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相棒のスライムを連れて  作者: 野生のスライム
旅をする遺跡
37/43

一度目の遺跡探索

最初は

『モアシャイヤス』

って名前で出したのに、いつの間にか

『モァシャイヤス』

になっていた。

なので

『モアシャイヤス』

よりも

『モガシャイヤス』

の方が分かりやすいなって。発音的にも。

なので名称変更しました!

それと大きく更新が遅れたのは、本当にすみません。次回は日曜に更新できたらなって、頑張ります。

 


 普通、出入口とはそこへ入ったり出たりをするためにあるものだ。逆に、入られたくない場所には工夫が施され、隠されたり、何らかの罠があったりもするだろう。

 しかし、ここの遺跡はそれらとは違い、何の意図を持ってして作られたのか、僕はほとほと分からなかった。


 ダァシャイヤスさんに案内されて、僕らは遺跡の入り口近くまで歩いていた。

 見た目からしても言えることなのだけど、遺跡の入り口と言うのだから、それは人為的に作られたものだ。つまり、偶然空いた穴などではなく、人工的に作られた入り口であった。


「うん? 階段を設置したのか」

「あぁ、流石に一々踏ん張るのはこの歳じゃあキツくてな」


 だが、その入り口と地面との距離は、僕一人分くらいの差が存在していた。それは無理して登ろうと思えば登れる程度であり、腕の筋力がなければ多少辛いものでもある。

 その差を段階的に埋めているのがショーンの指摘した階段だ。遺跡の側面に沿わせるように、木製のそれが真っ直ぐ伸びていた。


「この入り口、何でこんな中途半端なんだろうね」

「さぁね。僕には大昔の人物が何を考えていたかなんて分からないから」


 利便性を考えれば、入り口は地面の、人が立つ場所に近くなければならない。

 守備を考慮するのであれば、大多数の人が届きそうにない高さが必要なのではないのだろうか。

 けれど、この遺跡にはそういった意図が感じられなかった。無論、僕みたいな素人では思いつくこともできない理由とか、ごまんとありそうだから、何らかの理由がそこにはあったのだろう。だからきっと、適当に作ったとか、設計ミスとかではないはずだ。


 ところで、さっきから頭の上の白が妙に大人しい。昨日もそれなりだったが、多少なり動きはあった。

 しかし、今の白はまるで帽子のようで、ピクリとも動かない。少し前までは風が強かったから、下へ落ちないようにしているのかと思っていたけれど、今はそこまで強くもない。

 まさか持ってもいない帽子と白を間違えるはずもなく、途中で入れ替わったわけでもなし。いったいどうしたのだろうか。


「白? もしかして寝てたりする?」


 遺跡の中には獣や魔物がいると言っていた。ならば、白にはいつでも動けるようにしていてほしい。僕はスッと不意討ちで死ねる自信があるから、頭の上で白にも警戒していてほしいのだ。

 声を掛けて、軽く手で叩いてやると、白はビクッと体を震わせた。どうやら目が覚めたらしい。まぁ、白の場合は目がどこにあるのか分からないのだけど。


「おーい、来ないのかい?」


 白を目覚めさせている間に、二人は既に遺跡に入っていたらしい。ショーンがそこから頭を覗かせて、僕を呼んでいた。

 だから階段を駆けて、軽く謝りながら返事をする。白が魔物に通用するのか、しないのか。どちらにせよ、今日、この日が重要な日になると心に刻み付けながら。


「……じゃあ進むぞ」


 遺跡に入って早々に、ダァシャイヤスさんはそこにいた。どうやら足を止めて待っていてくれたらしい。ショーンは少し先を歩いているけれど。


 遺跡内部は青色とも緑色とも取れる色合いが広がっていた。

 昔、ゴネットの家へ遊びにいった時、工房の方でこれと似た色合いの石を僕は見たことがある。確か、銅像用に使うと言っていた……えっと、緑青(ろくしょう)だっけ? その元となる石の色によく似ていた。

 入り口からなるここはどうやら通路のようで、一人用のベッドを二つ、横に並べたら同じような幅になることだろう。物静かに感じるこの空気も、耳を澄ますと僅かに奥から物音が聴こえてくる。

 勿論のこと、遺跡の中には日が届かない。だから薄暗いことには薄暗いのだけど、下には等間隔でランタンのような光源が設置されているので足下の確保には事欠かなかった。


「ダァシャイヤスさん、この明かりは調査団の人が?」

「ん? そうだ。熱を持たない、火みたいな従魔を連れてる奴がいてな。『料理には不向きだが、こうして照らすことはできる』と自慢していたよ」


 よくよくランタンの中を覗き込めば、確かに挙動こそ火であった。が、色は黄色に近く、ランタンに触れてみても熱くはない。強いて言葉を続けるのなら、若干の温もりを感じるくらいだろう。


