29.錬金術士猫を鍛える
その日はミケの実力を試すことにした。
ある程度役に立つならそれでよし。
ダメなら、
ローザンヌさんの所に預けるか。
折角だから冒険者組合の依頼に挑戦してみようと思い、掲示板を確認する。
右側が初級と中級。左側が上級だ。
「上級でも中級の依頼を受けてもいんですか?」
受付聞いてみる。
「はい、構いませんが上級以上の方が受けても点数は加算されません」
中級冒険者達が上級に寄生して点数稼げないようになってるんだな、まあ、そうか。
「ピピ、ミケの実力試すのに、どの依頼がいいかな」
「ん、死んでもいい?」
「いいかな」
「うにゃーー!ダメですにゃ。こ、これなんかどうですか。野生の兎の狩猟。これなら頑張りますにゃ!」
「じゃあ、これ」
ピピが選んだのは野生の猪の狩猟だ。
「そ、そっちは上級の依頼ですにゃ。ああ残念だなぁ。ウチはまだ中級冒険者にゃ」
「上級の依頼を上級と中級で受けたらどうなります?」
「はい、その場合中級の方にも点数は入りますが減算されます」
「よし、行こうか」
受付で依頼を受ける手続きをして冒険者組合を出る。
「ま、待つのにゃ。野生の猪は危険なのにゃ。突撃されて牙で突かれて…」
「ピピ、場所は」
「西の森」
「よし、急ごう」
逃げるかもと思ったミケは渋々ついてきた。
「そういえばミケの武器は?」
「短剣にゃ。二刀流にゃ」
「ちょっと見せて」
「はいにゃ」
鋼の短剣。使い込まれてるが、あまり手入れされてない。
切れ味悪そうだな。
森へ向かいながら新しい短剣を作る。
魔溜まりで収穫したプラチナを使ってみよう。
「こっち使え」
「ふにゃ!こ、これって」
「白金の短剣だ」
「ご、ご主人様。ウチにこんな高価なものを?」
「売ったら即奴隷商館行きだからな」
「え、いやだにゃー。そんなことするわけないじゃにゃいですかー」
お前目が泳いでるぞ。
しばらく森を進むと運よく猪発見。体長2mくらい。デカイな。
「よし、行け」
「ご主人様、手伝ってくれるんですよね?」
俺がグイッとミケを押し出す。
すかさずピピか猪に向かって石を投げた。
振り返る猪。痛かったみたいでかなり怒ってる。
「ふにゃ」
結構な勢いで突っ込んできた。
「ふにゃー!」
さっと避けるミケ。
すぐさま方向転換して再び突進する猪。
それも躱すミケ。
コイツなかなかすばしこいな。
「どうだ!ピピ」
「ん、避けるのは上手い」
でも避けるばっかりじゃなあ。
「ミケ、避けた瞬間に攻撃だ」
「そんにゃこと言ったって」
「そいつ倒したら報酬は全部お前にやる」
「にゃに!」
それを聞いてミケの目が一瞬光る。
「やってやるにゃー!」
ミケが短剣を構える。
「あ、もう一匹来た」
「おーい、もう一匹来たぞー」
ミケは前後の猪に挟まれた。
「ふにゃにゃ」
「やったなー、報酬2倍になったぞー」
「や、やって、やるにゃ」
同時に突進する猪。
先に近づいた猪を紙一重で躱し短剣で首元を斬りつける。
「あ、ヤバいかな」
そこへ2匹目が突っ込む。
ミケはそれを飛び上がって躱し、そのまま上から短剣を突き刺した。
「やったにゃ!」
「なかなかやるなぁ」
「やればできる子にゃ!」
「よーし次はピピと実践ー」
「ん」
「にゃ?」
モーニングスターで殴り掛かるピピ。
「にゃ、にゃ、死ぬ、死ぬ」
その後30分程ミケはピピの攻撃を見事に避け続けた。
休憩を挟みながらピピとミケの実戦訓練を繰り返す。
ミケは見事にピピの攻撃を避け続けた。
後半はピピも結構本気だったように思う。
俺もムチムチソードで参加してみた。
といっても足に絡ませて転ばせたり、耳をくすぐったりしただけだが、流石にその時はピピの攻撃を受けそうになり寸止めされていた。
街への帰り道ミケは文句を言い続けた。
「非道いですにゃ、猪ちゃんと倒したのに!」
「実力を試すって言っただろ」
「ピピ姉さんは本気でしたにゃ、目が殺す気でしたにゃ!」
「ちゃんと寸止めした」
「帰ったら仲間になったお祝いしてやるから」
「にゃ!ウチの為にお祝い?」
「ああ、依頼達成して報酬入るからな」
「うにゃー!報酬はウチにくれるって言ったにゃー!」




