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8話 解体

「話は終わったみたいだな。で、解体やってくか?」


おじさんのところへ向かうと、おじさんが話しかけてくる。


「お願いします!」


「よし、まずはこいつを食べろ!」


おじさんはそう言って卵程の大きさの光を放つ球を持ってきた。

これは明らかに食べ物ではないと思う。


「.....これを食べるんですか?」


「おう!口に入れて噛み砕け!」


.....かなり危ない気がするし、そもそもこんなガラスみたいなのが噛み砕けるものなの?


「なんだ、やめるか?」


戸惑っていると、おじさんが残念そうな顔をしながら言う。


「いや、食べます!」


私は球を受け取ると口に入れてその球を噛む。

球は口に入れた瞬間砕け、強い光を放ち始めた。

口の中に球が残っているので叫ぶのを我慢していると、光が収まり表示が現れた。


________________________

スキル 解体 を取得しました

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


「え、解体って技術じゃなくてスキルなの!?」


「ん?そうだぞ」


おじさんはなんでもないように答える。

初めてスキルの存在を知ったよ.....

というか、あの球はスキルを覚えるためのアイテムってことだよね。

錬金術で作れるようになるとしたら.....

楽しみだね!


「さて、解体スキルの説明からしてやる。効果は倒したモンスターの死体が残るようになってアイテムドロップがなくなる。これだけだ!」


その説明を聞いて私は尋ねる。


「つまり、メリットは取れる素材の増加、デメリットは解体する必要があるということで大丈夫ですか?」


「大体あってるが、アイテムボックスの圧迫や取れた素材の確認がしにくいこともデメリットだな」


「その説明を聞くとデメリットの方が大きい気がするんですが.....」


もしかしてとったらダメなスキルだったりした?


「スキルだけだとそう感じるかもしれないが、解体の技術があればかなり便利なスキルだぞ!狙ったアイテムを取りやすくなるし、大きさの調整もしやすくなる。効果の切り替えもできるしな」


つまり、解体の技術を覚えるまでは死にスキルと.....

まあ、元からやろうと思ってたし問題ないかな!


「それじゃあ、早速解体のやり方を教えてください!」


「それでこそ俺が見込んだやつだ!今更だが、俺はガボよろしくな!」


「私は海月です。ガボさんよろしくお願いします!」


「よし、海月。こっちこい」


ガボさんはそう言ってモンスターの死体へと近づいていく。

私がついていくと、ガボさんは鹿のような魔物を指さし言った。


「それじゃあ、こいつ解体してみろ」


「いや、私やり方全く知りませんよ!?」


まさかの放任主義!?


「安心しろ。使い物にならなくなっても、精々銀貨1枚と大銅貨3枚の損失だからよ」


「全く安心できないんですけど!?.....本当に使い物にならなくなっても責任はとりませんから!」


私はそう言って短剣を抜き、鹿の腹に刺す。

少し異臭がするが、そんなものだろうと作業を進めていく。

腹を切り開き、何が素材になるかわからないので内臓を丁寧に切り離していく。

すると、内蔵に紛れて魔石があったのでそれも回収する。

いくつかは傷つけたり、潰したりしてしまったが、それは仕方ないと割り切る。

内臓を取り出し終わると、棚に置いてあったスポンジを使って血を取りだす。


「それじゃあ...足外そうかな?」


一応言っておくが、私には一切解体の知識はないので順番はてきとうだ。

足の付け根の皮と肉を切り、関節を力任せに捻って外す。

全ての足を外し終わり、次は頭を外していく。

頭も足と同じように皮と肉を切り、捻って外し、角を根本から切り落とす。


「次は皮かな」


頭と足を落とし、次は皮に取り掛かり、開いた腹から皮を少しづつ剥いでいく。

やはり上手くはいかなかったが.....


「さて、後は肉と骨だけど、部位が全くわからないからどうなるか.....まあ、やってみますか」


とりあえず背中側から背骨に沿って刃を入れ、上側にある肉を脂肪を取りながら切り取る。

反対側も同じようにして切り取り、腹側に移る。

腹の肉も時間をかけ、何とか分離することに成功する。


「後は足.....あれで多分終わり.....」


最後の気力を振り絞り、残った足の肉を取り始める。


「.....何となく部位がわかる?」


鹿を丸ごと1頭解体してきたからか、何となく部位を把握しながら切り取ることが出来たのではないかと思う。

あくまでも何となくだ。

そして、最後の1本の肉を取り終わり.....


「やった終わったぁ.....」


「おう、初めてにしては頑張ったじゃねえか!これなら大銅貨5枚ぐらいにはなるぞ」


これは大銅貨8枚分を無駄にしたことを悔しむべきなのか、5枚分残ったことを喜ぶべきか.....

いや、喜んでもいいよね?


「ありがとうございます!」


「にしてもここまでやるとは思わなかったぞ」


「.....え?」


「いらない部分を切り落とす程度までやればアイテムボックスに入れる量は変わらないだろ?」


......言われてみればそうだね。

そしてそこから先はガボさんみたいな本職に任せると。


「自分でやれば選択肢が広がるからな。せっかくだ海月!お前にはみっちり解体を教えてやるよ!」


「ありがとうございます。けど.....」


疲れたから少し休みたいという言葉をかき消し、ガボさんが言う。


「じゃあ、教えながらもう1匹さばくぞ。今日中にはこの街の近くに出る奴らのさばき方を一通り教えてやるからな!」


「は、はい......」


それから私はモンスターを解体し続け、休むことができたのは2時間後に倒れた時だった.....

私は心の中で、良い人相手にも言いたいことを言えるようになることを決意したのだった。

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