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Save! Load! Continue?  作者: とっしぃ
最後の戦い
280/300

280 スキルアップ 其の二


夜通し本を読みふけり一気に本棚の二段分を片付けることができた

というのも最初に手を付けた本棚には地理系の本が多く、自信のスキルアップには役に立たなそうな本ばかりだった

なので殆どを流し読みすることになり、一冊あたりにかかる時間が非常に短かったというのが大きい


一日で本棚の二段分を消化できたのはモチベーションの向上にも繋がる


(後はこれをいち、に~、さん・・・・・うん、数えるのはやめよう)


一つの本棚には丁度10段あり、一日でその5分の1消化できた

仮に同じペースで消化できたとしても先は長そうだ


(丁度いいや、Loadして本棚直しておくか)



____

__

_



その後Loadしてから夜の書庫に忍び込み

続きを始めることにした


書庫の外から転移魔法で中へと侵入することは簡単だった

そして幸いなことに月明かりのおかげで蝋燭を用意する手間が省け、更には不審な灯りで夜勤の騎士に気付かれることもない

月明かりがあれば目を強化することで文字を読むことは容易だ


朝になったら一度外に出て前回のようにメリアムに説明した後、正面から堂々と入り直せばいい


(さてどんどんいくか)



____

__

_




王都の書庫に籠り、30日経つまでにやり直してはまた続きから本を読み漁る


眠くなっても強化魔法を使うことで無理矢理体を動かし、一睡もせずに本を読み続ける

体を動かすための魔力は無限に湧いてくるから問題はない

常に襲ってくる眠気と気だるさは鬱陶しいが・・・些細な問題だ、我慢できない程ではない


一日の中で本を読まないのはトイレの時間と、一日一回食事を用意する間だけ

トイレは集中していたら一日に二・三度で済むし

食事の用意も何食分かいっぺんに用意することで大体一日に一回で済む

合わせても一日に書庫から出る時間は30分にもならない

つまりはそれ以外の時間全てを読書に費やしていた


一日に一回くらいの頻度でメリアムやマホン、ジオラ辺りが生存確認に書庫へやってくるが

最初こそ世間話を振ってきていたのが、数日過ぎるあたりからは入り口から俺の姿を見て生きているのを確認するだけで出て行ってくれるようになった

きっと邪魔をしないようにと配慮してくれているのだろう


この世界では紙がそこそこ貴重なうえ一枚の紙が分厚いので本一冊あたりのページ数はそこまで多くない

それでも重要な内容を読み飛ばしてしまってはこんなことをやっている意味が無いので

どうしても一冊あたり最短で10分はかかり、しっかり目を通すと優に一時間を越すこともある

平均すると一冊あたり三十分といったところだろうか

なので一睡もせずにどれだけ頑張っても一日にせいぜい50冊程が限度だった


そしてこの書庫には一万を超える本がある

単純計算でも200日以上かかる

それも一睡もせずに一日のほぼ全てを読書に費やして200日以上だ





そんな拷問のような生活を何日も繰り返してはLoadして

そして同じことを何度も何度もループし、もう何度か繰り返した


徐々に徐々に

だが確実に本棚を消化していき

ようやく半分の本棚の列を片付けることができた




だが半分が終わったというのにこれといって収穫はまだない


書庫に貯蔵されている本の内容は多岐に渡り

地理から歴史、絵本から冒険譚、魔導書もあれば料理の本まであり

誰が書いたのか不思議になるようなくだらない自伝小説まであった


そして大体はジャンルごとに分けられており

現在はまだ本命である魔導書の域には到達していない

騎士になってすぐに書庫にある魔導書をいくつか読んだことがあるので魔導書がどの辺に置いてあるのかは知っている

本は端から端まで全て目を通すつもりなので、魔導書まではもう少しかかるだろう



歴史書なんかはそこそこ面白い内容の本もあったが、グラシエールとの戦闘に役立つ情報は無かった

だからかなりのハイペースで読み進めることができたのだが

魔導書の置いてある場所まで読み進むとそこからはかなりペースダウンすることになるだろう

知らない魔法は使えるようにならなければ意味が無い

そこからは読書と魔法の修行を並行して進めなければならなくなる


だが不幸中の幸いなことに、魔力はいくらでも使う事ができるので魔法習得も早く済むだろう



____

__

_




そしてようやく魔導書が置いてある本棚へと差し掛かった


