4.12 閑話 劇鑑賞
お約束の第2妃様から劇の観賞のお誘いがあった。
もちろん王女2人と第1王妃がこられる。
マリアの母は小さい子の面倒を見ているので来ない。
王家は、子供の育児をちゃんと王妃が見ている。
侍女任せではない。
3人いるから誰かがちゃんと見れると、王妃方で育児をしているそうだ。
私ともう1人のお誘いだったので、おかあさまに相談したら、
アメリが劇を見に行ったことが無いどころか、王都に連れていた事がないので、
連れて行って欲しいと言われた。
ちょうど参加者が王妃様なら、お付の騎士も女性だから、アメリも大丈夫だろう。
アメリが喜んでいたので、返事を出すついでにアメリも一緒に王都へ移動し、
着ていくドレスを作った。
劇は、一週間後だったので、既製品を加工してサイズを整えてもらった。
夜会に行くわけではないので、そこまで凝ったドレスにする必要もないので、
ちょうど良かった。
ついでにお茶会や、夜会に着れる良いドレスも買った。
本人は夜会は、男性が参加するから行かないと言っていたが、お茶会なら女性限定もあるそうなので、
今後のためには持っていたほうが良いだろう。
劇の当日、指定された時間にアメリと王城に到着。
王妃様に挨拶し、アメリを姉と紹介した。
アメリが独身と知って、良い男性を紹介しようかと言ってくれたが、
アメリが、男性恐怖症なのだと説明し、
今日は参加者が全て女性だから連れてきたと説明した。
納得してくれた後、お茶を飲んでから、馬車で劇場へ移動。
王様もいないし、お忍びでの鑑賞だから、
わりと普通の貴族が乗る馬車が用意されていた。
しかし、もちろん、中は違う。とても豪華だ。
偉い人専用の入り口を使って、高貴族専用の部屋へ。
途中で、王妃を見かけた高貴族が近づいて来て挨拶をしてきた。
もちろん若い男性だ。
連れはきれいな女性なので、デートだと思われる。
そのデートだと思う相手がいるにも関わらず、アメリに無造作に近づき、
お綺麗な女性ですね、ぜひ紹介をとアメリの手をとってしまった。
一連の流れがとてもスムーズで、さすがの私も対応できなかった。
そもそも、私は両手で2王女をエスコートしていたので、
アメリの手を引いていなかった。
一瞬の油断が失敗だった。
当然の様に、アメリが硬直し、一気に青ざめる。
相手の男性もアメリの顔色が急に悪くなったのに気がついて、すぐさま下がった。
私が、2王女に失礼とことわり、アメリの手を取って、安心させる。
1妃様が連れが男性恐怖症で今日は駄目だから、
また後日と説明してくれ、男性を急いで放してくれた。
なんとか、元に戻ったので、専用の部屋に移動した。
1妃様が、大人は大人で集まってみましょうねと、1妃様、アメリ、2妃様で座り、
その前の3席に、マリア様、私、スザンヌ様の並びで座った。
劇の演目は、メリーナ様を含む3人の女神が主人公側で、
邪神から人間を守る話だ。
小さい頃にアメリから何度も読んでもらった皆が知る神話。
劇の注目ポイントをスザンヌ様から解説してもらうと、ちょうど劇が始った。
正直、すごかった。
生前の劇を超える演出効果。
魔法とはすばらしい。
あらためて感動です。
途中の休憩で、食事タイムがあり、我々子供は、
マイボックスから用意していたハンバーガとフライドポテトを取り出し食べました。
大人の3人には日本食の会席弁当をだしました。
本来は、毒見が必要なのですが、女性騎士の方が来て、
少しづつつまんで、毒見をします。
お弁当は、後ろの3人の騎士にも渡してあります。
交代で休憩しながら食べるそうです。
「おいしいし、それに、面白い料理を考えますね」と王妃様から
お褒めの言葉を頂きました。
マリア様はこっそり「異世界文化の自重しないねー」と呆れ顔。
それでもハンバーガーが久しぶりと、ナイフとフォークを使って上手にハンバーガーを食べてました。
スザンヌ様は、初めの食べ物にびっくりしながらも、おいしいと喜んでくれました。
劇が終わると、主役の3神役全員が挨拶に来てくれました。
アメリが喜んで、アメリの為にサインをしてくれてました。
私は、この人、近くで見るとメリーナ様には似てないなーと。
残念ながら本物はもっと綺麗なので、比較にはならないですね。
頭の中に、『当たり前でしょ!』と声が響いた気がしましたが気のせいでしょ。
私は、劇の途中で飛んでいた仕掛けが気になって質問したら、丁寧に教えてくれました。
前世のようなワイヤーでは無い。
閉鎖された空間で大きな風魔法を使うと危ないので、浮遊魔法を使うそうです。
演技をする人が浮遊魔法が使えるわけではないので、
浮遊魔法をかけた板状の魔道具作り、使っているそうです。
それらは、滞空時間が短く、1分程度なので、
場面によっては、数枚の板を駆使して切り替えながら飛んでいたとの事。
訓練を続けることで違和感無く乗り継げるそうです。
とてもすばらしい。
いろいろと感動はしました。
王妃、王女と共にお城に送り、帰ろうとしたら、
3妃アナ様が、第3王女マイアー様、第4王女のシュミット様を連れて待っていました。
王女が私と少し遊びたいと、待っていたらしいです。
何をして遊びたいのですかと質問をすると、
シュミット様は、マイアー様の後ろに隠れてちょっと泣きそうな顔をしていました。
どうかしたのですか?と訊ねても、シュミット様は黙って泣きそうなままです。
マリアが、話をすると、その後にシュミット様が話を始めました。
どうやら、ウサギのスリッパが壊れたそうです。
壊れたスリッパ、踏み潰されて、耳が落ちて、汚れてました。
どうされたのですか?訊ねると、
走ったわけじゃないけど、転んだ時にスリッパが脱げて、
たまたま通りかかった騎士様が踏んで靴で踏んでしまったのだと。
踏んだ騎士は謝ったそうです。
王女は怒らずに我慢したから良い子だったのですと、マイアー様が伝えてくれた。
私は、
「シュミット様は、とてもお優しいですね。
大丈夫。これはきちんと直してお返しします。
それと、とても良い子でしたから、新作のプレゼントです」
と狐のスリッパに、猫パジャマをプレゼントした。
もちろん第3王女にも。
今日は、これを着て寝るーと言って2人とも喜んでいました。
マリア様がちょっと欲しいそうな顔をしていましたが、残念。
マリア様のサイズの服がありません。
そんなやり取りの後、スザンヌ様とマリア様にお別れを言い、
アメリと2人で帰宅しました。
帰宅後、アメリはサインを自慢して、部屋に飾るからとトシアキに頼んでました。
ほんと、彼は大丈夫になったんだなーと。
あらためて劇場での対応の違いにびっくり。
アメリも、問題を克服しつつある。
みんな成長してるな。




