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最後に

橋本紡『半分の月がのぼる空』は、どんなに辛くても笑っていろと説いていました。


上遠野浩平『ブギーポップは笑わない』は、困っている人を救え、それこそが次なる時代につながるのだと大まじめに嘯いていました。


成田良悟『バッカーノ! The Rolling Bootlegs』は、ただただ、そう在る世界の妙を楽しめと、バカみたいに繰り返していました。


支倉凍砂『狼と香辛料』は、制度の中に生きる人たちに、現実や目の前にあるわかりやすい諸力、凄さに流されず、確かな心を持てと、いたく難しい生き方を要求していました。


どうですか、みなさん。作家によって言っていることがこんなにも違うのです。面白いライトノベルには、こんなにも異なる世界があったのです。東浩紀が「ライトノベルこそ文学である」と発言した理由がわかってきはしませんか?


私はただ、みなさんが考えるのに易くなるためにと思い、ステージ理論を導入して、ラノベを読解してみました。もちろんステージという言葉が気にくわないという人もいるでしょうし、私の趣味の範囲で分析が終始していることに嫌悪を覚えた人もいるでしょう。


でも、それでいいのです。皆さんの思うそれと、私の思うこれとが摩擦する時に――世界という一分子は細胞分裂を試みるのです。


――あるいは、手を取り合って減数分裂できる日がくるのかもしれませんね――。


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