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第6章


森の空気が、静まり返っていた。


穏やかな静けさではない。何かがすでに決まってしまって、世界だけがまだ追いついていない――そういう種類の沈黙だった。


クロキはまだ木に背を預けていた。


樹皮に体を押しつけ、片膝が地面にほとんど触れそうになっている。額から流れた血はすでに勢いを失っていた――傷が塞がったわけではなく、ただ流れるものが尽きただけだ。両腕はあるべき角度とは違う方向に垂れ下がり、重心がずれていた。動かそうとするたびに半拍遅れて反応し、そのたびに頭が補正をかけ、そのたびに驚かされる。


また計算を回した。


速度差、開きすぎている。耐久性、意味がない――ダメージが蓄積するタイプじゃない。反応速度――あいつは刺激じゃなく意図で動く。読める予備動作がない。


もう一度回した。


左に誘導すれば――


技が完成する前に対応される。


フェイントを低めに入れて、そこから――


もう背後にいる。


同じ答えだ。


ずっと、毎回、同じ答えしか出てこない。


ヴォイドの顔をした何かが、森の空き地の向こうで両手をだらりと下げたまま立っていた。クロキが数字を回すのを、答えをすでに知っている者の辛抱強さで、ただ静かに見ていた。


「……やっぱり、違うと思ったんだけどな」


あの声だ。ヴォイドの声。ただし抑揚が違う――そこに居座っているかのように、なじんでいる。


クロキは何も言わなかった。


あの腕のどこかに。左側の反応が遅い――わずかだが、前よりは小さくなっている。でも確かにある。踏み込みの瞬間に股関節の回転を切り離せれば――


「まだやってる」


問いかけではなかった。


「その癖」わずかに首を傾ける。「結果を計算し続けるやつ」間があった。「……いくつ出た?」


クロキの顎は動かなかった。


「何を見つけようとしても」声は、どこか世間話でもするような調子だった。「終わり方は同じだ」一歩、前へ。急ぐ様子はない。「わかってるだろ」


クロキの手が、刃をきつく握り締めた。


答えは存在しない。あいつは正しい。答えは――



「……もういい」


構えの変化はなかった。予備動作もなかった。


ただそこにいた――クロキの目には届いたが、体が間に合わなかった、そういう間合いを詰めてきて、拳が脇腹へ一直線に突き込まれた。予告など必要としない類の力で。


クロキの体は、頭より先に動いた。


腕をクロスさせ、ガードを上げる。一万時間の反復が、思考を飛び越えて動いた。


それでも、衝撃は届いた。


ガードは――かろうじて――持ちこたえた。しかし力の逃げ場がなかった。代わりに体の中を通り抜けた。前腕を、肩を、胸郭の奥で何かを揺らして。左の前腕が悲鳴を上げた。右も似たようなものだった。


体が浮いた。


ぶつかった木は衝撃を吸収したのではなく、ただ止めた。クロキはそのまま滑り落ち、変な体勢で地面に転がった。両肘から下の感覚がすでに消え、視界の端が砕けたようにぼやけていた。


息をしている。


まだ、息をしている。


肩を樹皮に押しつけ、ゆっくりと体を起こした。腕が使い物にならないから、そうするしかなかった。


空き地の向こうは、何も変わっていなかった。


見ていた。同じように少し傾いた頭で、淡々と、無関心に――罠がすでに閉じた後もまだ逃げようとしているものを見る目で。


「……まだ」


そこにはほんのわずか、感心に近い何かがあった。ほんのわずか。


次の一撃はこう来る。四秒か、五秒か、猶予をくれるはずだ。こっちが何か見つけられるか試している。さっきからずっとそうだ、ギリギリの隙を残しながら――


「お前が計算している答えは」声が言い、前へ歩き始めた。急ぐ様子はない。「存在しない」


三メートル。


二メートル。


もう何もない。


一メートル。


空気が、白く裂けた。


警告はなかった。溜めもなかった。集束した白い光の奔流が木立のどこかから放たれ、ヴォイドの体の左側――肩、腕、胴の一部――を直撃した。一瞬だけ、そこには光と、焦げた空気の刺激臭しか存在しなかった。


光が晴れると、腕がなかった。


負傷したのではない。吹き飛んだのでもない。ただ、なかった――肩口が何もない空間で終わっていて、そこにあったはずのものが、十分な密度を持った何かに「あるべきではない」と決められたように、消えていた。


