4.2 お見合い初日からやっちまった
そんなこんなで、会はどんどん進んで行きます。
天気が良かったので、途中の昼食は中庭でした。
普段中庭での食事は立食が多いそうですが、今回は、子供達ばかりですし、マナーチェックがあるので、ちゃんとテーブルが用意されていました。
一つのテーブルが8人で食べるテーブルです。
私は、マリアと、3妃様、お母様に、グレゴール侯爵家のロベール様(6歳)と、オレリアン様単独の8人です。
これで、良かった、ハイルデン公爵まで一緒だったら、私はご飯も食べられなかったかも知れない。
とはいえ、その方は隣のテーブルにいます。
王様は、ハイルデン公爵、アレクサンドロ公爵、それにメルミーナ公爵もこの時は戻ってきて、
1妃様が、マイアー第3王女とシュミット第4王女の面倒を見ながら、同じテーブルで食事をしていました。
なにやら、私の話が話題に出いるような気がします。
たまにジルベールと名前が聞こえるんです。
それも、ハイルデン公爵から。
そのたびに、ビクッとするんですけど。
王妃様方は、3名で子育てをしているので、こういう時には、直接の親と関係なく面倒を見ているそうです。
特に、2妃様はこのところ体調の悪いことが多いので、1妃様と3妃様が協力しているそうです。
1妃様は、子供が2人とも王子なので、特に王女達を可愛がるらしく、子供達も1妃様と良く遊ぶそうです。
と、食事の時に教えてもらった。
マリア(7)と、オレリアン様(14)、ロベール様(6)、私(10)と、
年齢もばらばらで共通の話題も無い。
オレリアン様は、ルカ王子と学校ではクラスも一緒。
マリアは、オレリアン様(14)、ロベール様(6)とは王城で良く会っていたらしい。
ルカ王子の時から始っていた、王家の方々の特別な教室はマリアが6歳の時から始っており、
マリアとロベール様は、そこで週2回はあっていたそうです。
私とは、先日初めてあったばかりで、この中では一番の新参者。
3人の会話を聞きながら、会話を模索します。
途中、食べ物の話になると、誕生日に食べた料理の話になり、
私との共通話題になります。
途中の話の節々で、マリア様が転生者としての記憶で話をする部分があり、博識ですね、異国の料理も含めて、良くお勉強されているのですね。
と、オレリアン様、ロベール様が解らない領域の話を、異国として扱うことで、疑問を払拭しておいた。
マリアもその言葉で、しゃべってはいけない領域があることに気がつき、少し自重していた。
そして、恐らく私が転生者と言うのは確実に伝わっているぽい。
食事会が終り、暫くすると、第2王妃様が、体調がよくないらしく、そろそろ退出される。
その時に、気になったので、鑑定で調べて見ると、状態のところに<呪>となっていました。
魔法が禁止された区域ですが、鑑定は使えるみたいです。
外部への発動がダメなのでしょうか?
ただ、魔法禁止に阻害され、正確では無いかもしれない。
結果にも不安があり、
他の王族も鑑定でチェック。
呪いはありませんでした。
そして、マリア様のスキルに鑑定もしくは診断があるか調べた。
マリアには鑑定ではなく、病気を調べる聖魔法系の診断のスキルがあった。
そこで、マリア様の会話に割り込みました。
「マリア様、2王妃様に診断のスキルを使ってみましたか?」
と聞くと、
「この庭や、王城の中は、魔法が使えないので、見ていません」との事。
どうやら、私の上位鑑定とは違って、同じようなスキルなのに、診断は使えないようだ。
どこか魔法が使えるところがあるか質問すると、王城内の教会が魔法が使えると、マリア様が教えてくれた。
やっぱりそこなんですね。
前回もそこから転移したので、その場所は解っていましたが、やはり魔法が使えるのは教会だけのようです。
すると、参加者から、
「メリーナ様が降臨されたという噂のところですよね。ぜひ見たいです」という声が。
王様が、なんで知ってるんだ?と言う顔で、その子の親を見てましたが、会に参加している人は、全員知ってますよと1妃様が突っ込んでくれたので、
何も無かったのですが、一瞬、みんなビクッとしてましたよ。
さてさて、その話が出たので、ちょうど良いことに、みんなで教会の見学に行くことになりました。
2王妃様は帰るつもりだったようですが、私が、聖女の診察だけでも受けてみたらどうでしょうかと提案すると、もう少しだけならがんばりますと、全員で移動を開始しました。
到着後、第1王妃様が、メリーナ様の降臨の様子を説明する中、
私は、2妃様の近くに移動。
マリア様が、2妃様に診察のスキルを発動、様子を聞くと、体力が、全快に対して7割程度、治癒力の低下、体調が悪いになっている。
しかし、臓器など含め、特に悪い箇所が無い。
それを聞いて状態異常に関しては何か出ないかと聞く。
スキルのレベルが足りないのか、その辺は解らないとマリアが説明してくれました。
わたしも同時に鑑定能力で見てみました。
先ほどとの異なり、”呪強”とでました。
先ほどよりも正確にはなりました。やはり多少の阻害はあったようだ。
だが、状況がかなり悪いことがわかりました。
<説明では、魔力回復が極端に遅く、常に魔力も漏れるため、自然回復力が極端に減り、魔力欠乏状態の長期化による体調の悪化。>
とわかった。
残念ですね。
では部屋に帰りましょうという話をし始めたので、しょうがない。
このまま放置は出来ない。
とりあえず、2妃様の周辺に防音障壁を作り出し、私から現状の説明をしました。
「今、2妃様の周りに防音障壁を作り出しています。
私の声は、2妃様とマリア様にしか聞こえていません。
私は、相手の状態異常を知ることが出来ます。
そのスキルを使って見たところ、2妃様の体調が悪いのは、呪われているからです。
それもかなり強い呪いがかかっています。
内容を見ると、呪いの効果によって、魔力欠乏が常時続きます。
自然治癒力も下がっています。
回復魔法など外部からの魔法も呪によって効果が出ないようになっています。
それによって体調不良になっています。
単刀直入にお聞きしますが、誰かから恨みをかうようなことがありますか?
それが解れば、解決は簡単ですけど」
と告げると、2妃様は、驚き、
恨みを買う相手など特定できないと。
まず、王様に相談するために今の話をしても良いか聞かれたので、
どうぞと答える。
2妃様は、急いで王様に相談に行った。