神託の間
待ってくれる人がいるとは限らない。
---だがその眠りは一瞬にして終わり、目覚める
眼前に広がるのは星
宇宙の空間を切り取ったようにそれの果てを見ることはできない
相対する者は銀髪の赤い瞳の白い肌の少年が、豪華絢爛な椅子に深々と座っている。歳は同じぐらいだろうか。頭のてっぺんからつま先までじっくり見る。失礼だとはわかっていても危険な存在かを確認しなければいけない...気がする。顔をもう一度見ると視線が重なる。その赤い瞳は微かではあるが動きをみせている
そして彼は満面の笑みを浮かべる。優しさと慈悲を内包した笑みだった
「ようこそ!神託の間へ!歓迎するよ」
シンタク?銀行かどこかなのだろうか…口座を作った覚えはないのだが
「…ここはどこだ」
警戒心剥き出しになってしまい語気が鋭くなってしまっているのを自覚する。確か部屋で寝てたらいつのまにか...とかありがちなセリフを言ってみる
「ここはさっきも言ったけど星海の中の神託の間。君を招待したのは私たち神々だ。厳正な抽選の結果でね」
厳正な抽選とはどういうことだろう。応募した覚えはないのだが...
「まぁ深く考えないでくれればいいよ。君には変化と自由を贈らせてもらう。時間は有限だし、ちゃっちゃと終わらせて新たなる人生と異世界ライフを楽しんでもらうためにも質問はあとでね」
人生とライフを同時に楽しむことはできないと思うんだけど...
そんな些細な矛盾はどうでもいいようでどこから取り出したのか、手に持った紙に視線を落としている。神が紙を...ぷふっ!つまらん
「まず始めに『当選おめでとう!君には新たなる人生と異世界ライフを歩んでもらいます。しかも状態を維持、つまり今の状態を引き継いだままで!世界設定は予めこちらで準備させていただきます。ですが!それに伴い、一つだけ自由に好きな力・物・能力はもちろん!者を授けることができます!ですがあまり者はお勧めしません。なぜなら!いくらあなたの星で最強と言われている人間でも、人間だからです。架空のキャラも創造できますがあまりに忠実過ぎて命令を聞く者は少ないです。命令を聞くというステータスを付加できればそんなことも起きないのでしょうけど...あくまで一つだけですから。でもそれさえクリアできればなんでもありなのは長所と考えてもらいたい、んだけどなぁ・・・』…だそうです。ちなみに異世界情勢は【ピースタイプ】だそうです。亜人や獣人が講和し共存共栄をしているそうです。魔法有りあり妖精ありあり魔女ありありその他ありありのゆったりとした世界に為ってるそうです」
その紙をこちらに渡してくれれば早く終わる気がするのは間違いではないよな…それにしても好きな能力ね・・・かなり親切設定だ。こういう旨い話には裏があるのが世の理、きっと異世界ライフ(笑)で何らかの形で恩恵をもたらさなければいけないのかもしれない
「でもその話、裏があるんでしょ?」
笑い混じりの語調に信用していない言動に落胆したのか足を組み替え目を細めると、大きなため息を一つ吐く
「さっきも!言ったけど!!これは新しい人生という希望だ。応募した覚えがないとか思っただろうけど、どんな形であろうと希望を希求したはずだ。それが応募条件の一つなんだよ?だいたい旅行券が当たったら誰かの言うとおりに旅行するわけじゃないだろ?」
...そうだった、俺は遊びに来たわけじゃない。
変化を求めに来たんだ。
「...もう時間だ。さぁ、君の望むモノはなんだ?」
深呼吸して鼓動と逸る気持ちを落ち着ける。
そして、俺の求めるモノは・・・
「俺が求めるのは...神の能力だ」
「・・・・・・まじか。じゃあ一歩前に出て歯を食いしばってくれよ〜、舌を噛んで死んじゃったら元も子もないからね」
?意味は理解出来ないが一歩前に踏み出すと、踏んだところから周りにかけて中心から徐々に大きく、黒が開かれる。どこかで見たことのある円形。だが、明確には覚えていない。
未知のものに一抹の恐怖と不安を感じつつもそれをも超える期待と喜びに、自然と足を震わせている。
「それでは!いってらっしゃーい!(・∀・)」
遊園地のキャストのようなセリフと顔文字が直感的に脳を過ぎるが一瞬のことなので気にはしなかった
ーーこうして彼【朝霧 神無】の新たなる人生と異世界ライフが始まったのである。だそうです