二歩、後退した。


二歩だけ。そして静止した。


腕があった場所を、見下ろした。


しばらく間があった。


それから視線が、ゆっくりと木立の方へ動いた。まるで考えの続きを追うように。




それから視線が、レイコへ戻った。


「……思ったより使えたな」


間があった。


「それが問題だ」


怒りではなかった。どちらかといえば、淡い後悔に近い何か。小さなミスを犯したことに気づいて、後で対処しようと記録しておく者の表情だった。


「最初に、きれいに終わらせておくべきだったな」


レイコは何も言わなかった。腕はまだ上がったままだった。指先の煙は、止まっていた。


もう一瞬だけ視線を保ち、それからそっぽを向いた。用が済んだものを閉じるように、もう彼女のことなど頭にない。



クロキの腕は、必要なように動いてくれなかった。


わかっていた。しばらく前からずっと補正をかけてきた――負荷を分散させ、握りを調整し、「作業中の変数」として処理して先へ進んできた。まだ進んでいた。まだ考え続けていた。


左側はまだ遅い。

大差はない。でも確かにある。

踏み込みの三拍目、股関節の回転が――



止まった。


計算を、静かにさせた。


ほんの一瞬だけ。


顔に血が乾いていく感覚の中で、両腕がほとんど機能しない中で、向こうでヴォイドの顔をした何かがまるでついでの用事を済ませるような気軽さでこちらへ向き直る中で――


あいつは正しい。


敗北ではなかった。ただの事実だ。逃げるのをやめたとき、そこにきれいに、当然のように座っていた。


俺はずっと、存在しない答えを探していた。


どの変数を入れても、どの角度から読んでも――戦いが始まった瞬間から答えは同じだった。それでも計算し続けたのは、他にできることが何もなかったからだ。


ヴォイドの顔をした何かを、見た。


でもこいつをこの森から出したら――


考えを最後まで続けなかった。必要なかった。


答えが存在しないなら――


「……俺が作ればいい」



手が地面に触れた。


叩きつけたわけではない。ただ圧力をかけた。手のひらを土に平らに押しつけて、静かに。接触を通じて、決断を下すように。


しばらく、何も起きなかった。


それから地面が、求められていることを思い出した。


最初に土の中から這い出してきた――細く、暗く、動き方がおかしかった。速すぎる、意図的すぎる、皮膚の下から血管が浮き出るように土を割って上へ伸びてくる触手。外へ広がるのではなく、育っていた――弧を描いて上へ、横へ、互いに先端を探し合って、触れ合ったところで融合した。ドームが下から閉じていった。暗く、肋骨のように筋が走り、継ぎ目のところでわずかに呼吸するように揺れていた。内部の気圧は瞬時に落ちた――外からでもわかった、そこがもう別のルールで動く空間になったという、静かな違和感として。


何かが、その中で生まれようとしていた。


クロキの腕が、肘から先に限界を迎え始めた。


じわじわとではなかった。鋭く、内側から裂けた――痛みとして届く前に来る種類のダメージ、設計上限を超えた負荷に筋肉が分離していく感覚、痛みというより何か構造的なものが崩れていく感触だった。前腕が震えた。手のひらは地面から離さなかった。もう一度、今度はより深く、肩に近い場所で裂け、傷口のない皮膚の表面に血が滲んだ――圧力が最も近い出口を探しただけだった。


奥歯が、噛み合わさった。


ドームが一度、脈打った。継ぎ目の縁がかすかに光った――光ではなく、その不在だった。暗闇が凝縮しすぎて、光源のように振る舞い始めていた。周囲の空気が歪んだ、縁のほうから内側へ流れ込み、風もないのに葉が地面を滑って引き寄せられていた。


もう片方の腕が、完全に力を失った。ただ垂れ下がった、脇に沿って、筋肉が終わったように。


足は動かさなかった。


ドームがまた脈打った。静電気が筋の間を走った――細く、暴力的な電気の糸が表面を這い、継ぎ目から継ぎ目へと跳び移り、内部に蓄積する荷重を外殻が必死に抑え込もうとしているように見えた。音は大きくはなかった。ただそこにあった。低く、構造的な違和感が、他のすべての音の下に敷かれていた。


頂点に、亀裂が走った。


また一本。


静電気が激しくなった、より力強く跳び、亀裂から短く鋭いアークを放ちながら。ドームの周囲の空気はもう普通の空気として振る舞っていなかった――あらゆる方向から内側へ流れ込み、飲み込まれ、すぐ周囲の空間が信頼できなくなっていた、奥行きが薄れ、距離が事実ではなく提案のようになっていた。


