4.11 閑話 王都出店
王都に、店を出す準備をしている。
2系統の店を出す予定です。
一つは雑貨。
食器、ガラス工芸、ぬいぐるみやスリッパなどの雑貨。
もう一つは料理屋。
最初は、食料品としてジャガイモなどの食材を売る事も考えたが、
なるべく種を出したくなかった。
なので、ハンバーガー、焼きトウモロコシを中心としたファーストフードにしました。
それに、そもそも料理法が広まっていないので、加工食品が良いということになった。
日本食を出す高級店を計画していましたが、貴族は外に食べに行く風習が無い。
なので、そちらはとりあえずアイデアだけ、パーティなどに呼ばれて
現地で料理を作るという、材料と料理人を合わせて派遣するほうを考えています。
現在、王都でお店にできる建物を確保し、人を沢山雇った。
もちろん、領内の人も王都で働いてもらう。
人員の割合は、半々を目指しています。
領地の人を馬車で移動させると1ヶ月近くかかる上に、旅費も馬鹿にならない。
それでも転移装置を使うよりははるかに安い。
結局、スタート組みは、それっぽい装置に見える扉を作り、
目を閉じている間に私が転移魔法で送り届けるのが一番となり、
現在領地内で人を教育中である。
100人ほどの人員を育成し、教育が終わった人から順に送り届けている。
なので、2日に1回は王都に移動してます。
タクシーです。
王女達からはよく手紙が届くので、返事も大変。
アメリが手紙の指導をしてくれるので助かっている。
こういうことに対して、エイミーは全く役に立たない。
貴族令嬢のはずなんだけどな。
完全に脳筋人間でした。
そのエイミーは、最近太郎に乗って領内を駆け回っている。
太郎は体高2m、体長4~5m近い大型獣になった。
エイミー1人を乗せるなどお手のもの。
先日、広がった領地を太郎にエイミーと二人乗りで回ってきた。
旧領地は、この数年で食糧事情が改善し、だいぶ豊かになってきたが、
新領地は畑はあるが、植物の実りがあまり良くない。
領内から種芋を配布し、改善を図るが、2年でどこまで伸ばせるか。
とりあえず、温泉や井戸が出そうな場所を探す。
残念ながら、温泉は、そうそう出ない。
1箇所は見つけたが、残念ながら温度が低かった。
井戸は、割と簡単に見つけられ、集落に設置して回った。
井戸を中心に都市計画を立てる。
この世界には、転生者が沢山居たせいか、下水の技術がきちんと伝承されている。
下水処理も、この世界特有の技術も加わっている。
何かと言うと、スライムと使った、下水処理システムだ。
集めた下水を綺麗にする前に、スライムの沼を作ると、ここでかなり綺麗になる。
その後で、更にゴミをよけて、ろ過して川に戻す。
スライムは、何種類か混ぜて、定期的にスライムの量を間引く。
これで十分。
すごい技術だ。
間引いたスライムも色々な材料に使えるので便利です。
しかし、とにかく人材が足りない。
お店で働く人の募集とは別に、
王都から植物の育成を指導できる指導者、魔法使い、教師など、100人を超す人の募集をする。
しかし、田舎への移動は、お給料の割りに人が集まらない。
なかなか難しい問題だ。
働き手はそこそこいるのだが、指導者をもっと増やす算段を考えなければ。
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まずは、雑貨店のオープン。
これは、成功でした。
お店があっても、貴族たちは、わざわざ買いに来ません。
王都の店は、庶民が買いに来るだけなので、それほど大きな店にする必要がありません。
貴族の家は、馬車で売りに行ってます。
なので、店よりも大きな倉庫が必要です。
我々には、転移箱とアイテムボックスがある訳で、
貴族の家には、アイテムボックス持って、馬で回ります。
ぐるぐると回り、御用聞きをして、必要なものを売って回ってます。
そして、料理店は、まずはハンバーガーと、フライドポテト。
焼きトウモロコシ。
それに、お茶をセットで。
ジュースを造ろうと思いましたが、砂糖が不足しています。
領地で砂糖が生成出来るようになりましたが、まだまだ生産量が少なく、砂糖は高価です。
コーヒーや、お茶に入れてもらってます。
最近、生姜を入れたジンジャーティーが好きです。
ハチミツが欲しかったところですが、ハチミツは砂糖よりも更に高級です。
領地でも作り始めましたが、夏しか取れず、結局高く買ってくれるところに出して、
家で飲むほどの量はありません。
さて、ハンバーガーショップはまずは庶民向けに1店舗だけオープン。
しかし、結構ちゃんと売れ始めました。
フライドポテトは、どうなるかと思ってましたが、大丈夫でした。
今後、ジャガイモを薄くスライスしたチップスなど、商品を拡充するつもりです。
やはり、見目の良い子のスマイル0円が効いているようです。
売り手は、男女両方いますよ。
街中は、割と女性も多く、平民の店は女性店員も多く、働く女性は沢山います。
フライドポテトなどは、領地で加工し、王都の店で揚げています。
種芋を、出さないようにするためにやってましたが、領地の職を増やすにも、
このスタイルは結構良いです。
転移箱、大活躍です。
ジャガイモを王都まで運ぶと、コストがかかります。
転移箱で移動させても魔石が消費しますが、現状、どう考えても魔石の消費の方が得です。
フライドポテトの料金は、通常移動でコスト計算し、料金を決めているので、
現状は、儲ける一方。
そのお金で、領地の整備、人の教育と、次の投資にどんどんまわす。
人の教育が終わると、ハンバーガーショップの2軒目とオープンする予定です。
日本料理の材料と料理人セットの派遣については、
それほど大規模にやっている訳ではありません。
なので、普段は暇。
と言うことで、日中は、料理教室を開き、その教室代の方が儲けています。
当初の予定とは異なる形で、ひそかに進行していってます。
まあ、現地現物。
状況に合わせて柔軟に対応ですね。
いろいろと、やってますよ。