3.2 レイルーラ・クロスロード
私ことジルベールの総魔力量がついに7万を超えた。
最近、急に増えていく。
少し前まで1000増えるとすごいと思っていたのに、
一月1万増える時もある。
魔力操作の訓練と、たまに大きく魔力を消費する訓練を組み合わせると効果的に総魔力量なようだ。
魔力操作を繰り返し、入れ物を伸ばして、膨らます準備、そして魔力消費が風船を膨らませる。
そんな感じ。
最近は、普通の魔法だけだと魔力が切れることも無く、余裕ですが、キラキラモードの発動や、
特殊召還魔法を使うと、あっというまに魔力が底を尽きつきます。
キラキラモードは、総魔力量が5万を超えた頃から出来るようになった技で、発動すると体全体がキラキラ光って魔法の効果が劇的に上がります。
しかし、すごく燃費の悪いです。
最近で、ようやく10分ぐらい変身していられます。
おそらく、こういった大消費魔法を持ってないとここまで総魔力量は増えなかったかも。
最近の気になることで、おばあさまの具合が悪い。
おばあさまは、レイルーラ・クロスロード。
ハブスブロン侯爵家の娘で、厳しく躾けられた侯爵令嬢だったそうで、
それはきっちりと私に継承されました。
と言っても、姿勢や、食事のマナーぐらいですけど。
調子が悪い時に回復魔法を使っていましたが、それが効かなくなってきました。
寿命が近いようです。
この冬にインフルエンザのような熱がでて、なかなか治りません。
異世界から抗生物質を取り寄せ、飲ませると効いたので良かったです。
ここで問題が、こんな特別な薬を、どうやって入手したのか、おばあさまが怪しんできました。
おばあさまには嘘がつけず、他の人に内緒にしてもらう約束で、前世の知識があり、前世の世界から特殊召還能力を使って取り寄せたと、正直に話しました。
おばあさまは、びっくりしようではありましたが、「ありがとう」とお礼を言ってくれました。
ところが、治ったのもつかの間。
それから、すぐに具合が悪くなってきました。
高価な薬を使えば多少の効果はあるようですが、どんどん効きが悪くなります。
もう、いよいよ最後が近づいているのが解りました。
おばあさまは、もう薬は良いと断ってきました。
私は薬の召還を止めました。
痛み止めはこの世界にもあり、効かない薬を飲むのを止め、痛み止めだけを飲んでいます。
私は、薬の代わりにおばあさまを喜ばせるために異世界の高級化粧品を召還しました。
数日間使って魔力を溜め込みようやく召還できました。
女性は幾つになっても女性です。
おばあさまは大変喜び、化粧をした姿を、何度も鏡で確認していました。
そして、その日の夜です。
化粧をした綺麗なまま椅子に座ったまま目を閉じた後、目を覚ますことはありませんでした。
亡くなった夜、おかあさまは達がいない時を狙って、
おばあさまの体に強引に魔力を直接流し込み、魔力の可視化、索敵、鑑定魔法を総動員したら、
なんとなく、体を透かして中を見ることができました。
体のあちこちに黒く感じる異常な何かを見つけました。
そして病の原因がガンだと解りました。
悪い物質を土魔法の応用で分離し、体から取り出すと、大きなガンの塊が取れました。
単純な回復魔法では、ガンを成長させてしまうので、治らなかったなのではないか。
現状は、体のあらゆるところに転移していたので、少し前に気がついても、完治は難しく、
悪戯に痛みの発生を伸ばしただけになったでしょう。
術のやり方は解りましたが、同じような症状で初期ならば、がん治療ができそうです。
回復魔法が効かなくなった時に、症状から発見した段階が、ガンのどのステージなのか?
難しそうだな。
こういった病気については鑑定では解らないようだ。
医療系の診断と言うスキルが必要なのだろう。
そして、回復魔法も万能では無い。
回復魔法は、所詮自己治癒力の向上。
欠損部位の再生も、再生能力を極限まで上げたもの。
ただ、正常細胞にしか回復魔法は効果が出ないようなので、
癌の再生能力を上げ、進行させることは無いようだ。
命を短くする方向には働かない。
そう考えると他の魔法も含め、魔法の法則は、
かなり高度な医学知識や科学知識を駆使して適切に効果が分かれるので、
星の作りや、生物の起源など神の作りし物理式に並ぶ神の魔法法則の存在に驚く。
伯爵夫人だった方の葬儀ですが、おばあさまのご友人もみな年寄りばかりで、
辺境の地までやってくる人は少なく、この地での簡単な葬式となりました。
この地域では、貴族といえど、一般的には葬儀は小規模で行われるそうです。
あっさりと身内だけの葬儀が行われ、おじいさまと同じ墓(区画が一緒で隣です)に入りました。
この世界では仏壇と言うものがありません。
教会の墓地に墓があり、家には特に何も置かないようです。
もちろん、お経もありません。
神父様が、お別れの言葉を言って終わりです。
こちらのお葬式は、あっさりしてるなー、と感じました。
あとは、亡くなってから30日,100日、その後は毎年お祈りに行きます。
家では、おばあさまが大切にしたバラ園が残っただけで、
そのほかの引き継ぐ高価なもの以外は処分されます。
私は、首飾りなど数点を貰いました。
エレノアと、ニーナに一つづつ宝石のついた首飾り渡しました。
私にとっては、エレノアとニーナは兄妹のように感じていたし、最近は一緒におばあさまの面倒を見ていたので、おばあさまからのプレゼントだよと、別けたら後でクインにすごく怒られました。
おかあさまが、慌てて仲裁に入ってくれましたが、あまり高価な物を、結婚前の女性に送ってはいけないと、それは自分のためでもあるし、相手の女性のためでもあると。
これで婚約したと世間から言われると、どうするのだと。
怒る理由もわかり、配慮無く大変失礼なことをしたなーと反省しました。
2人が、小さくて良かった。
意図せず婚約になってたら、パワハラになるところでした。
これからエレノアとニーナは恋をしていくのに、いきなり小さい時に領主様に召し上げられたと言われては、災難だっただろう。
結局、その首飾りは、お母様がおばあさまからの遺品として別けたことになり、ちゃんと渡せました。
残りの遺品は、無事おばあさまの遺言どおり、リリアーナお母様と、アメリで分けています。
アメリは、最近、おばあさまが持っていたブラックオパールのイヤリングをつけています。
私がつけている目の色を変えるイヤリングと材料は一緒です。
「おそろいになったねー」とアメリが喜んでいるので、「私も嬉しい」と返事をしました。




