笑いは綺麗に汚すもの
人を見たら、まず、疑え。人を見たら泥棒だと思え。そんな生き方をしたくはない。俺は鏡に向かって、歯を磨く。俺が父ちゃんになるのか。相方。あいつ、五つ子のパパ。嘘だろう。人生共同。ハッタリ、ハッタリ。一号二号。煙草。また、値上がりかよ。洛陽はしないけど、財布には5000円。あっ、着信音。劇場、支配人から。
「ハッタリさん、明日、朝五時に劇場に来れますか」
「いや、僕は行けますが、あいつ、相方が来れるかは、わかりません」
「わかりました。では、相方様には、私から連絡しておきます」
「あ、助かります。すみません」
今日は徹夜か。コーヒーでも買いに行くか。美由紀の寝顔を見て笑う、俺。
「あ、ハッタリさん。この前はサインしてくださって」
「俺なんて、中途半端な芸人だよ」
「そんなことは、ないですよ」
ああだこうだ。と。コンビニで立ち話。俺って芸人なんだ。それにしても、のどが渇く。タメイキヒトツ。相方か。そういえば、喫茶店のマスター。俺がハッタリ一号に改名したことは知っているのか。人生巻き戻し。ネタ帳。ATMにカードを入れる。残高照会。増えてた。また、あいつか。銀行ってなんだ。これをネタにしないかと、思うのであった。
「もしもし」
「もしもし」
あいつも徹夜かよ。五つ子のパパになることが嘘だと。嘘吐いて、すまないと。俺、売れっ子。




