どう愛でで貰う
それから皆で豊穣たちが作ったすき焼きを食べ特に問題なく花さんの親との対面は終わった。
食材はおばさんが事前に用意したもの。
この展開をおばさんを予測していたのだ。
食後おじさんはうんざりしたような顔で今までの俺でも知らない花さんのダメダメエピソードを語り、娘をよろしく頼むと手をきつく握ってきた。
教師で教頭という地位にいるのだからこの関係をとがめられ一悶着あるかと思ったが、花さんのだめだめすぎるエピソードを聞いて納得。
普通に洗濯以外の家事全滅じゃねーか。
分かってはいたけど、親公認とはこりゃ嫁の貰い手ねぇよ。
お見合いしても夫に愛想つかれるのは目に見えている。
こう言って話悪いが料理が全くできない、掃除が全くできない、かたずけが全くできない、ずぼらの4つが揃ったらそりゃね。
「そんなわけでダリーンこれからよろしくね♪」
「分かりましたけど、学校ではおとなしくしてくださいよ!」
「大丈夫さ! 何かあっても九条院さんの権力と木下さんの絶大なコネでもみ消しできるさ!」
「確かにそうですけど。面倒事はごめんですよ!」
「大丈夫です。何かあったら権力を使って全力でもみ消しますので安心してくだい!」
「そう……です……学校……の……上の……方々……へ……の……根回し……は……終了……してい……ます……何時……問題……が……起き……ても……大丈夫……です」
「木下さんと九条院さんさすがね! これで私たちの日常は安泰ね!」
「ゲロそうね!」
「それならいいのか?」
日常が安泰と言われて嬉しはずなのになぜか納得できない。
ツッコミが取り柄なだけの俺にはもったいない女性が集まったものだ。
多分そこの自分の無力感が心に引っかかっているのだろう。
俺をこいつらにふさわしい男にならないとな。
「何難しい顔しているのよ! 貴方は私達とイチャコラしていればいいの! 身も心も私たちの虜になりなさい! それでオッケーなのよ!」
「そうはいかんだろ最後に一人選ぶのに」
「いいから貴方は私達と仲を深めなさい! 選ぶのはそれからよ! 親密にならないと選べないでしょ!」
「まぁ確かにそうかもしれんな」
「そうだからまず私を愛でなさい!」
「ずるいです! 屏風さん私も愛でで欲しいです!」
「私……も……です」
「ゲロそうね!」
またこのノリか、別に悪い気はしないけど。
甘すぎて砂糖を吐きそうだぜ。
「でっどう金緑に愛でて貰うかしら! 意見ある人!」




