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06 足音

次の朝、僕は窓から入ってくる朝日で目が覚めた。

外から足音が聞こえてきた。

恐らく僕の牢屋の見張りをしていた綾さんだろう。

「綾さんですか?」僕は扉の向こうにいるであろう綾に声をかけた。

だが、返事が聞こえてこない。

「綾さん?」

するとしばらくして声が聞こえてきた。だが、その声は僕が想像していた人物のものではなかった。

「こんにちは、古都くん。」

どこかで見たことがあると思っていたら、裁判の時にいた銀髪の髪の人だった。

最後に目が合ったように感じた人だ。

歳は二代前半ぐらいだろうか?

そんなことを考えていると、牢屋の鍵が開いて彼が中に入ってきていた。

「綾さんはどこへ行ったんですか?」

「ああ、綾は会議に参加していて、今はここにいないよ。それが終わったら、すぐに連れてくるから。」

「ありがとうございます。」

彼は牢屋の扉にもたれかかって、僕を見た。

「気分はどうだい?」

「はい、大丈夫です。ありがとうございます。」

「そうか、心配だったんだよ。君の意識がないときに、私がずっと世話をしてきたからね。」

「そうだったんですか……。なんで僕にそこまでしてくれるんですか?」

「古都君……。なんでそんなことを聞くのかな?」

僕はその言葉に少し違和感を覚えた。

綾さんは僕の身元は警察が総出で探しても見つからなかったと言っていた。

それなのに……なんで俺の名前を知っているんだろう。

「なんで……僕の名前を知っているんですか。」

誰も何も言わなかった。

「なんで……」

「古都君……この世界では、何も知らず笑っているほうが幸せなんだよ。」

「僕……怖いんです。何も覚えていないんです。僕が何をしたんですか。教えてくださいよ。これからどこに連れていかれるんですか。」

「……君にチャンスをあげようと思う。裏社会のトップにいる悪江家を滅ぼしてきてくれ。そうすれば、すべて教えてあげる。君の過去もすべて。悪い取引じゃないだろう?」

彼は小さく微笑んだ。

「自己紹介がまだだったね。ぼくは『蒼 羅紗』。そしてこっちは菊で、ぼくのドレイだ。どうぞよろしく。」

彼は僕に少しずつ近づいてきた。

そして、彼は僕の髪に優しく触れた。

「そういえば言い忘れていたけれど、僕の異能は電気だ。うまく使えば、人体に電気ショックを与えて気絶されることもできるんだよ。…こんなふうに」

彼は僕の手首をつかんだ。

あまりに無理やりつかまれたせいか、僕の手首に鈍い痛みが走った。

「い……痛い。」

「動かないで、じっとして。」

僕の指先から電気が流れてくるのが分かった。それが体の中を流れていくような感じがする。それが通るたびに、僕の体に激痛が走る。

少しずつ、意識が薄れていった。

「全部終わったら、もう一度会おう。」

もう、意識が・・・・・・

頭がズキズキする。

まるで、闇に飲み込まれていくような気分だった。

僕はいったい、誰なんだ。

そのことを最後に、僕は意識を失った

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