零年目某月 後悔しないように
見切り発車したからプロローグとか書いてなかったなあって思って書いてみた。これ書いてる時点で1年目の半分は終わってる。
その夜、私は携帯電話に保存してある、昔の写真を眺めていた。
中学校の入学式、彼女の誕生日、クリスマス、私の誕生日。
色んなイベントがあったり、何もない日常があったり、どこかに出かけたり、家でゆっくり過ごしたり。色んな日があった。色んな日を彼女と一緒に過ごしてきた。
思い返せば初めて会ってから、十年以上経った。彼女と最初に会ったのは、まだ幼稚園の時だった。別々の幼稚園に通っていて、公園で知り合って一緒に遊ぶようになって。
携帯電話には、幼稚園の時の写真も入ってる。親が撮った写真を送ってもらったから。見てみると、なんとなく面影があるなあって感じ。あの頃は身長もそんなに変わらなかったなあ。小学校ぐらいから、差が出始めたのかな。今では二十センチ近く差がついた。
次に小学校の写真を見てみる。彼女はスカートよりもズボンが好きで、昔からチノパンやジーパンが多い気がする。ボーイッシュな感じ。私は長いスカートとふわっとした感じの服装の方が多いや。ああ、昔から彼女は髪が長かったと思ってたけど、こんなにバッサリ切ったこともあったんだなあ。小四ぐらいかな。かっこいい。似たような髪形でも、私とは全然違うや。
小学校一年生からから一緒のクラスになって、九年間ずっと同じクラスだったんだよね。いつだったかな、クラス替えが悲しくて泣いた記憶がある。結局学年が上がっても同じクラスになったけど。
懐かしさで胸がいっぱいになる。いろんな思い出を、二人で積み重ねてきた。
わがままでダメダメな私なのに、いつも優しく守ってくれた。
そして、あなたのことを好きになった。
勿論女同士だし、告白とかするつもりはない。ただ傍にいられるだけでいい。好きになってもらえないことより、嫌われないことのほうが大事だったから。
そう。そんな風に言い訳して逃げてきた。色んなことから何年も逃げ続けてきた。本当はもっと色んなことをしたいのに。したかったのに。して欲しかったのに。
自分のことを嘲るみたいに笑いが込み上げてくる。答えなんてないのにね。
ただ、私はきっと、最後の最後まで動けないだろう。私は臆病者だから。
携帯電話を机に置くと、空を見上げて息を吐いた。
私は本当に追い詰められた時には、ちゃんと動けるのだろうか。後悔しないように。




