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『竜使いと魔人』 ~追放された不遇職の僕は、婚約者だった公爵令嬢と共に、何とか生き抜いていこうと思いました~  作者: 星衛門
2章 ヴァンパイアと魔人

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27転送




 「漆黒の森」にあった明らかに人工物であろう物。


 ここまで進んでいる最中は、周囲は日光を遮るほどの木々が生えているのに、そこだけ木が無かった。


 開けた場所に、石で作られた大きな円状の床に、円を取り囲むように、石の大円柱が複数立っていた。


 円は大体、半径10メートル

 柱は5メートルぐらいか。


 まるで、何かの儀式に使いそうな場所。


 僕とレーナは、警戒心を持ちながら、一通り見渡す。

 何か不審な事は起こらない。


 「何で、このような物が…ここにあるのでしょう?」


 レーナも、正体不明の、この場所に疑問なようだ。

 一体これは何だろう?


 『む、これは…』


 クロが何かを感じ取る。

 長い首を回し、周囲を見渡す。


 「そうした、クロ?」

 『感じるんだよ、パパ。この場所、凄く薄いけど、魔力が発生してる』

 「魔力が?」


 僕は目を瞑り、感じ取ろうとするが、何も感じない。


 それも当然か。

 僕は魔力に敏感になる『魔法使い』でも『魔術師』でも無い。


 黒竜であるクロとの契約で、膨大な魔力が供給され、身体能力が上がったとはいえ、魔力感知が飛躍的に上がった訳では無い。


 「確かに、クロちゃんの言う通り、何となく魔力を感じます」


 どうやら、半魔人であるレーナも僅かな魔力を感じ取れるようだ。


 だけど、そこまで行くと、何故ここに魔力が発生しているのかだが。


 ん?待てよ。

 ここで、僕は思い出す。


 前に本で読んだかもしれない。

 こういった魔力が僅かに発生する地点を。


 「確か…「魔道装置」っと言ったか」

 「「魔道装置」?あの古の技術で作成された装置のことですか?」

 「うん、それに似ているなぁ…と、思って」


 「魔道装置」とは、今よりずっと昔の人々によって、作成された装置のこと。


 現在では失われてしまった技術を使っており、その技術は今を生きる人にとっては理解も出来ないようなものばかり。


 本来なら、こう言った装置の類は、外からの者の供給や魔石によるもので、起動するものだが、「魔道装置」は地面に流れる魔力の流れ…地脈によって、動いているのだ。


 それ故に、稼働が停止することは無い。


 「仮に、これが「魔道装置」として、どんな機能を持った物なのでしょうか?」

 「う~ん…それは分からないかな」


 レーナは興味本位で、石で出来た円の中心に足を踏み入れる。

 そして、手で直接、床に触れるが、何も起こらない。


 そう思っていたが、


 「やはり…ただの石ですね。……………あら?」


 レーナは何かに気づく。


 地面の床を手で擦る。

 すると、何かが浮かび上がる。


 「これは紋章ですか?」


 円の中心には、小さな印が彫られてあった。

 紋章に見える。


 よく見ると、それは動物の蝙蝠に似ているのだ。


 カチャ。

 その時、紋章が下へ凹む。


 レーナが紋章に触れた際に、紋章が彫ってあった部分が、ボタン式であったのだ。


 そして、


 「こ、これは?」

 「レーナ?!」

 『ママ?!』


 石で出来た円の床が光り出す。


 円の中心にいたレーナは戸惑うばかり。


 けれど、ここまま…ここに居たら危険。

 本能でそう察知したレーナは瞬時に、その場から移ろうとする。


 でも、遅かった。


 シュン!

 突如、レーナが消える。


 「レーナ!」

 『ママ!』


 僕とクロは慌てて、円の中心に向かう。


 何度も確かめるが、はやりレーナの姿が確認できない。


 僕は地面をよく見る。

 そこには、紋章があった。


 僕は迷わず、押す。


 カチャ。

 しかし、何も起こらなかった。


 何回も紋章となる部分を押しても、床が光ることは無い。


 レーナは何処に行った?!


 ガシガシ。

 ここで、クロが僕の来ている鎧の肘を口で掴んでいた。


 何か言いたいことがあるのか。


 『パパ…何か、ママは急に消えたように見えた』

 「急に消えた?」

 『うん、ママの匂いと気配が一瞬で無くなった』


 それを聞いて、僕は何かピンとくる。


 一瞬で人がいなくなる。

 まさか、転移!


 聞いたことがある。

 昔、「魔道装置」が今よりたくさんあった時代、昔の人は転移を使って、長距離を一瞬で移動していたそうだと。


 なるほど、この「魔道装置」が、その転移を引き起こすものだったか。


 でも、何で僕が押しても何か起こらない。


 単純に、連続使用できないのか。

 それとも、転移できる者には条件があるのか。


 僕とレーナで違う事は…ある。


 レーナは半魔人なのだ。

 ならば、この「魔道装置」は魔人だけを転移させるもの?


 考えても、答えは出てこない。

 取り敢えず、消えたレーナの行方を探さなくては。









 一方、その頃…別の場所で。


 「う?!」


 レーナは光に包まれていた視界が戻ったことを確認する。


 周囲を見渡す。


 「ここは、何処でしょう?」


 けれど、周りには、先程までいた光景とは全く別の物がった。


 まず、暗い。

 「漆黒の森」も暗かったが、ここは全く光も無い場所。


 音が静まり返り、寒い。

 何も無いように見える。


 とは言え、段々と目が慣れてきた。


 半魔人であるレーナは、夜目にも優れているのだ。


 「部屋の中?」


 すると、状況がはっきりしていく。


 レーナがいる場所は、どこかの大部屋だった。

 広い部屋であり、天井も高い。


 下には、さっき「漆黒の森」の中で見た円状の床があった。


 そうだ…「漆黒の森」の時は、床の紋章を押して、床が光り輝き、気づいたら…ここにいた。


 カチャカチャ。

 さっきと同じように紋章を何度も押してみるが、変化が無い。


 ここは何処?

 何故、自分はここに?


 見渡す限り、自分の周囲にリックもクロもいない。


 ガチャ。

 ここで、扉が開く音がする。


 この大部屋には、レーナの正面に扉があるのだ。

 それが開いた。


 レーナは身構える。

 誰かが入ってきたからだ。


 入ってきたのは、数人の人間。


 いや、人間では無い。


 何故かは分からないが、直感的にレーナは、扉から入ってきた数名が人で無いと感覚的に分かった。




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