クロキの視界が、端から消えていった。脈を感じるべきでない場所で感じていた――目の奥、手のひら、広がり続ける腕の裂け目に沿って。


ドームが、砕けた。


劇的にではなかった。ただ壊れた。破片は地面に届く前に溶けて消え、その跡に残ったのは一点だった。単一の、針の先ほどの暗点。そこから放たれる違和感の量に対して、小さすぎるほど小さかった。静かで、静止していた。


それから、引いた。


半径三メートル以内のすべてが一斉に動いた――土、瓦礫、地面に落ちた血、空気そのものが内側へ曲がった。静電気が絶え間ないアークとして弾け続けた、暴力的で不規則に、外へ跳んではまた引き戻され、電気までもが飲み込まれているように振る舞っていた。一度、脈打って膨張した――遅く、不安定に、縁が滑らかに広がるのではなく震えながら――そしてその脈動は周囲の空気から何か見えるものを奪った、周囲の空間がわずかに圧縮され、解放される、間違った呼吸のように。


また脈打った。今度はより大きく。


クロキは殺傷圏内に立ったまま、動かなかった。


視界は細い帯になっていた。鼻から血が流れ、腕の裂け目から流れ、喉の奥のどこかからも流れていた、まだ把握していない場所から。足は機能よりも意地で体を支えていた。


空き地の向こう、ヴォイドの顔をした何かを見た。


そして待った。


育っていった。


きれいにではなかった。一度ごとの脈動が不均等に加わり、縁が不規則に震えて外へ広がり、次の脈動が来る前に部分的に戻ってきた。中心の暗闇はもう不在には見えなかった――存在として見えた、密度があり、静かで、目が追いつく前に体が感知する種類のもの。


空き地の縁の木々が最初に感じた。


樹皮が内側へ裂けた。衝撃ではなく――引力によって、木材が本来行くべきでない場所へ行こうとして繊維が木目に沿って分離した。枝が不自然な角度に曲がり、葉が落下を終える前に剥ぎ取られて飲み込まれた。クロキとその向こうに立つ何かの間の地面は、すでに溝が刻まれていた、土と瓦礫が細い線を引きながら、二人の頭上わずか上方に浮かぶその点へ向かって、脈打ちながら、不安定なまま、あらゆる方向へ不規則に静電気を散らしながら引き寄せられていた。


空気そのものが歪んでいた。見えた――その歪みが、後方の木立の縁をわずかにぼやかし、奥行きを信頼できないものにし、距離が微妙に折り畳まれ、目が普段より余計に働かなければ追えないようになっていた。


崩壊する。


計算ではなかった。ただ、明らかだった。あれは不安定すぎる、自分が維持できる速度より速く育っていて、中心の圧縮は限界値へ向かって積み上がっていた。崩壊したとき、あれは選ばない。



クロキの足は、そこにあり続けた。


空き地の中のすべてが内側へ動いた。彼だけが動かなかった。


自分の圧縮だ。引力には引かれない。

でも崩壊には、巻き込まれる。


向こうで、ヴォイドの顔をした何かが二人の間の点を見た。それから足を踏ん張り、それでも向かってきた。安定して、急がず。一歩ごとに足元の地面が剥がれて内側へ流れ、それでも来続けた。まるで歪みが天気でもあるかのように。


クロキはそれを見ていた。


歩いてくる。


不安定な塊が二人の間で弾け続けていた、脈打ち、震え、激しいアークが閃光のように空き地を照らした。縁では木々が軋んでいた。圏内のすべてが内側へ向かっていた、二人を除いて。


どちらも、動かなかった。



膨張するのを、見ていた。わずかに首を傾けながら。


「崩壊するとわかっていて、無理やり存在させた」間があった。「……それは初めてだ」


視線がクロキに落ち着いた。そこにはほとんど、考慮に近い何かがあった。


「止めようとすると思ってるんだろ」


かすかに、笑った。


「……もうこの体は限界だしな」


一歩、後退した。


「それにお前はもう死んでいる」


大きくはなかった。ただ、述べた。


一度、指を曲げ伸ばした。塊をちらりと見た、扉を閉めるように。


「……なんで早めに終わらせないといけないんだ――」


笑みが広がった。


「――あとはあいつに任せればいいだけなのに」


クロキの目が、わずかに見開かれた。

何、だと。


気配が、一瞬で消えた。移行もなく、何の前触れもなく。ただ、消えた。



ヴォイドは、むせながら戻ってきた。


空気が一気に肺へ流れ込み、体がそれに痙攣した。手が土を叩き、気づいたときにはすでに膝をついていた。視界が揺れた。腕が震えていた。全身が使い果たされた感触だった――絞り切られて、おかしくて、誰か別の人間の疲労の中で目を覚ましたような感覚。


