絵がついていない缶バッジのような見た目をしていた。
「あ、このバッジが見えると怪しまれるから、再錬金して見た目を変えるか見えないところにつけてね」
「わかりました」
私はウエストポーチの内側にバッジをつける。
すると、表示が現れた。
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睡蓮のウエストポーチ ☆
装備可能レベル:1以上
耐久力:500/500
空間拡張(小)
自動修復(小)
睡蓮の力が宿ったウエストポーチ。
見た目よりも多くのものを入れることができ、多少の
傷は自動で修復される。
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情報を自由に書き換えることができるようだったので、情報を書き換えていく。
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睡蓮模様のウエストポーチ
装備可能レベル:1
耐久力:300/300
空間拡張(小)
睡蓮の模様が描かれたウエストポーチ。
見た目よりも多くのものを入れることができる。
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「こんな感じでどうですかね?」
情報を書き終わったウエストポーチをお兄さんに見てもらう。
「うん、これなら大丈夫だね。それじゃあ僕は仕事に戻るから、何かあったら言ってね」
「はい、ありがとうございました!」
お兄さんが仕事に戻るのを見送り、私は解体に挑戦するために歩きだした。
それじゃあ解体に挑戦してみますか!
給料も貰えるみたいだしね。




