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20.錬金術士男と男の相談


そんなこんなで俺達は中級冒険者に昇級した。

ピピは不満げだか本来ならお前は初級だぞ、絶対。

ただチェダーさんからは本当の実力が知りたいからということで、街に一番近い魔溜まりの調査を頼まれた。

これは討伐が目的ではなく、現在魔溜まりにどんな魔物か湧いているか、組合で定期的に調査しているそうだ。それを俺達にやらせることにより、他の冒険者からのやっかみも減るだろうという心遣いでもあるそうだ。

因みに死んでも知らないからそのつもりで、ということだ。


「魔物倒してもいい?」

脳天気なピピは相変わらずだ。

「もちろん雑魚は倒しちまってかまわねぇよ。魔核の欠片は買い取ってやる」

「ん」

「欠片でも価値はあるんですね」

「冒険者に貢献度あるように、組合にも貢献度があるんだ。国に欠片を納めれば組合の貢献度が上がるんだよ。もちろん壊れてない魔核なら貢献度も大きい。魔核が何の役に立つのかについてはよくわからねぇがな」

「壊れてない魔核だったら幾ら位になりますか?」

「おいおいそう言って挑戦したヤツは間違いなく死んでる。無理はしねぇこった」

「でも、わたぶわっ」

余計なことをいいそうになるピピの口は塞いでおく。

「そうですよねぇ。死んじゃったらそれで全部終わりですもんねえ」


「話は変わるんですがポーションって売ってます?」

「お、いい心掛けじゃねえか。金がねえからって準備もしねえで結局死んじまったヤツはイヤってほど見てきたからな。もちろん組合にも売ってるぜ。1本銀貨2枚だ」

「結構するんですね」

「街の道具屋に行けばもっと高級な物も売ってるぜ。」

「何が違うんですか」

「さあ」

「え?」

「ポーションを飲めば元気になるのは間違いねえ。質が良ければ怪我も治る。ただ怪我まで治る程のポーションはかなり値が張る。銀貨5枚くらいだろう。もっといいもんだと塗るだけで傷が癒えるってはなしだ」

なるほど、濃度50%が一般的かと思ったが粗悪品も結構あるみたいだな。

つければ傷が癒えるのはほぼ100%聖素ってことか。

作って売れば丸儲けだな。


「ポーションはエルフしか作れないって聞いたんですけど」

「ああ、原液だな。そのまま飲んだら濃すぎて死んじまうらしいが」

「ってことは原液の濃さで値段が違うってことですか?」

「まあ、そういうこった」

「この街にエルフはいるんですか?」

「いるにはいるがポーションは作れねえらしいぜ。何でもエルフの秘法とかでポーションを作る場所もかなり限られてるそうだ。まあ、だから高級だってわけだけどな」

「なるほど、参考になりました。ありがとうございます」

作るのはエルフでも売るのは人って事だ。これなら売ることは可能だな。

「ピピ、下の掲示板で何か儲かりそうな依頼がないか見てきてくれるか」

「ん」

チェダーさんの話しに退屈していたピピはすぐに部屋を出て行った。


「さて、チェダーさん。ここからは男と男の相談です」

「ん?なんだ?」

「僕こんな大きな街に来たの初めてなんですけど、娼館とかありますよね?」

「なんだなんだ、わかってるじゃねえか。最近の若い冒険者はそっち方面に行きたがらなくてな。」

「チェダーさん詳しいんですか?」

「当たりめえだろ。俺に任せておけ。英雄色を好むってな」


チェダーさんが英雄かどうかはともかく、こういうのは地元の詳しい人に聞くに限る。

「お前さん、色々行ける口かい?」

「はい、せっかくだから冒険しようと思います。あ、でもドワーフは間に合ってるんでそれ以外で。」

その後チェダーさんに色々教えてもらった。

まず大事なのは娼館組合に登録している店であること。それだけである程度安心安全が保証される。

それでも当たり外れはあるんでそこは自分で開拓していくしかないらしい。

システムはどこもだいたい同じで、今でいうキャバクラみたいな店で、気に入った子がいればそのまま別室へ、という流れらしい。

別室に行かなくても問題ないらしく、女の子に断られることもあるそうだ。

江戸時代の遊郭に近いかもしれない。


外れが比較的ないというお勧めのお店を3件教えて貰った。

ちょっと期待してしてたんだか流石にエルフの嬢はどこにもいないらしい。


「ああそうだ。トネリコさんに護衛で雇われた5人いましたよね」

「ああ、あれは残念だったな」

「あの人達の護衛料っていくらだったんですか」

「ん?一人金貨1枚だが」

「結構な金額ですねえ」

「まあ場所にもよるが命懸けだからな。実際今回はこんなことになっちまったし。」

「あの人達、家族とかいるんですかね」

「さあ、知らねえな。何でだ?」

「いえ、トネリコさんに彼らの分の護衛料貰ったんですけど、ホントに自分が貰っちゃっていいのかなと思って」

チェダーさんはちょっと考えていた、というか言葉を選んでいるようだ。

「あいつらも曲がりなりにも冒険者だ。これくらいのことは覚悟していた筈だし、覚悟がないならそれは冒険者失格だ。死んじまった奴らに情けは無用だよ。どうしてもってんなら、それこそ娼館で豪遊してそれを供養代わりにでもしてやれよ」

「そうですか。変なこと言ってすいません」

「いや、いいってことよ」

「あ、最後にお勧めの宿ってありますか」



「ピピ、行くぞ」

「ん」

「取り敢えず宿を決めよう。チェダーさんに紹介してもらったから」


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