表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【TS幼女転生王族スローライフ】姫殿下(三女)は今日も幸せ♪ ~ふわふわドレスと優しい家族に囲まれて★~  作者: 霧崎薫


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

207/330

第二百七話「王城のパンケーキと、家族が紡ぐ『早朝の協奏曲』」

 その日の朝は、王城の厨房は、いつもより早い時間から、温かい湯気と、甘い匂いに満ちていた。シャルロッテが、「家族全員で作る、世界一ふわふわなパンケーキ」を提案したからだ。


 それは、王族の地位や役割を離れ、「家族」という最も小さな共同体の協調性を試す、愛らしい試みだった。



 厨房では、家族全員が、それぞれの得意分野で、朝食の準備に取り掛かっていた。


 ルードヴィヒ国王は、王妃の指示を受け、巨大な暖炉の火加減を調整していた。彼は、時間魔法を応用し、火力の強さを、パンケーキが焦げ付かない、完璧な温度に維持する、最も重要な「縁の下の力持ち」の役割を担った。


 アルベルト王子は、正確な論理を活かし、小麦粉、牛乳、卵の分量を、ごく微細な誤差も許さないように計測し、完璧な配合を作り出した。


 フリードリヒ王子は、剣術で鍛えた腕力と情熱を、泡立て器に注ぎ込んだ。彼は、生地を驚くべき速さで、しかし優しく泡立て、パンケーキの「ふわふわ」の基盤を作った。


 マリアンネとイザベラは、保存魔法と水属性魔法を応用し、バターやシロップを、パンケーキに乗せる直前まで、最高の温度と鮮度に保った。



 そして、シャルロッテは、その全ての工程を、愛と光で包み込んだ。


 彼女は、フライパンに流し込む生地に、光属性魔法で、「美味しくなあれ! みんなの愛がいっぱいだよ!」という、無言の祝福を与えた。


 その光の魔法は、生地の一つ一つの分子に、「家族の協力と、感謝の気持ち」を染み込ませた。



 完成したパンケーキは、外はサクサク、中はふんわりとした、家族の愛の結晶のような、完璧な出来栄えだった。


 食卓で、家族全員が、自分たちの手で作ったパンケーキを口にした。それは、プロの料理人が作ったものよりも、遥かに温かく、美味しかった。


 ルードヴィヒ国王は、娘たちと息子たちの働きを見て、涙ぐんだ。


「ああ、君たちは、最高の協奏曲を奏でた! このパンケーキこそ、家族という、最も小さな王国の、最高の宝だ!」


 シャルロッテ姫殿下は、モフモフを抱き、にっこり微笑んだ。


「えへへ。だって、みんなで力を合わせて作ったら、ひとりで食べるよりも、百倍美味しくなるんだもん!」


 姫殿下の純粋な哲学は、王族の日常の営みの中に、「協力と感謝」という、最も温かい絆の価値を再認識させたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