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Save! Load! Continue?  作者: とっしぃ
最後の戦い
276/300

276 最強の布陣


気持ちが落ち着くのを待ってから再びグラシエールの居る塔へと向かった

今度は一人で




先程の事が尾を引いているのか、Load画面の意識は今まで以上に注意している

だがグラシエール相手なら注意しすぎと言う事もないだろう



(この辺か?・・・お、あった)


塔を覆う結界の魔力を探り境目を見つける


面で魔力を感じるのに触れられないという不思議な感覚だ


(この結界をどうにかしない限り、誰かの協力を得ることはできないからな)


現状結界の中に入ることができるのは俺一人だろう

だが今の俺ではグラシエールに傷一つ付けられない

だからといってグラシエールを結界の外におびき寄せるためにリアンの指輪を外すのは自殺行為だとわかった


前の戦闘の際、グラシエールの張った魔法障壁をレジストすることができたので

この結界も膨大な魔力さえあればレジストすることは可能だと思う


そして幸いなことに、今の俺は膨大な魔力を使う事ができる




レジストの為の魔力を引き出すため今まで以上に魔力を使う


元々内包している自分自身の魔力は一瞬で底をつき、魔力切れの気だるさが全身を襲ってくる

だが腹の奥から魔力が溢れだし、求めれば求めるだけ魔力が湧いてくる


(まだか・・・もっと・・・もっとだ)


感触は無いが、レジストに使った魔力はどんどん失っている

それが結界の魔力を中和できている証拠だと思いたい


(どんだけ魔力使った結界なんだよ!?)


数十秒はレジストの為に魔力を送り続けている

グラシエールの使った魔法障壁をレジストした時はほんの一・二秒だった

もっともあの時は手に感触があったのでレジストしやすかったのもあったが

だがそれを抜きにしてもこの塔を覆う結界にどれほど膨大な魔力が使われているのかがよくわかる


「いい加減に・・・壊れろ!!」


更に魔力を引き出す


すると突然結界に使われている魔力が無くなり

勢い余ってレジストの為に使っていた俺の魔力が周囲に散漫した


「・・・ふぅ、どんだけ魔力使ってたんだよこの結界」


確認の為に『ストーンボール』を塔に向かって放つ

今まで通り結界があればそこで止まるはずだが

放った石礫は塔まで飛び、塔の壁に当たって止まった


(よしよし、この結界をレジストできるならやれることはかなり増える)


結界さえなければ誰かの手を借りることもできる


(収穫はあったからもうやり直してもいいんだけど・・・嫌がらせしておくか)


せっかく結界が無くなったので外からグラシエールに攻撃してみよう




塔の天辺より更に上空へと上がり、巨大な岩を作り出す

そしてその岩に熱を纏わせ、塔の真上から落とした


放たれた『メテオール』は塔を破壊し周辺の地面をも抉る


だが塔の天辺辺りにポツンと何かが見える

一瞬の出来事だったが、隕石が塔の天辺に当たる瞬間砕けたのがわかっていた


「ま、そうだよな」


当然のようにグラシエールは無傷だ

前に塔ごと攻撃した時と同じように、宙に浮きながら椅子に座り頬杖をついている


「また来るよ」


_______

Loadしますか?

