表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【TS幼女転生王族スローライフ】姫殿下(三女)は今日も幸せ♪ ~ふわふわドレスと優しい家族に囲まれて★~  作者: 霧崎薫


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

289/329

第二百九十一話「外交の首飾りと、姫殿下の『純粋な意志の輝き』」

 その日の午後、王城の居室は、優雅な緊張感に包まれていた。イザベラ王女は、ルードヴィヒ国王が主催する、隣国の強硬な特使団との最終会談に同席するため、「無言の威厳」を表現するアクセサリーを選んでいた。


「わたくしの装飾品は、王国の誇りを示す、最強の武器よ。でも、どんな高価な宝石も、相手の不信感を打ち破るほどの『意志』を宿していない気がするわ」と、イザベラ王女は、宝石箱を前に顔を曇らせた。



 シャルロッテ姫殿下は、モフモフを抱き、イザベラ王女の隣に座った。


「ねえ、お姉様。宝石は、高いだけじゃ、ダメなんだよ」


「ダメ? なぜ?」


 シャルロッテは、「宝石の美しさは、それに込められた『愛の純粋さ』にある」という、独自の美学を持っていた。


 シャルロッテ姫殿下は、宝石箱から、最も高価なダイヤモンドの首飾りではなく、安価な真鍮のブレスレットを手に取った。それは、イザベラ王女が、幼い頃に収穫祭の出店で手に入れたものだった。



 シャルロッテは、真鍮のブレスレットに、土属性魔法を応用した。彼女の魔法は、金属の価値を高めるのではなく、ブレスレットの表面に、「イザベラ王女の、外交における揺るぎない決意」という、言葉にならない意志の魔力を、微細な層として定着させた。


 次に、シャルロッテ姫殿下は、光属性魔法を応用し、そのブレスレットに、「純粋な意志が放つ、最も冷徹で、美しい輝き」を与えた。


「ね、お姉様。ブレスレットは、安くても、お姉様の心が『王国の平和を守る!』って決めたら、世界一強くて、可愛い光を出すのよ!」



 イザベラ王女は、その真鍮のブレスレットを身に着けた。すると、彼女の全身に、宝石が与える虚栄心ではなく、「純粋な使命感」という、強い自信が湧き上がった。


 外交会談の場で、イザベラ王女がそのブレスレットを着用して現れると、隣国の特使団は、彼女の「言葉にならない威圧感」に、圧倒された。彼らは、王女が着用しているのが安価な金属だと気づきもしなかった。



 会談後、ルードヴィヒ国王は、娘の英断と、そのブレスレットの持つ力に、感銘を受けた。


「イザベラ。そなたのブレスレットは、外交の空気を支配した。あれは、宝石ではない。純粋な『決断の光』だった」


 ルードヴィヒ国王は、これからは娘の哲学を、王国の外交戦略に組み込むことを決意した。


 シャルロッテは、モフモフを抱き、にっこり微笑んだ。


「えへへ。だって、高いものよりも、自分の心を信じる気持ちの方が、ずっと可愛いんだもん!」


 姫殿下の純粋な哲学は、「装飾品の価値は、価格ではなく、そこに込められた意志の力にある」という、普遍的な真理を、王国の美学にもたらしたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