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第5話

どこだ、ここ

綺麗なお姉さん登場!

ヒロインですか?(いいえ、違います)

「おや、目が覚めたんだね…良かったよ」

優しそうな笑顔だ。


「・・・・・・・」

綺麗だな…そう思いながらジッと見つめているとどことなく違和感が…あ、耳が…長い…もしかしてエルフ?


「あら、そんなに羨望的な眼差しで私を見つめて…どうしたのかしら?」

そう言われて思いっきりガン見してた事に気がつく。


「あ、す…すみません…こんなに綺麗な方を見たのが初めてだったので…」

嘘ではない。俺は前の世界でもこんな美女は見たことがない。

前の世界にいたら芸能人に確実にスカウトされるであろう…それくらいの美人だ。


「あら、ありがとう♪でもあなたはこの銀髪が怖くないのかしら?」

そう言いながら腰の辺りまで伸びた綺麗な銀髪を靡かせる。

「とても綺麗だな…とは思いますが怖くはないです」

素直に感想を述べる俺。

「それに私、エルフなんだけど…」

あ、やっぱりエルフなんだ…ラノベとかに書いてあったの本当だったんたなぁと思っていたらライムが

『ゴシュジン、コノエルフ…コワイ』

と俺の肩で震えだした。


「え?ライム、この美人が怖いのか?」


と、つい声に出して聞き返してしまった。するとエルフのお姉さんは

「あら、あなたの従魔は私の魔力(ちから)が分かるのね…」

そう言いながら微笑を浮かべる。


氷の微笑…そんな形容詞が似合いそうな微笑だった


「私の名前は、セレスティア=ニルヴァール、周りの連中は私の事を銀の霧の魔女、シルバーミストラルって呼ぶわ」


「あ、ご丁寧にありがとうございます。俺…いや、僕は小笠原陸。ここに来て間もない者です。改めて助けて頂きありがとうございました。」

と頭を下げて礼を言うと、目の前のエルフの美人のお姉さんセレスティアさんは

「こ、この私に礼を言う人間なんて初めてだね…あんた何者だい?」

ポカーンとした顔で俺を見て言う。


あれ?なんで?普通お礼を言う場面じゃないの?なんかズレてる気がするのは気のせいかな…


するとセレスティアさんの後ろから

「ティア、どうやらこの人種(ひとしゅ)は貴女の事、知らないみたいですよ?それに纏っている魔力が私の知る人種(ひとしゅ)の魔力とは異なります」

鮮やかなオレンジ色のセミロングの髪で背は160cmくらいのロングスカートにエプロンドレスと言うクラシックスタイルのメイド服を着た、これまたスタイルの良い美人のお姉さんが登場です。

「オリヴィエ、それ本当?」

「ええ、まず貴女の姿を見ても驚かないし、シルバーミストラルの名前を聞いても怖がりもしないもの…少なくともこの大陸で貴女の異名を知らない人はそんなにいないはずよ?」

そんなもの?みたいな顔で俺を見ているセレスティアさん。

「はい、そちらのお姉さん…オリヴィエさん?が仰るように、俺…いや僕は貴女の事を知りません。ここには初めて来たのでもしもセレスティアさんが高貴な方で何か僕が無礼を働いたのであればお詫びします。 」

そう言って頭を下げて謝る俺に、セレスティアさんは

「あ、あたしがこ、高貴な方ぁ?アッハッハッ」

と、大声で笑いだした。

オリヴィエさんもクスクスと口元に手を充てて笑っている。

「ごめんなさい、まさかそんな言葉が返ってくるなんて思わなかったから…

そうね、オリヴィエの言う通りどうやら本当にあたしの事を知らないみたいね。

まぁ、あたしはあんな異名には拘らないし、あなたの言う高貴な方なんてそんな大層なモノじゃないわ!

だから謝る必要はないわよ?ところで…」

急に真顔になって俺と肩に止まっているライムを見つめるセレスティアさん。


「あなたは何者なのかしら?このあたしの結界をいとも簡単に壊せる人なんてそうはいないと思うのだけど、それにそのスライム…」

俺達を見る目は先程の優しそうな目から一変して獲物を見つめる獰猛な獣の目に変わっていた。


ウソをつくよりここは素直に全部話した方が良いのか?でも本当の事を話したとして信じて貰えるのかも分からないしなぁ…でもこのセレスティアさんは信じても良い…そんな気がする。


「信じて貰えないかもしれませんが…」

そう言って話をしようとした時、オリヴィエさんが

「ティア、話が長くなりそうな感じなのでリビングで落ち着いて話を聞きましょう」

と言って踵を返して部屋を出ていく。

「そうね、オガッササワラリリンク君…だっけ?こっちで話しましょうか」

とおいでおいでをして部屋を出ていく…

「小笠原陸です…って聞いてない!?」

と言いながら俺はセレスティアさんを追っていった。



「と言う事で、今ここにいる状態です」

リビングで出されたお茶を飲みながら転移してきた経緯と今までの粗方の行動を話し終えた俺。


「ふぅん…魔法じゃなく科学とやらが発達した世界からの転移、それに魔素の飽和…ねぇ…」

と椅子に座って背もたれに寄り掛かって腕を組みながら天井の方に頭を上げて何やら考えている様子のセレスティアさん。

オリヴィエさんは考え込んでるセレスティアさんの隣で俺、と言うよりライムを興味深そうに見ている。

俺は

(エルフが貧乳って所詮絵空事なんだな…)

と、考え込んでるセレスティアさんの胸がラノベとかではデフォの貧乳じゃなく、結構大きいなぁ…なんて事を思いながら見ていた。

べ、別にガン見はしていないぞ!あくまでこっそりとだ…


「…と言う事は陸君は、どこかに急いで行く…って事はないのよね?」

そう言いつつ天井に向けていた頭を俺の方に向けてくる。

いきなり話を変えてきたな…

「え、ええ…そうですね。これから先の事は全く決まっていないです」


それを聞いたセレスティアさんは両手を胸の前でパン!と合わせて…

「じゃあ、ここに住んでみない?陸君はこの世界の事何も知らないんでしょ?だからこの世界の事や、あたしの持ってる技や技術をあなたに教えてあげる!その代わり陸君にはあなたの持っている知識や経験をあたしに教えて欲しいの!どう?」

ちょっと早口で、そしてニッコニコな笑顔でそう提案してきたセレスティアさん。


オリヴィエさんは、やっぱりこうなったか…みたいな顔で俺とセレスティアさんを交互に見ている。


だがそれはこちらとしてはありがたい申し出だ。

この世界の事を何も知らないのだから、この世界の事を知るには誰かに教えて貰うのが一番だしな…

それにあのセレスティアさんの笑顔とオリヴィエさんの顔を見る限り、拒否権はなさそうだ…


「分かりました、セレスティアさん…いや師匠(せんせい)、この世界の事、僕…いや、俺に教えて下さい!」


起立して頭を下げる俺。

「交渉成立ぅ♪よろしくね、陸君!」


こうして俺にこの世界での師匠(せんせい)が出来ました。


エルフとメイドさんのご登場ですが

メインヒロインの登場はまだだいぶ先です。

すみません…


お読み頂き、ありがとうございます。

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