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虹と翼と  作者: 零式章
第一幕人間界にて契約を
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出会い 怪我と少年と青年

……頬を打つ水滴に目を覚ます。その水滴はやけに暖かかった。

確か自分は谷底に落ちたはず、で……死んだのかな?

いや、全身が痛い。そしてどこか遠くから呼ぶような声が聞こえる。

これは生きてる。というか死んでも痛みが残るなんて僕は認めない。

自分の怪我を確認しようと目を開く。


――目が合った。


眼前にある人の顔、頬の辺りに虹色の光を放つ鱗がある青年。

思考が停止して何秒経っただろうか、ソレが話し掛けてきた。


「ふぅ……生きてたか、怪我は無いから少し休んでから出て行くといい。」

「もしかして……ドラ、ゴン……?」

「あぁ、人間が嫌うドラゴン様だ。なんだ、人間に助けられた方がよかったか?」

「うぅん、相手が人間じゃなくて……よかった。助けてくれてありがとう」


気を失う寸前まで追い回されていたのだ。あいつ等に見つかってたらと思うとぞっとする。

自嘲気味に笑うドラゴンの青年へ、震えながら返す。

青年は怪訝そうに口を歪めて笑った。


「変わった奴だな。ドラゴンより人間の方が恐いなんて」

「だってキミは助けてくれたし、それに……僕の為に泣いてくれたから。目が赤いよ」

「べ、別にいいだろうが!それともドラゴンが泣いたら悪いか!いや、悪くない!

……まぁ借りを作ったまま死なれると気分悪いしな。お前、名前は?」

「え?」

「少しお前に興味が湧いた。少しだけな?

だから、名前。俺は虹の龍って事でコウって呼ばれてる」

「僕は…ツバサ。種族は――」

「種族はいい。俺はお前自身に興味が湧いたんだ。

それにお前が俺を怖がらなかったんだ、俺もお前が何であっても気にしない」


コウがにかっと笑って手を差し出す。つられてツバサも笑い、二人は硬く握手をかわした。

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