3.4 レイブリングとエイミー登場
人気絶頂の宿屋に、特別なお客様が来ると連絡がありました。
将軍と呼ばれていた男性です。
彼は、父アナベルの元上司です。
それも、父が亡くなった時の直接の上司です。
彼は、去年発生した大規模な魔物の討伐で右足を失い、失意の元、将軍を引退したそうです。
彼は、ここの温泉は療養のために、1週間ほど滞在するそうです。
帰る前に、家に訪れたいと連絡がありました。
せっかくなのでゆっくりと休んで欲しいと、帰る前日に来てもらうように伝えてあります。
そして、予定通り、帰宅前日の昼間に、我が家に来てくれました。
今日は、夜ご飯を一緒に食べることになっているそうです。
父が亡くなった状況を説明してくれましたが、正直顔も見たこともない父のことは、あまり興味ありませんでした。
それよりも、将軍と呼ばれたこの人の闘いの話しに興味がありました。
彼は、魔法剣士。
魔法も一流。剣も一流。
そして魔物に対する知識も幅広く、彼の話はどれもこれも面白かった。
次の日、帰宅する前に手合わせをお願いしました。
子供相手ということと、やはり足が無くなってから動けないので、元将軍様の片腕と呼ばれる女性の元仕官、エイミーが相手をしてくれる事になりました。
エイミーも、同じく怪我をしてしまい、今は全力が出せなくなってしまったので将軍と一緒に退役。
今回の療養に旅について来たそうです。
女性と侮ってはいけない、剣の腕だけなら自分よりも強いから、エイミーと剣を交えるのが良い経験になるだろうと説明してくれました。
けして自分がやりたくないからでは無いよと、いうことらしい。
そして手合わせをすると事に。
彼女は、非常にすばやく、変幻自在の剣裁き、ともて面白い剣筋でした。
これで、怪我をして全力で無いとは。
数手の手合わせで、その強さは並ではないことがすぐに分かります。
私は、魔力を全身にめぐらせ、身体能力をアップさせ、エイミーの剣を受けます。
確かに強いのですが、最大まで魔力をめぐらせると、余裕で裁けます。
彼女の剣は、私に合わせているようで、速度を上げるとあちらも上がる。
子供相手に手加減をしているのは良くわかりましたが、
私がほぼ全力まで力を上昇させさたら、余裕が無くなってきました。
そして彼女の特徴的な剣技を真似して返すと、あっさりと剣をはじきとばしました。
勝ったかなと少し気を抜きそうになったその時、
驚きました。
剣が飛び去るやいなや、急に彼女のこぶしが私の顔面に飛んできました。
剣がなければ拳がある。
それがエイミーの流派のようです。
つまり、剣がはじかれるチョイ前に、はじかせて隙を作る作戦に変わっていたわけです。
私は、作戦に引っかかり一瞬隙ができてしまいました。
しかし、エイミーのこぶしがあたる瞬間、私は可能な限り全力で風魔法をくみ上げバックステップで下がる。
それを感じたのか、無拍子で蹴り技が飛んでくる。
僅かに横にずれ、直撃をさける。
私が彼女の、足をつかもうと、すると反対側の足でケリが来る。
そして私の体を挟み込むように両足が迫ってくる。
逃げ場を求め、とっさに上に飛びぬけ、直撃を避ける。
当然、上に飛ぶのはわかっていたとばかりに上にパンチ。
私は、上空に逃れた状態で、次の気配を感じ、悪いとは思いつつ、相手の気配の反対側に瞬間転移。
私は、魔法訓練の結果、空間魔法を使って目で見える範囲内の近距離について、好きな場所に瞬間移動ができるんです。
そして、彼女の背後から蹴りを撃つ。
エイミーは、突然の移動に驚くも、体が反射的に反応するのか、流れるように下に逃れ、さらにエイミーが蹴り上げてくる。
私は、蹴りを利用し、そのまま足の上に軽く触れながら勢いを利用して飛ぶ。
チャンスとばかりに、着地点に向けてスライディングタックルをするエイミー。
難なく、浮遊術で上に止まったままタイミングをずらし、スライディングしてきた体の上に着地。
そして、目の前に剣を突きつけエイミーが負けを認める。
「まさか子供に負けるとは。消えるわ、浮くわ。あれは無理無理」と。
「全力が出せていないからですよ。足の怪我が治ってないんですよね」と。
体の横に移動して、右足に向けて、回復魔法をかける。
右足が若干光る。
光が収まった後、びっくりした顔し、将軍の顔を見てから、全力でジャンプ。
ちょっと、すごいジャンプ力。
私の身長飛び越えてないか?
