第百七十七話「王城の『知恵比べ横断』と、負け残りクッキーの法則」
その日の王城では、ルードヴィヒ国王主催による、「王家の知恵と体力と運の限界」を試す、大がかりな大会が開催されていた。王族、貴族、側近が参加し、最後の「勝利」を目指すというものだ。
大会の目的は、「王族の資質を試すこと」だが、実態は、シャルロッテ姫殿下の「退屈な日常を、もっと面白おかしくする遊び」という、純粋な願望にも基づいていた。
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【第一関門:記憶の試練】
最初の試練は、「王城の蔵書すべてから、ランダムに選ばれた古書の、ページの隅に描かれた落書きの作者を当てる」という、非論理的な記憶力勝負だった。
マリアンネ王女は、論理的な分類を試みるが、アルベルト王子は、「落書きの筆致の微細な感情」を読み解くという、直感的な知恵で正解を連発。マリアンネは、一問目で早くも敗退の危機に瀕した。
この大会のユーモラスなルールとして、敗退した者には、「最上級の、温かい、焼きたてのクッキー」が与えられ、観客席で優雅に観戦することが許されていた。
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【第二関門:行動の試練と、モフモフの介入】
次の試練は、広大な庭園に隠された、「幸せのパステルリボン」を、最も早く、優雅に探し出す競争。体力と運、そして「可愛い」への嗅覚が試される。
フリードリヒ王子は、騎士の体力で圧倒的なリードを奪ったが、「可愛い」という概念が対する感性が弱かったため、ただの目立つリボンに騙され、時間ロス。対照的に、シャルロッテ姫殿下の愛の波動を常に浴びているモフモフは、「純粋な愛の魔力」が集中している場所に導かれ、最も早く「幸せのパステルリボン」を発見した。
しかし、フリードリヒは、見つけたリボン(※幸せのパステルリボンではない!)を、妹に優雅に手渡すという、騎士の美学を優先したため、失格となった。しかし彼は、「負け残りクッキー」をもらい、妹の勝利を喜んだのだ。
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【最終関門:孤独と愛の試練】
最終関門に残ったのは、アルベルト王子と、執事オスカー、そして、挑戦者の貴族一名。試練は、「王城の最も孤独な場所で、自らの存在意義を、最も愛らしく表現する」という、哲学的で過酷なものだった。
貴族は、過去の功績を並べたが、それは虚栄心からくるもので、審査員であるルードヴィヒ国王の心を動かせなかった。
アルベルト王子は、「王位継承者としての、責任と愛」を、静かに語り、審査員の心を打った。
オスカー執事は、「姫殿下の喜びのために、影として奉仕することこそ、私の存在意義です」と、愛と献身を静かに表現し、ルードヴィヒ国王の涙を誘った。
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結果、オスカー執事が僅差で勝利し、「王家の最も愛らしい従者」の栄誉を手に入れた。
敗退したアルベルト王子は、「負け残りクッキー」をもらい、妹の隣で観戦していた。
「勝負には負けたが、シャル、このクッキーは、どんな勝利の報酬よりも、甘く感じるぞ」
シャルロッテは、モフモフを抱き、にっこり微笑んだ。
「えへへ。だって、この大会はね、『勝つこと』じゃなくて、『負けても、みんなで楽しくクッキーを食べること』が、一番の目的なんだもん!」
「王家の知恵比べ横断」は、勝敗を超えた、愛とユーモア、そして「負け残りの幸福」に満ちた、温かい一日となったのだった。




