4.19 閑話 ナンシーは転生者? 疑惑
スザンヌと一緒に家に戻ると、ピアノの音が、マリアのピアノの時間だろうか、ナンシー、エレノア、ニーナとは違う。
かなり上手いけど、ナンシーほどではない。
エレノア、ニーナは、まだ習い始め、簡単な曲を練習中。
家に入ると、やっぱりマリアだった。
ちょうど終わったところだったので、拍手する。
「あ、ジル様、聞いてたんですか、はずかしい」
「さすが上手ですね」
「スザンヌ様も、そろそろ練習をしてくださいね」とナンシーから。
「ジル様、ピアノはされないの?」
「私は、ピアノは弾けませんよ。
でも風魔法の応用は音は出せますけどね。
ちょっとやって見ましょうか?」
と、なんとなく聞き覚えのあった、現代風の曲の音をエアーピアノで数曲弾いてみる。
「すごい、なんですかこれ。聞いたことが無い楽曲」ナンシーが興味を持ったみたい。
「それなら、私も幾つか弾けそうです」とマリアが。
「マリア様は知ってるんですか」
「はい。きっちりは弾けませんけど、そういう曲なら途中だけですが、幾つか弾けます」
と言って、アイドル系の曲を披露してくれた。
「曲風が、すごく新鮮だわ。あーイメージ来た」と言って
弾き終わったマリアをどかして、必死に弾き始める。
もうすでに現代風の曲を作り出している。
「あれ、ナンシーさんは転生者?」
と小声でマリアが話す、
「違うと思うけど、すごい才能だな。
こんなちょとで新曲作れるなんて」
あまりにすごい集中力なので、みんなそっとその場から離れた。
顔つきが、ちょっと怖かった。
スザンヌが、今日の練習が無くなって良かった。
とこっそり言ってた。
それを聞いた侍女が「もう一台ピアノを持ってこれませんか?」
と聞いてきたので「領主館から持ってきましょうか?」と答えると「是非。1日休むと感が鈍りますから、持ってきてください」とのこと。
スザンヌが「えー、せっかくの休憩が」
というので、
「私もスザンヌのピアノ聴きたいなー」と言うと
「そう言うなら頑張っちゃおうかな」
と言うことで、とりあえず転移でピアノを持ってくる。
スザンヌは、運動神経が良いし、器用なので、ピアノも非常に美味い。
プロ級の曲をガンガン弾けるので、弾き始めると演奏会並。
心が洗われる。
今日も練習曲数曲を披露し最後はマリアの指導をしていた。
姉妹仲良く、とても平和な光景でした。
夜になっても、ナンシーがまだ弾いてた。
マリア達がいる時は自重しろと怒ったら、
とりあえず、その期間はおとなしくピアノの指導をきちんとやり、空いてる時間で作曲。
きちんと夜は休んでいたが、夏が終わると大変なことになってしまった。
その話は、また後で。