第二百六話「静かな草原と、姫殿下の『永遠の約束の深さ』」
その日の午後、王城の庭園の外れにある、誰も訪れない静かな草原は、太陽の光に照らされ、穏やかな空気に満ちていた。草花は、風に揺れることもなく、世界は、二つの存在に焦点を合わせているようだった。
それは、シャルロッテ姫殿下と、モフモフだ。
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シャルロッテ姫殿下は、モフモフを抱き、その草原の中央に座っていた。彼女は、ふと、心に一つの純粋で、根源的な問いを抱いた。
「ねえ、モフモフ。もし、わたしが、あなたよりもっと、可愛くないものになったら、どうする?」
それは、愛の形が、外見や能力といった「条件」によって変わるのか、という、究極の問いだった。
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モフモフは、シャルの膝の上で、頭を上げ、その大きな瞳で姫殿下を見つめた。モフモフは、言葉を話さない。しかし、シャルには、その瞳の奥に、「私は、あなたが誰であっても、あなたを愛する」という、揺るぎない感情の波動が見えた。
シャルロッテは、その愛の波動を、もっと確かめたくなった。
彼女は、変化魔法を、ごく微細に応用した。
「ね、モフモフ。もし、わたしが、この草原の、ただの小さな石ころになったら、どうする?」
姫殿下は、一瞬だけ、自分自身の存在を、冷たい、灰色の小さな石ころに変えた。
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モフモフは、主様が突然冷たい石ころに変わったことに、驚き、立ち上がった。しかし、モフモフは、逃げなかった。
モフモフは、その石ころに、そっと鼻先を近づけ、彼の全身から溢れる、温かい愛の魔力を、石ころへと送り込み始めた。その愛は、石ころの冷たさを気にせず、ただ、「そこに存在していること」を、無条件に肯定していた。
その愛の魔力に触れた石ころは、一瞬で、シャルロッテ姫殿下の姿へと戻った。
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シャルロッテ姫殿下は、モフモフの献身的な愛に、涙ぐんだ。彼女は、愛が、外見や形といった「条件」に縛られない、最も根源的な力であることを、身をもって知った。
「モフモフ……。ありがとう。あなたは、私の存在の全てを、愛してくれたのね」
シャルロッテ姫殿下は、モフモフを抱きしめ、光属性魔法を使った。彼女の愛の光は、草原全体に広がり、「愛は、形を変えても、永遠に変わらない」という、静かで美しい祝福を与えた。
モフモフは、シャルの献身的な愛を受け、「もう二度と、主様から離れない」という、永遠の約束を、心の中で誓ったのだ。
静かな草原は、二人の純粋で、永遠の愛に満たされたのだった。




