13.錬金術士ドワーフ村の改革
3日目の午後
ドワーフたちの仕事も目処が付きそうなので親方に時間を作ってもらい一緒に宿屋まで来てもらった。
「早速ですが、夜のあれなんですけど」
俺はこのままだと本当に誰もここに来なくなること、放っておけば種族存続の危機であることを説明した。
「そんなことはわかってるんだけどよ、どうしようもねえだろう」
それほど危機感がない感じの親方。まあ俺もそれほど肩入れすることもないんだけど、一宿一飯あんどもあの恩義がある。
「だからもっと来たくなる宿にすればいいんですよ。それとドワーフ内でもちゃんと子作りする制度をつくらないとダメです」
「なんかいい方法でもあるのか」
そこで俺の性産業に関する知識を総動員して新しいドワーフのお宿の案をだした。
「まず、無理やりは絶対ダメです。
お客さんにはまた来たいと思わせないといけません。
きたお客さんの希望を最大限かなえてあげてください。
幸い食事はおいしいのでそれはそのままでいいです。
ただお酒はほどほどに。飲みすぎてできなくなっちゃったら本末転倒です。
人族が手っ取り早いというのはその通りなんですけど、だからってなんでもいいわけではないんです。
人それぞれに好みはあるんで食事の際に、夜伽の相手を選ばせるのがいいと思います。
もし一人しか選ばなくても、それはそれで認めてください。
選ばれた嬢も基本的に相手に合わせるようにしてください。
何度も言いますが、また来たいと思ってもらうことが大切です」
「嬢?」
「まあ、最後まで聞いてください。
人族が好きそうなパターンをいくつか用意しておきますので参考にしてください。
攻めが好き、受けが好き
強気な娘が好き、弱気な娘が好き
着衣が好き、全裸が好き
1回でいい、何度もしたい
眼鏡あり、なし
制服各種
「眼鏡?制服?」
「ああ、これはオプションですが、ここまでは無理ですね。気にしないでください。
最初はみんな戸惑うかもしれませんが情報をみんなで共有して、よりよい接客ができるようにがんばってください。」
「子供ができたらご褒美をあげるのはいいですが、これに加えて指名されたら何らかのご褒美をあげるのはどうでしょう。
これでみなさん指名されるために努力してくれると思います」
「それともう一つ
ドワーフの男性は順番でことにあたってください。
これは女性が指名するものとします。
断ってはいけません。
もし断ったら、仕事と酒を10日間やめさせるくらいの罰則をあたえてください」
「おいおい、随分厳しいな」
「いえ、これくらいやらないとやらないでしょ?
もちろん、指名されていなくても男性から誘うのは問題ありません。
二人の同意があるのであれば、一緒に住むのもありです」
「人族でいうところの結婚ってやつだな」
「そうです。よくご存じですね」
「いやあ、昔無理やり結婚制度を取り入れたんだが、うまくいかなかったんだ」
「それは無理やりだったからでしょう。なので二人の同意があれば結婚してもいいよ、位にしておきましょう」
「そういえば、生まれた子供は今までどうやって育ててたんですか?」
「生んだ女とあとは村の女みんなで育てるぞ」
「学校とかはないんですよね」
「貴族じゃあるめいし、学校なんか行くかよ。ある程度大きくなったら、男なら俺たちの手伝い、女なら女どもの手伝いだ」
「みんな一生この村で暮らすんですか」
「だいたいそうだが、街に店を持つ奴もいるし、稀にだが冒険者になるって村を出てくやつもいるぞ」
「なるほど。僕はこの村を出たら街にいくつもりです。そこでこの村の宿が変わったことを喧伝しますので、それまでにできるようにしてくださいね」
その後も細かいところを宿屋のミミさんと話して協力してもらえることになった。
ご褒美でモチベーションがどれくらい高まるかわからないのと、それで確執が生まれるんじゃないかと心配だったがそれは大丈夫そうだ。これもドワーフの気質なんだろう。
どちらかというと新しい試みをみんな楽しみにしているようだった。




