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第11話 その7

 リョウタ

「コロンブスって知ってる?」


 エリシェ

「あ、知ってますよ、あの」


 リョウタ

「ストップ!! 知ってる人は待ってて。知らない人は?」


 ここは異世界だ。だからこそ知らない人だっているだろう。


 マキナ

「私知らないかも、記憶にないです」


 お、なんておあつらえ向きな!! マキナさんには少し実験に付き合ってもらおう。


 リョウタ

「……よし、それじゃ、知ってる人は絶対教えちゃだめね。いくよ?」


 マキナ

「いいですよ?」


 皆が皆、多分あの(・・)話をするんだろうと思ってるに違いない。でも、俺は全く違う話をしようと思ってる。


「では、問題です」


「はえ?! 問題?」


「そそ、これは問題を解くところが鍵なんだ」


「うう、頭の悪さがバレてしまう……」


「そうはならないから、安心して」


「あい、ではどうぞ」


「それじゃ行くよ? 丸い井戸ってあるじゃない、あれのフタが丸いのはなんでだか知ってる?」


 いきなり違う話、だ。もちろん周りもザワザワと何が始まるんだ? という具合に注意を引くことが出来た。


「えっと……盾に使える!」


「はい、違います、井戸の底に落ちないように工夫されてるんです!」


「え? どういう事ですか?」


「つまり、円形の井戸のフタにそれより大きいフタだと、底に落とす心配がないんだよ、どうやって落とそうとしても引っかかるようになってる」


「おおおお! 凄いんですねぇ! 井戸ってそんな仕掛けがあったんですかぁ」


「これを考えた人間がコロンブス! これを最初にやったから発見なんだ! って言うのが有名な話だよ」


「何だか凄く、納得しました」


「それでね、それが答えられてもいいように、もう一つ、奥の手として問題を考えておいたんだ」


「おお、用心深いですねぇ、コロンブスさん」


 皆が俺は一体何言ってるんだという目で見ているが気にしない。


「たまご、あるじゃん? あれを縦に置くことが出来るか? という問題なんだ」


「たまごを縦に置く……ですか?」


「うん、それって出来ると思う?」


「コロンブスさんは凄いからなんか、やっちゃうのかも……答えを教えてください! 速攻で降参です」


 マキナさん早いよ……。でもまあいいんだけども。


「なんと、コロンブスはたまごを縦に置く時に、ガシっと底の部分を割るとこう言いました、最初に発見したから凄い事なんだ、発見なんだと」


「たまご割っちゃって良いんですか?! それは気付きませんでした……」


「でね、実はコロンブスの話ってのは最初の方が有名で、あとのたまごの話ってのは俺が後からつけたデタラメの話なんだよ」


「……なーんだ……リョウタさんらしい意地悪な問題でしたね」


 このやり取りは真実を知っている人間は固唾を呑んで見守る事になる。それが極意って事なの……?


 そんなところだろう。


 まだまだ、俺の仕掛けは続く。


「マキナさん、実はね、この俺の話の中で嘘があるんだよ」


「え、さっきのたまご以外でですか?」


「どこだか分かる……?」


「ええ……むむー」


「これはいくら考えても良いから、制限時間なしで考えてみて」


「うう、答えは教えてくれないんですか?」


「うん、これが、実は皆に言いたいことだからね」


「みんなに言いたい事……? そう言えばみんななんだか変な顔してますね」


 さて、俺の言いたいことは皆に伝わっただろうか? まだ難しい顔をしたままだ。答え合わせはそうだね……もうちょっと悩んで貰ってからにしようかな?



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