第二百七十三話「王城の秘密の部屋と、銀の髪の『閉ざされた真実』」
その日の深夜、王城の最も古い区域にある、地下へと続く、誰も知らない隠し扉は、ひんやりとした空気に満ちていた。その扉の向こうには、王家が長年にわたって秘密にしてきた、「あるべき姿を否定され、外界から閉ざされた、小さな部屋」があった。
その部屋には、「世間には見せられない、異端な存在」の、静かで、しかし切実な「生きたい」という願いの魔力が、濃く、重く立ち込めていた。
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シャルロッテ姫殿下は、モフモフを抱き、その隠し扉の前に立った。彼女は、部屋の持つ、「閉鎖的な因習の重さ」と、中にいる存在の「愛への渇望」を、敏感に感知していた。
「ねえ、モフモフ。この扉、誰かの悲しい叫びが聞こえるよ」
アルベルト王子は、妹の安全を案じ、部屋への侵入を止めようとした。
「シャルロッテ。その扉の向こうは、王家の最も深い影だ。君の純粋な心には、触れさせるわけにはいかない」
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しかし、シャルロッテ姫殿下は、その影こそ、愛の光が必要な場所だと知っていた。
シャルロッテ姫殿下は、扉に触れた。そして、土属性と光属性の魔法を融合させた。
彼女の魔法は、扉の錠を物理的に開けるのではなく、扉そのものが持つ、「秘密を守らなければならないという、重い倫理観」を、優しく解放させた。
「扉さん。もう秘密を守らなくていいよ。みんなが、この秘密を、温かい愛で包んであげるから」
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扉は、静かに、音もなく開いた。
部屋の中は、窓がなく、薄暗いが、その中心には、美しい、しかしどこか異形の、幽閉された存在が座っていた。その存在は、外界の光を知らないが、純粋で、強い生命力を放っていた。
シャルロッテは、その異形の存在に、何の恐怖も抱かなかった。
彼女は、モフモフをその存在の膝の上にそっと置いた。
そして、共感魔法を応用した。彼女の魔力は、異形の存在の心に、「あなたが存在することは、美しい。あなたは、愛されている」という、無条件の肯定を、直接送り込んだ。
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異形の存在は、初めて受けた、無償の愛に、涙を流した。その涙は、王家の因習という名の、古い呪いを洗い流す、清らかな水となった。
アルベルト王子は、妹の行動に、王家の「業」が浄化されていくのを肌で感じた。
「シャル……。君は、王家の因習よりも、純粋な生命の尊厳が、遥かに価値があることを証明したのだな」
シャルロッテ姫殿下は、にっこり微笑んだ。
「えへへ。だって、秘密はね、みんなで分かち合うと、一番可愛いんだもん!」
王城の最も深い影は、シャルロッテ姫殿下の純粋な愛と献身によって、「生命の無条件の肯定」という、温かい光に満たされたのだった。




