84.錬金術士魔大陸上陸
その後はアダマンティータートルのうえでのんびり過ごした。
船に乗っていたときはスピードが速すぎてできなかった釣りをしたり、棹はカーボン製だ。
アダマンティータートルの掃除をしたり、体に付着したフジツボみたいなものを取るとか。
アダマンティータートルとも仲良くなった。
普段というかここ1000年誰かと話すことがなかったのでアダマンティータートルも嬉しそうだ。
いろいろ昔の話しも聞かせてもらった。
人族と魔族の交流があった頃は2つの種族の国の中間辺りにアダマンティータートルが10年に一度やって来て、アダマンタイトを採集していたそうだ。大きな地割れにより中間地点が水没してしまいそれからは誰もアダマンタイト採集にこれなくなったので、それ以来、1000年ぶりに俺たちがたまたまやってきたというわけだ。
魔核についても聞いてみた。ゴーレム制作の役に立つからと思ったからだ。
魔核というのは魔素が凝縮されたものだが凝縮される過程で何らかの因子が加わるとその性質を変容させる。
例えば純粋に魔素だけ集めればエーテルになるが、そこに負の感情が混ざり、朽ちた肉体とともに凝縮されると魔物になる。
感情が作用するというところがよくわからないが、人の手で魔物的なものが作れるか聞いたら可能だろうということだった。
要は魔素を凝縮させる際、魔素を核としてなんらかの媒体を準備し、そこになんらかの精神的なエネルギーを注ぎ込む、ということのようだ。
やはり人的に制作するには精神的なエネルギー、つまり魔法的な要素が必要になる、ということだろう。
ゴーレムを作れるようになるまで、少しづつ練習をしておこう。
それから10日ほどで魔大陸が見えてきた。
名残惜しいがここでお別れだ。
「楽しかったです。ありがとうございました」
『うむ、儂もじゃ。100年経たんでもいいから、また遊びに来てくれ。同じ道を往復しとるからな』
「はい、いつになるかわかりませんが、帰りにまた寄らせてもらいます」
こうして俺たちは魔大陸に上陸した。
「ザクロ、ダークエルフの村はどこかわかるか」
「はい、えっと、わからないです」
「え?」
「あの、ここがどこかわからないです。村は悪魔族の国の近くなんで、悪魔族の国までいければ」
「ならファルコンに乗って一番近い街を探そう」
今俺たちがいるのは魔大陸の西の端。魔大陸がどれくらい大きいかわからんが、ファルコンがいればなんとかなるだろう。
ファルコンが高く飛びあがると遠くに街らしいものが見えた。
「よし、ファルコン。とりあえずあそこに行こう」
『バウ!オレ行く!すぐ着く!』
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