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6.錬金術士ドワーフの村へ行く


俺は村への道中大変な事に気づいていた。

無一文なのだ。

家出した娘を連れ帰ったとなれば晩飯をご馳走になるくらいはいいだろう。

しかしそのまま居着くわけにも行くまい。

宿なり何なりで寝泊まりしなければならない。

そもそも宿があるのか?

「ねえ、村には宿とかあるのかな?」

「ある」

「そか、そうだよね。人族が装備の買い付けに来るとかいってたもんね。

泊まるのに幾らくらいかかるのかなぁ?」

じーっと俺を見るピピ。

「ドワーフの宿は無料」

何?

18禁の祭りに参加したうえ宿泊代もかからないのか?

「それってどれ位泊まれるのかな?」

「体力次第」

「体力?ああ、ただで泊まる代わりにやっぱり働いたりしなくちゃいけないのか」

結局訳がわからないままドワーフの村に着いてしまった。

以外と近いのね。


俺は廃坑の反対側から入ったみたいで

入口からは村まで一時間もかからない距離だった。

遠くに見えた村からは煙が上がり

村に近づくとトンテンカントンテンカンという音が漏れ聞こえてくる。

ドワーフの村は石造りの家並みが乱雑に並んでいて思っていたよりだいぶ立派な感じがした。


入口は広く取られ、入るとさらに広場のように広がっていた。

一際大きな建物が入口のすぐ右手にある。

俺達が村に入っても特に誰も気にしていないようだ。

キョロキョロしているとピピが教えてくれた。

「ここ工房」

町から来る商人が荷物を運ぶなら入り口に近い方が便利だな。


そこではずんぐりむっくりのドワーフの男達がせわしなく働いていた。

「きて」

そう言うとピピは工房の中に入って行く。



それにしてもそこで働くドワーフ達はホントに俺たちのことを気にしない。

近くを通ればちらっとは見るがすぐに自分たちの仕事を続ける。

石を運ぶ者、炉に火を焼べる者、武器を打つもの。

ちなみに炉の脇には顔の平べったい体調1m位のトカゲのようなものがいて火を噴いていた。

あれってサラマンダーだろうか。魔法生物(?)もいるのね。

そんなドワーフ達を避けながらピピは進み、一際大きな、といっても身長でいえばせいぜい160cmあるかないかだが、幅の広いドワーフに声をかけた。

「親方」

「ん?ピピか。随分と早いお戻りだな。もうちっと根性あるかと思ったがもう諦めたか?」

「客人」

そう言うと俺をアゴで指す。


「どうも」

「なんだ、客人か。よく来たな」

ドワーフというと余所者を受け付けないとかあるかと思ったのだが、どうやらそうでもなさそうだ。ちょっと一安心。

「道に迷ったって」

「がはははは。こんなところで道に迷う奴なんかいるか。わざわざこの村を訪ねてきたんだろ?」

「ドワーフの村のこと知らないみたい」

「ドワーフの村を知らない人族が村の近くで道に迷ってたっていうのか?兄ちゃん若いからって恥ずかしがるな。全く人族っていうのはメンドクセーな」

「宿行く」

「おう案内してやれ。久々の客人だからな。だが兄ちゃん独りで乗り込んで来るんだから、自信はあるんだよな?」

「え?いえ、その」

「行く」

ピピに促されて来た道を戻る。

「随分痩せてるが、大丈夫か?うまいもんでも食わせてやれ!ミミにもよく言っとけよ!」

俺達の背中に親方(?)が声を掛ける。



工房を抜けてその正面にある建物に入る。

「こっち宿」

工房の向かいが宿屋。

商人が来たらそのまま泊まるんだろう。

なかなか効率的に出来てる。

「あら、ピピ。やっと諦めたの?」

「客人」

受付のドワーフの女性、年の頃なら40歳位だろうか(ドワーフの年齢なんてわからないが)ちょっと色気がある感じのドワーフのお姉さんだ。

そんなお姉さんを無視してピピが告げる。

「え?わー!ホントだ!お兄さん、泊まって行くんでしょ!」

「あ、はい。お願いします。」

「はいはい、お願いされました!あたしでもいいのかしら」

「ミミ、ご飯。」

「あら、ピピちゃんも食べるの?」

「あたしが連れてきた」

「はいはい、奥で待ってて、すぐ用意するわ」

そのまま奥の食堂のような所に2人で入る。


さすがに椅子やテーブルは木製だった。

よかった。これならベッドか石製ってことはないだろう。

布団は期待できないけどゆっくり寝たいからな。

ご飯を食べたらとにかく早く寝たい。



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