まだ知らない魔導書を読むと、練習込みで一冊数時間かかることもある

だが今までのほぼ無駄に等しい読書よりも確実に自分の糧になる分野なので、時間がかかっても充実感があった




基本となる魔法は初級から上級まで既に習得している

なのでその辺は読み飛ばすことができるのだが

複合魔法や付与魔法、状態異常系の魔法や使役魔法等、まだまだ知らない魔法が沢山あり

王立学園の図書館でも見たことのない魔導書の数々に心躍り、疲れも忘れて読みふけった




____

__

_



「お・・・終わった~・・・」


そしてとうとう長い長い読書の日々も終わりを迎えることになる


「これ全部読んだのか・・・自分を褒めてあげたいよ」


ずらりと並ぶ本棚を改めて見返し、その量に圧倒されながらも

コツコツ積み重ねるといずれは終わりを迎えることに感動した




当然苦労しただけの成果はある

いくつもの新たな魔法を習得し戦闘の幅はかなり広がったはずだ




マホンが使っていた斬撃を飛ばす魔法


ブラマンシュが使っていた植物を操作する魔法


ジオラが使っていた体の一部に炎等を付与する魔法


クレルティアが使っていた誰かに強化魔法を付与する魔法


隊長達の使う、見たことはあったが習得できていなかった魔法の数々




更には個人的に習得した甲斐があると思える魔法の一つに

遥か遠くを見る『千里眼』の魔法がある


流石に世界の反対側を見る事はできなかったが、地平線あたりまでは見ることができた

イメージとしては高性能な望遠鏡を覗いているようなもので、目を強化しても遠くのものが大きく見えるわけではないので地味に便利な魔法だ


そしてこの魔法が便利なのは瞬間移動との併用が可能なこと

つまり肉眼で見ることのできる範囲、地平線辺りまで瞬間移動ができるのだ

地上に立っていれば距離は大したことないが、上空に飛び上がると地平線は更に遠くまで伸びるので瞬間移動の距離を延ばすことも可能となる


これでグラシエールのいる塔までの移動がとても楽に、且つ早くなった


王都の自分の家からなら数回瞬間移動するだけでグラシエールの元まで行くことができるようになり

慣れればものの一分程度でグラシエールの所まで行くことができるだろう

今までのようにクレアの家やラドハルバに転移してから空を飛んでいく必要もない




そして他にも便利だと思う魔法に『音魔法』というのがあった


これは単純に『音』、つまり『振動』を魔力で増幅させるだけの魔法なのだが

グラシエールは心を読むことができるが、普通に会話もしているので耳で音を聞いているということになる

なので鼓膜へダメージを与える事もできるかもしれない


もっとも心を読まれてしまうので攻撃しようとすると何かしらの方法で防がれる可能性が非常に高いが

音意外に剣に振動を与えることで、漫画などで見る『高周波ブレード』のような使い方もできる


まぁ物理でグラシエールの魔法障壁を破壊できるとは思えないので

あくまで“そういった使い方もできる”という程度なのだが




他にも魅了魔法や催眠魔法

動物等を使役する魔法も習得できた


植物魔法や使役魔法で毒を持つ植物や動物を操作し

その毒の効果を増幅させることもできるようになった


この辺の搦め手がグラシエールに通用するとは思えないが知っておいて邪魔になる知識は無い




他にも『こんな事できるだろう』と想像していただけの複合魔法を実際に使えるようにしたり

基礎となる攻撃魔法の強化もできた




そして読書と同時に行っていた魔力のトレーニング

こちらもなかなかの成果があったと思う

確実に読書を始める前より一度に引きずり出せる魔力の量が上がっていた







ただ一番期待していた事

鏡海のようにグラシエールですら壊すことのできない、完全に無力化できるような結界

またはリアンの指輪のような魔道具

これらの情報は何一つ見つかることはなかった


グラシエールの居なかったアヴァングラース側なら或いは情報が残っているか・・・と淡い期待を持っていたが

そんな期待は簡単に消えてしまった


鏡海を自分で再現しようにも普通の魔法障壁等とは次元が違い過ぎて全くわからない

なので結局グラシエールという根源を排除する以外方法はなさそうだ






だが以前の俺より確実に強くなっているはずだ

伊達に数百日ものあいだ睡眠もとらずに知識の収集と魔法の修行に費やした甲斐はある


だというのに相変わらず

これで『グラシエールに勝てる』とまでは思えなかった


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