顔を上げた。


塊が、空き地の上空で砕けていた。


表面を亀裂が走り、縁が内側へ折り畳まれ、あれほど鳴り続けていた静電気の音が消えていた――その沈黙が、音があったときよりもずっと悪かった。車ほどの大きさのそれが崩れていて、周囲の空気が歪んでいて――


視線が落ちた。


レイコが木にもたれていた。顔の横を血が流れていた。動いていなかった。


気づいたら立ち上がっていた。よろめきながら前へ踏み出し、足が何かに引っかかって体ごと倒れた――肩、手、土。半分だけ起き上がって、止まった。


自分の手を見た。


血。暗く、縁がすでに乾き始めていた。切り傷ではない。自分のものでもない。


な――


「……何が」


振り返った。レンが木立のどこかで倒れていた、動かなかった。空き地は破壊されていた。縁の木々がおかしかった、樹皮が内側へ裂け、枝が剥ぎ取られていた。地面はあらゆる方向に溝が刻まれていた。


俺は――俺じゃ――


ここにいなかった。どこかにいて、気づいたらここにいて、自分の手が――


……何?


声が、自分の思考の奥から聞こえた。静かで、急いでいなかった。


……気に入らないか?


ヴォイドの息が止まった。


「お前が何をした――」


声が答えた。


……俺じゃない。


間があった。


……お前だ。


ヴォイドは首を振った、パニックが破れて出てきた。


「違う――俺じゃない――俺はそんなこと――」


……お前だ。


「うるさい――」


少し柔らかく、どこか好奇心を帯びた返答:


……じゃあ誰がやった?


沈黙。


手はまだ目の前にあった。まだ血まみれだった。上空の塊がまた割れた、今度はより深く、圧力が急激に高まり、体がびくりとした。でも関係なかった、自分の手から目が離せなかった。


……お前の体は、躊躇わなかった。


間があった。


……お前も、止めようとしなかった。


それきり、何もなかった。ただそれだけが、そこに座っていた。続きもなく、押し返す答えもなく。


塊が、中心から真っ二つに割れた。


ヴォイドはそれを見上げた、胸を上下させ、目を見開き、歪みと砕ける暗闇の向こうに――


クロキがまだ立っていた。


かろうじて。血が生え際から流れ、片方の肩が落ち、とっくに崩れていてもおかしくない足でまだそこにいた。まっすぐ、ヴォイドを見ていた。


塊を見ているのではなかった。空き地を見ているのでもなかった。


彼を、見ていた。



クロキの視界は、しばらく前から消えかけていた。


空き地の向こうのヴォイドを見ていた。その顔に浮かぶ混乱を、自分の手を見る目を、走るか崩れるかを体が決めきれていない様子を。


違和感が消えていた。あの目の奥にあった重さ。ずっとその顔に合っていなかった抑揚。


ヴォイドだけが残っていた。ただのあの子が。


あいつじゃなかった。


足が、折れた。


抗わなかった。膝が地面につき、視界が急速に狭まり、血が顔を伝って顎から落ちた。


上手を取られた。


前へ、倒れた。


……くそ。


亀裂が深まった。


ヴォイドは顔を上げた、体はすでに限界だった――前触れなく血が込み上げてきて、むせた、次の咳が胸全体を絞るように突き抜けた。視界がぼやけた。地面から体を支える腕が震えていた。


「嫌だ――」


息が、折れた。


「嫌だ、また――また死にたくない――」


死にたくない。


そこに、何もなかった。気力も、戦略も。ただそれだけが、生のまま、塊が頭上で震え、亀裂が広がり、圧力が積み上がり、血が顎を伝う中で――


何かが、笑った。


静かに。急かさず。自分の思考の奥のどこかから、低く、本当に愉快そうに。ヴォイドがパニックになるのをずっと見ていて、それが面白かったように。


ヴォイドの胃が、沈んだ。


……ここでは死なない。


間があった。


……それは無駄になる。


塊が、爆ぜた。



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