表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『ドラゴンテイマーと魔人』 ~追放された不遇職の僕は、婚約者だった公爵令嬢と共に、何とか生き抜いていこうと思いました~  作者: 星衛門
2章 ヴァンパイアと魔人

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

29/39

29魔咆哮




 複数のヴァンパイアの苦戦を強いられるレーナ。


 レーナの方が身体能力が、やや上。


 だが、相手のヴァンパイアも剣の技術は高い。

 さらに複数が開いて。


 ジリ貧である。

 下手をしたら、こちらがやられ兼ねない


 「ふぅ…仕方ありませんね」


 そこで、レーナは腹を括る。


 あれを使うしかありませんね。

 心の内で決断するレーナ。


 本当は使いたくは無い。

 でも、この状況では止む負えないだろう。


 そうと決まれば。


 タン!

 一度決断したレーナは大きく飛び、大部屋の壁際まで自ら向かう。


 後方が壁であり、これ以上後ろに下がることが出来ない。


 「貴様、何をしている?」


 ヴァンパイア達は不審に思う。

 複数人を相手取っているレーナからしてみれば、自分から逃げ場所を制限した事と同じ。


 これまでは、レーナのフットワークで複数のヴァンパイアの攻撃を掻い潜ってきたが、これでは、まともに避けられない。


 「取り囲め」


 始めに大部屋に入ってきた時に、数人の中央にいた男…恐らく、この男が数人に指示を出すリーダー的存在のヴァンパイアだろう。


 そのヴァンパイアがレーナを取り囲むようにと指示を出す。


 ジリジリと、ヴァンパイア達は剣を構えながら、レーナに近づく。


 後方は壁。

 このまま完全に、取り囲まれれば、レーナは袋叩きに逢う。


 そうして、レーナとヴァンパイア達との距離が数メートルまでになった時、


 「…………すぅ」


 レーナは大きく息は吸う。

 肺全開に空気をため込むほどに。


 だが、それだけで無く、レーナは体中の魔力を漲らせる。

 そして、集めた魔力を腹部に集中させる。


 レーナの体の中では、大量の空気と魔力の2つが混ざり合っている状態だ。


 ここまで来れば、準備万端である。

 後は解放するだけ。


 次の瞬間、ヴァンパイア達は一斉にレーナへ斬りつけを行う。


 複数人での同時攻撃。

 後ろは壁。


 物理的に、攻撃を避けるのは、ほぼ無理だろう。


 だから、迎撃する。

 レーナは自ら、壁際に飛び込んだのは、こうしてヴァンパイア達を集めやすくするためだ。


 レーナが肺に溜めた空気と腹に溜めた魔力を一気に、喉を通して、口から外へ押し出す。


 「はああ!!!」


 咆哮を放つ。


 それは雄たけびと言う名を持った魔力の波動。

 レーナの腹から出した大声量が、気合の声と共に、膨大な魔力をヴァンパイア達に叩きつけたのだ。


 「「「ぐああ?!」」」


 ヴァンパイア達は、まるで破城槌に打たれたような感触を味わっただろう。


 凄まじい速度で、後ろへ飛ばされるヴァンパイア達。

 彼らは皆、レーナがいた壁際とは反対の方向の壁際に激突する。


 ヴァンパイアたちは身動きが取れなかった。

 それほど、レーナの雄たけびと、壁へと激突は大ダメージだった。


 形勢、逆転である。


 これは「魔咆哮」と言う技である。

 母から教わった『魔闘術』で、必殺技や奥義に位置づけられる技だ。


 咆哮のように、雄たけびを上げ、魔力の波動を敵にぶつける。

 これにより、広範囲の攻撃がなせる。


 敵側には、避ける手立てがない。

 まさに、奥の手なのだが、


 「はぁ…はぁ…」


 一方のレーナも、疲弊していた。

 膝を突いて、額から少なくない汗を流している。


 これだ。

 これがあるから、あまり使いたくは無かったのだ。


 この「魔咆哮」は、威力が高く、前方にいる敵を薙ぎ倒す強力な技だが、如何せん多くの魔力を消費し、疲弊も溜まる。

 連発が出来ないのだ。


 この技を使うと、必ず体の防御が薄くなる。


 人も魔人も半魔人も、魔力によって肉体を強化できる。

 特に、魔人は人よりも圧倒的に魔力を持っているため、筋力や骨格、皮膚の頑強さは人とは比べものにならない。


 でも、「魔咆哮」を使用すると、一時的に、大量の魔力が体外に排出されるため、身体が脆くなるのだ。


 だから、「魔咆哮」は奥の手であり、使う時は必ず敵に当て、無力化させないといけない。

 今回は成功した。


 レーナは数人のヴァンパイアが昏睡したのを確認すると、ヴァンパイアが現れた扉に向かう。

 この部屋には、あの扉以外入り口が無い。


 なら、あの扉を抜けて、出口を見つける必要がある。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