第154話「反攻」
時事ネタ?社会風刺?いずれにしろ、この作品はフィクションであり、実在の企業・団体・個人とは一切関係ありません。キリッ
2030年11月。世界連合創設から72時間。
中国。北京。
高道総理の最後通牒から72時間が経過した。
回答はなかった。
台湾への侵攻は続いていた。
東京。首相官邸。
高道香苗総理は短く言った。
「自衛隊、動いてください」
東シナ海。水深200メートル。
海上自衛隊潜水艦「はくりゅう」が静かに進んでいた。
MAGIから標的情報が届いた。
「揚陸艦群、座標送信。推定12隻。台湾西岸へ向かっています」
艦長が命令した。
「魚雷発射、2番・4番管」
魚雷が走った。
別の海域では「そうりゅう」が次の標的を捕捉していた。「たいげい」が台湾海峡の南口を封鎖していた。
揚陸艦1隻が爆発した。
台湾への上陸阻止。それが潜水艦隊の役割だった。あまつくに型のレールガンでは乗員ごと船を破壊することになる。それは人道破壊兵器として認定されるリスクがあった。静かに海の底から魚雷で仕留める——それが法的にも戦術的にも正しい手段だった。
上空。
P-1哨戒機が低空を飛んでいた。
艦隊の周囲20海里を旋回し続けた。ソノブイを投下した。磁気異常探知装置が反応した。
「艦隊南東12海里、中国潜水艦の反応。深度100メートル推定」
「護衛艦に通報。対処してください」
ASROCが海面に落ちた。深海で爆発音が響いた。
空母を守ることがP-1の仕事だった。
宮古島南方海域。
有人機空母の甲板から、T-5FCが発艦した。MAGIがリアルタイムで補佐した。
「発艦完了。MAGIと接続確認」
台湾海峡に向かった。
しかし空は見えない戦場だった。
「MAGI、敵機の位置は」
「衛星センサーと艦艇レーダーを統合中。J-20が推定60機。座標を送信します。信頼度73%」
73%。確実ではなかった。
その瞬間、7番機のRWRが鳴った。
「レーダー照射——J-20」
「方位315、距離40。回避機動」
T-5FCが急旋回した。AAM-4を放った。MAGIが誘導した。爆発音。しかし敵機の姿は見えなかった。
「ステルス環境での交戦継続。MAGIの統合センサーに頼るしかない」
「全機コピー。MAGIの管制を最優先」
きそ型の甲板からZ-1FCが射出された。無人機の群れが台湾海峡に散開した。
台湾軍のF-16が南から上昇してきた。
「台湾空軍、合流します。弾薬は少ないですが——」
「コピー。北の第4世代機を頼む。我々は海峡に集中する」
しかしそれでも3000機超の中国空軍に対して、制空権を「奪う」余裕はなかった。「奪われないようにする」——それが限界だった。
あまつくに型4隻がBMD体制を維持していた。
MAGIがアラートを発した。
「DF-21D発射探知。推定200発。台湾海峡方向から」
レールガンが仰角を上げた。全弾の弾道を計算した。
「迎撃開始」
200発は多かった。4隻では全弾には対処できなかった。
「着弾予測。空母左舷1.4キロ。海面着弾見込み」
海面が爆発した。水柱が上がった。空母は無事だった。
レールガンは揚陸艦に向けることはなかった。それは人道破壊兵器として認定されるリスクがあった。あまつくに型の役割はBMDだった。揚陸艦は潜水艦隊が担った。
マニラ。
「フィリピン共和国は世界連合への加盟を申請し、台湾への軍事支援を通告します」
F-16V、72機が北方へ向かった。
シンガポール。
「シンガポールは世界連合への加盟を申請します。武力による現状変更を断じて認めません」
F-35Aが離陸した。
台湾上空。
フィリピム機が合流した瞬間、戦況が少し変わった。敵の注意が分散した。
「コールサイン、マニラ1」とフィリピンのパイロットが英語で言った。「T-5Aで訓練しましたよ。よろしく」
「助かります。北の敵を頼む」
ワシントン。ホワイトハウス。
ドランプはテレビを見ていた。フィリピン。シンガポール。日本。台湾の空。
「議会は」
「まだまとまっていません。韓国系ロビーが——」
「大統領令を準備しろ」と言った。「ロシア、中国、韓国の在米資産を全て凍結する。今すぐ」
「大統領、前例のない——」
「やれ」
大統領令が署名された。
ニューヨーク市場が一時停止した。
韓国の在米資産が凍結された。
ソウル。
「……終わりです。在米資産の凍結で完全に詰みました」
韓国政府はデフォルトを宣言した。
台湾。台北。
空はまだ戦場だった。制空権は奪えていなかった。しかし失ってもいなかった。揚陸艦が次々と爆発していた。台湾海峡の底では日本の潜水艦が静かに動いていた。
台湾の市民が窓の外を見ていた。
爆発の光が遠くに見えた。
しかし今日は昨日より少し静かだった。
東京。内閣官房。
橘慎一郎は状況をモニターしていた。
「揚陸艦の損失が増えています」と10001号が言った。
「潜水艦隊が機能しています」と橘は答えた。「制空権は——厳しい。3000機相手に75機では奪えない。奪われないようにするのが精一杯です」
「FEPAが来るのは」
「ロシア戦線が片付いてから。あと最低10日」と橘は言った。「それまで持たせる」
【国際情勢スレ】
1 名無しさん
台湾沖で揚陸艦が次々と爆発してるって映像が出てる
2 名無しさん
>>1
潜水艦でしょあれ
海面に何もいないのに爆発してる
3 名無しさん
DF-21Dが200発飛んだって
あまつくに型が迎撃したらしいが全部は無理だったみたい
4 名無しさん
フィリピンとシンガポールが参戦したって
5 名無しさん
>>4
世界連合3日で2カ国増えた
6 名無しさん
ドランプが大統領令でロシア中国韓国の在米資産凍結したって
7 名無しさん
韓国デフォルトしたじゃん
8 名無しさん
制空権は……まだ奪えてないのか
9 名無しさん
>>8
3000機相手に75機だぞ
奪われてないだけで奇跡
10 名無しさん
FEPAが来るまであと10日って
持つのか




