第11話 その8
リョウタ
「では、タネ明かしね」
マキナ
「結局その……コロンブスって話は一部ウソなんですよね?」
リョウタ
「まあ、本当のところもあったでしょ、それから、マキナさんの反応を思い出して欲しいんだけど……俺の作ったデタラメな話だと思ったら、あのたまごの話は本当にくだらない話になった、だよね? マキナさん」
マキナ
「はい、でも? コロンブスさんは本当は? ……何をした人なんですか?」
リョウタ
「奴隷商人でね、まあ、正義の味方じゃないように思えるんだけど、最大の発見である、とある大陸を発見したとされてる」
エリシェ
「凄い発見したのも違うんですか?」
リョウタ
「うん、先住民が居たわけだしこの発見というのも……遭遇であって発見なんかじゃないんだ。 でも発見だと言い張った、そして苦し紛れにさっきの問題を出して『解けないだろう? でも、最初にやれる事が凄い事なんだよ』と主張したんだね」
マキナ
「えっと……つまり、コロンブスってただの悪人なんですか?」
リョウタ
「俺はそう思ってる」
シックザール
「悪人だとは知らなかったが本当なのか?」
リョウタ
「善良な奴隷商人とか、ちょっと想像つかないよ」
エリシェ
「そんな話を聞いたのは初めてです……」
リョウタ
「だろうね、まあ、悪人だろうが善人だろうがどっちでもいいよ」
エリシェ
「悪人だったなんて、それだけでもビックリですけど」
リョウタ
「つまりさ、知らないのに有名な人の言葉だと言うだけで、その言葉を使ってしまってるけど、本当はくだらない意地悪問題に過ぎないんだよね」
シックザール
「それで? それが分かったからどうだってんだ」
リョウタ
「この、今のやり取りで試したかったのは、知名度の高い人間が言う事なら人を説得出来てしまうという事がひとつ」
エリシェ
「まだあるんですか?」
リョウタ
「もう一つは、つまり、仕掛ける側の方が断然有利という事」
長老
「うむ! なんという見事な! しかし、お主は幻術なんぞ持たなくても、充分過ぎる程の知恵が回るようじゃな」
リョウタ
「まあまあ、そんなタネ明かしをして、みんなにも考えて知恵を出してもらう、これが今回の俺の結論なんだ……」
エリシェ
「リョウタさんだけでも解決しちゃいそうな気がしましたけど」
リョウタ
「ダメなんだ。 色々被害が出ちゃってる、俺ひとりじゃあ……荷が重い。重くて潰されてしまいそう、なんだ」
エリシェ
「そう、なんですか……?」
リョウタ
「俺は生き返れる、けど、サマナーや兵士は普通の人間だ……もし目の前でやられたりしたら……トラウマどころの話じゃない」
マキナ
「リョウタさん?」
リョウタ
「そう、俺は今回の事件は許せない、けど、その一方で怖いんだ」
エリシェ
「リョウタさん……」
シックザール
「ま、俺達で知恵出したところで、お前ひとりにかなうかどうかわからんがな」
リョウタ
「そんなの買いかぶりだよ、さっきの話の本当の意味は……みんなに知恵を出し合って欲しい、協力して欲しいって、それが一番言いたかった事なんだ」
エリシェ
「助け合って、ですね!」
マキナ
「わかりました! それが仲間ってモノですよね!」
エルフに話を聞きたいと思ってここまで来た。だけど、ノームから貰った情報で、ある程度の事は分かった。試しにこちらから仕掛けてみたら予想とは違う方向へ、しかも悪い流れで結果として出てしまった。
今回は俺ひとりで考えた作戦だけじゃあ足りない気がする。そう考えて、皆を焚きつけるようなエピソードを持ち出してみた。
あとは出てきた案をまとめる事が出来れば……それで対抗出来るかも知れない。見えない敵、街に潜入しているであろう相手。
正体の掴めない相手に、戦いを挑む……!!
――第11話 終わり 次話に続きます――




