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平凡なメイドの私が王子様に求婚されました  作者: つきはな ゆめ
本編
3/23

3話 ロアン王子とメイドの私

「多分ここだよね?」


建物の中は似ているのが多いので、探すのに苦労しました。


私は軽くノックをしてから声を上げました。


「ロアン様ー。私です、マリーです」


様子を伺っていると、

中からロアン王子の声が聴こえてきて『入っていいぞ』

と言われたので入りました。


「お邪魔しますー・・・」

「よく来てくれたね、マリー」


ロアン王子の仕事部屋に入ったら棚にはぎっしりと本が並んでいたり、テーブルには沢山の書類が置かれていたり、色々と散乱していました。


つまり部屋が汚いと言う事です。

しかし、部屋の真ん中にある小さなテーブルと椅子の周りは綺麗に片付けていました。

きっと私が来るからそこだけは片付けたんでしょう。


「そんなに畏まらなくていいぞ。そこに座って、今ハーブティーを淹れるから」

「は、はい!」


あれ? 座っちゃったけど、私が淹れるべきでは無かったのかな?

まぁ、大丈夫よね。


「どうぞ、ローズヒップで良かったかな?」

「あ、ありがとうございます!」


ハーブティーを目の前に置いた後ロアン王子は私の向かえに座り、

優雅にハーブティーを飲んでいました。


その姿を眺めていたらまだ口を付けていない事に気が付かれ、

ロアン王子に言われました。


「あっ、マリーも飲んでいいぞ」

「は、はい! 頂きます!」


普段なら片手でティーカップを掴みますが、

ロアン王子の前なので失礼の無いように左手をカップに添えて飲みました。


「んー! 物凄く美味しい!」


あ、余りにもローズヒップが美味しかったので、

つい大きな声を出してしまいました。


「す、すみません! 私ったらはしたないですよね・・・」


これはやばいと思って口を手で押さえると、

ロアン王子が笑っていました。


「気にしなくて良いぞ。

君を招いたのは俺なんだからありのままで構わん」

「うー、はい・・・」


私って本当にドジっ子だなー・・・と反省しつつ、

疑問に思っていた質問をする事にしました。


「ロアン様、質問しても良いですか?」

「ん? 何だい」

「ロアン様はどうして私を招待してくれたんですか?」


そう、これが気になっていたのです。

新入りの歓迎でロアン王子が交流を深める為にいつもしているのかな?

と思ってましたが、私の考えていた予想の斜め上の応えが返ってきました。


「そうだな・・・君と話をして見たかったのが理由かな」

「え? 私とですか・・・」

「ああ。だから君の事をもっと教えてくれるかい」


私がメイドになった理由や、私の生まれ故郷の話、

そして趣味や世間話などをしてロアン王子とお茶会を楽しむ事が出来ました。


何でこんなに個人的な質問が多いのか分かりませんでしたが、

お茶会が終わって部屋を出ようとした時にロアン王子に言われました。


「そうだ、マリー。二人でいる時は俺の事を呼び捨てにしろ」

「え!? そ、そんな事出来る訳ないじゃないですか!?」


驚いて慌てていると、ロアン王子に追い打ちを掛けられました。


「もっとマリーと親しくなりたいんだ。 ダメかい?」


ロアン王子の瞳は優しく私を見つめていました。

そう、まるで私をメイドの使用人ではなく、

一人の女性として見ているようでした。

3話までは3日連続で投稿出来ましたが、

次回からは2日に1話のペースになります。すみません!

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