「ただそいつが困ったやつでな」

「問題児ってことですか?」

「いや、そうじゃないんだ。どちらかと言うと変人……まぁある意味問題児か」


 好奇心により僕がランタンの確認をすると、ダァシャイヤスさんも足を止め、会話を続けてくれた。


「そいつは従魔と一緒に寝る習慣がついていてな。四六時中光を放つそれを抱き枕にしているらしい。だからいつも目の下には隈があって不眠症。この上の拠点でたまにふらついて、落ちかけること過去二回。困った奴だろう?」


 それは確かに困った人だ。一度落ちかけただけならともかく、それが二回ともなれば何人かはその人を気にするだろう。しかし、周囲がそちらに気を割くと十二分に遺跡の調査などできないのではなかろうか。だからといって調査に集中すると、今度は落ちそうになるその人を助けられない。

 というか、前提として、この遺跡はかなりの大きさを誇る。他の遺跡がどれほどまでなのかは知らないけれど、この規模なら遺跡の上も結構広いはずだ。だというのに、ふらついていたとしても二度も落ちかけるのだろうか。


「そんなに落ちかけるって、端の方に拠点を作ったんですか?」

「いや、一応中央の方にある。だが、どうもじっとするのが苦手らしくてな。しかも高いところから見下ろした景色が好きときた」


 それを聞いて、僕は「あー」となんとも言えない言葉が出た。落ちかけるまでの一連の様子が頭に浮かんだからだ。


「さて、あんまり話し込んだらショーンに追い付けないからな。そろそろ進もう」

「あれ?」


 そう言われれば、ショーンがいない。やけに静かというか、声が聞こえないとは思っていたけれど、どこへ行ったのだろうか。

 そんな問いの答えはダァシャイヤスさんが持っていた。

 どうやら僕がランタンの方へ気を向けたとき、ショーンはそのまま止まらずに、一人で先に進んでいったのだそうだ。それに気づかなかった僕も僕だけど、流石にダァシャイヤスさんは気づいていたらしい。


「あいつも動ける時は動いておくって性格だからな。誰かを一人にさせるほど身勝手でもなし、早めに帰っては来そうだが。ま、俺を利用する程度には自分勝手だしな」


 笑いながら、ダァシャイヤスさんはそう言った。奥からは物音が聞こえてくる。それは耳を澄ます必要のないくらい激しいものだったが、ダァシャイヤスさんの様子からは心配する気配が微塵もない。

 それは信頼から来るものなのだろう。宝探しをしようと言う、ショーン自身への信頼かは変わらないが。


「そういや聞いてなかったが、お前さん、名前は?」


 ふと思い出したという風に、ダァシャイヤスさんが尋ねてくる。


「マテルです。こっちは従魔の白って言います」

「マテルだな。俺は、もう必要ないかもしれないが、ダァシャイヤスだ」


 よろしくな、と微笑むようにダァシャイヤスさんは笑う。

 ときに、この辺りと言うか、フィシアム王国全体で言えることなのだけど、黒髪の人は珍しい。別にいないことはないし、街中で千人捕まえれば、その内数人は黒髪の人なのだけど、その程度には珍しい。

 フィシアム王国民のだいたいは茶髪か、それに近い明るい色の髪をしている。かく言う僕も茶髪だ。

 だから今日で二人も黒髪の人と知り合うのはそれなりの確率だ。四騎士うんぬんは無しにしてもである。

 そしてこの逆、黒髪が大多数を統べる国を僕は知っている。主にお爺ちゃんからの手紙で。

 そこは一般的に帝国と呼ばれている国だ。二つの国と三つの小国を束ね、五人の王の上に立つ皇帝がいる国。およそ世界最大規模を誇る大国として有名であり、フィシアム王国の貿易相手国でもある。


『アノーレン帝国』


 正式名称としてはそれであるが、皇帝のいる国はアノーレンしかないから、現在は帝国だけでもアノーレンとして会話が成立する。


「そう言えば、ダァシャイヤスさんって帝国出身でしたよね?」


 で、ダァシャイヤスさんはそこの出身らしい。過去に読んだあの新聞に書いていた。戦争あれこれの話題要因の一つである。

 そも、四騎士の選定条件に外国人禁止はないのだから、今更な話だと僕は思ったのだが。それでも人によっては不安を感じたらしい。厳正な審査のある四騎士と、王様が直接雇ったという差異からだろう。


 ともかく、今重要なことはダァシャイヤスさんが帝国出身ということだけである。いつかお爺ちゃんに会いに行くのだから、時間があれば帝国の名所など聞いておきたいところだと、僕は考えていた。


「僕、今度帝国に寄る予定があるので、帝国のこと何か教えてくれませんか?」


 だからショーンと合流するまでの片道、そんな会話をしようと話を持ち出した。およそ帝国のことを知る絶好の機会として、僕は僅かな道のりを暇と一緒に潰すことにしたのだ。
















ふと調べものをしていた日、私はあることを知りました。

スマホのアプリゲームをソシャゲとは呼ばないのだそうです。

つまり、前回の前書きは完全なる誤用ですね。

本文ではないため、教訓として修正せずに残して置きます。


あと、これは完全な私事ですが、現在無作為にアプリゲームを食い荒らす時期に入っております。

そして東方キャノンボールにハマりました。この熱が長続きするかは、不明ですけど。






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