「ヤッホー。すごいすごい。
全盛期と一緒だ。
やーたー。すごすごい」
とすごいすごいを連発し、大声で叫んでました。
将軍が「エイミー。ほんとに治ったか?」と。
「治った治った。どういう仕掛けかわからないけど、治ってる」と。
私が、将軍に近づき、
「将軍の足を直したら、この領地にとどまり、私に戦いの術を教えてくれますか?」とたずねたら、
「聖女が治す回復魔法でも、失った足をもう一度取り戻すなど聞いたこともない。
伝説のエリクサーと呼ばれる薬があるならまだしも、
仮にエイミーの怪我を君が回復魔法で治したとしても、エイミーの足を治すのと、私の足を元に戻すのはレベルが違うだろう」と。
私が「治れば、ずっと居てくれるかと質問したのですが、答えてください」と言うと。
「無理に決まっているが、本当に治るなら、いくらでも戦いの術を教える。
全く、馬鹿にするにもほどがある。
いくら子供でも、言って良いことと悪いことの区別ぐらい.....」
その時、無くなって部分の付け根が光りだしだまりこむ。
私が文句を言う将軍をほっとき、しゃべっている途中にも関わらず、
最大級の回復の使う準備を開始。
私の魔法は、特殊です。
スキルレベルが低くても、イメージさえできれば、スキルレベルを無視して魔法が使えます。
まるで以前レベルマックスまで習得していて、単に使い方を忘れていたかのような状況です。
しかし、空間魔法や、回復魔法は、これに値せず、訓練しなければスキルレベルが増えず、
大きな魔法が使えません。
しかし、キラキラモードを発動すれば現在のスキルレベルに関係なく、最大級の回復魔法を使える。
キラキラモードの発動は大量の魔力を消費する。
現状の8万程度の総魔力量だと、10分チョイで魔力が枯渇します。
全力で戦うともう少し短くなるかも。
しかし、この状態での魔法は、めちゃくちゃ強力。
私は、キラキラモードを発動し、最大級の回復魔法を使いました。
元将軍が「両金眼に変わった」とボソッとしゃべる。
そして、元将軍の足が輝くと、あっという間に元に戻りました。
唖然とする元将軍。
エイミーが近づいてきて足を突っつく。
「レイさん、ほんとに足があるよ」と。
「そのようだな。動かして見るから離れてくれ」というと、足を動かします。
右足だけが靴を履いて、左足は今生えてきたので裸足。
バランスが悪かったのか、両足ともに裸足になり、歩く。
そして走る。
その間に、私は、自分のステータスを確認したら、全ての魔法が72時間封印となっていた。
年齢に合わない危険な魔法を使ったため、生命保護の為に魔法を封印しますと説明書きがある。
え、危険だったの、危なかった。
先に教えて欲しかったよ。
このステータス確認便利だなと思いながら、異世界転移組みって有利だよな。
他の人は、自分のステータスが確認できないんようだし。
鑑定で他の人の力やすばやさなどを確認できるが、自分のステータス確認は、魔法では無いらしい。
そして、相変わらず、いまだに自分のステータスは総魔力量以外は成長中となるだけで見れない。
不思議だ。