►はい/いいえ

_______



今回はグラシエールとは直接戦わずやり直すことにした




結界のレジストが可能だと分かったので

人の手を借りることにしよう


その夜は和やかに食事を摂り

ゆっくりと体を休めることにした


当然眠る事などできはしなかったが


____

__

_



朝になり城へと向かった


メリアムにリオーシスの現状を伝え、一つお願いをすることにした


「壱から捌番隊までの隊長を全員招集して欲しいんだけど、メリアムの権限でやってくれないかな?」

「全員をかい?それはリオーシスと関係が?」

「ある。俺一人じゃ厳しいんだ。隊長達の力を借りたい」

「それは構わないが・・・全員を?」

「そう。全員だ。出し惜しみできる相手じゃない」

「リオーシスを半壊させた奴に心当たりがあるのかい?」

「ああ、ビルの事は覚えてるだろ?」

「あの青竜だね、勿論覚えているとも。まさかあの青竜が?」

「いや、そのビルの言っていた『世界に鏡海ができた原因』は覚えてるか?」

「確か・・・グラシエールと言う人間を封じ込めるためだと」

「そのグラシエールが生きていた」

「・・・・・まさか」

「・・・・」

「本当なのかい?」

「だから俺一人じゃ厳しいって言ってるんだ。俺だけの力じゃ手も足も出ない」

「・・・・・いや、まさか、そんな」

「信じられないだろうな。俺も最初は信じられなかった、千年以上もの時間を人間が生きられるはずがないと・・・」

「実際に会った事があるのかい?」

「ああ、それで実感した。過去の人達が世界の半分を犠牲にしてでもグラシエールを封じ込めた理由を」

「・・・・・・少しだけ時間をくれ、声を掛けてみよう」

「ありがとう!」


マホンやジオラなら俺が頼めば力を貸してくれるだろうが

他の、特に騎士団最強といわれるアルスパーダなんかはメリアムの頼みじゃないと動いてくれないだろう


一人二人ずつ頼むよりも最初から総動員で

全力で立ち向かう

グラシエール相手に出し惜しみなんてしていられない



____

__

_



メリアムが招集をかけてくれている間

俺はリオーシスへと飛び、王都との転移魔法陣を繋げ直すことにした


そうこうしている間に王子であるメリアムによって隊長全員が招集された


リオーシスの現状と、その惨状の原因である犯人

それが千年以上過去に生きていたグラシエールだと言う事

そしてそのグラシエールが今も生きているということを説明した


「にわかには信じられないでしょうが、皆さんの力を貸してください」

「「「・・・・・」」」


当然皆が『いきなりそんなことを言われても』といった渋い表情をしている

一番力を借りたいアルスパーダは腕を組み目を瞑っている

メリアムの招集だから来はしたが、俺に協力する気なんて元から無いのかもしれない


少し沈黙が続いたが、メリアムが口を開いた


「ルシオ、私も青竜のビルみたいな存在ならまだ信じられるんだ。だがグラシエールというのは人間なのだろう?千年も生きられるとは到底思えないのだが」

「俺も最初はそう思ってた。実際鏡海を壊してから一年以上経つが今までリオーシスのような事は何も無かった。だからグラシエールはとっくに死んだものだと思ってたんだけど・・・」

「だけど?」

「グラシエールは『命魂の友引』という魔法を使って生き永らえていたみたいなんだ」

「命魂の友引?」

「簡単に言えば、『誰かに寿命を肩代わりさせられる魔法』だ」

「寿命を?」

「ああ、あいつが言うには寿命ではなく『魂そのもの』をらしいけど」

「そんなことが・・」

「可能なんだろうな。そうやって千年以上もの時間を生き永らえて来たんだよ。因みに今グラシエールの寿命を肩代わりしているのは・・・俺だ」

「「「っ!?」」」


メリアムだけでなく、マホンやジオラも驚き、そして俺を心配そうに見てくれている


「あ、そうそう。ジオラさんとクレルティアさんには検証に付き合ってもらいましたよね?」

「ん?ああ、あの時のか?」

「それがどうかしたの?」

「例の黒い魔力の正体もわかりました。グラシエールが俺に『命魂の友引』を使うため、代償として俺に与えた力でした」

「おいおい・・・」

「それって大丈夫なの?」

「大丈夫です・・・多分」

「多分って・・・」

「寧ろ感謝しているくらいです。この力が無ければグラシエールに対抗することもできませんから・・・もっとも、この力があっても天と地ほどの力の差がありますけど」

「嘘だろ?」

「嘘でしょ?」

「本当です。だからこうして皆さんの、隊長全員の力をお借りしたいと言ってるんです」

「「・・・・」」


検証に付き合ってもらったジオラとクレルティアは黒い魔力を使った俺の強さを知っている

だがグラシエール相手ではその俺が手も足も出ないという事に驚愕していた


「私達にもわかるように説明してくれないか?ルシオ」

「わかった。でも説明するより実際に見せた方が早いだろう」


俺はアルスパーダの近くへと移動した


「アルスパーダさん、俺とシンプルな力比べをしてくれませんか?」

「・・・・」

「騎士団最強といわれるあなたの力を貸してほしいんです。でもまず、その為にはあなたに俺の事を認めてもらわなければならない」

「・・・・」

「・・・・アル」

「・・・・ふぅ」


俺の言葉に無視を続けていたアルスパーダも、メリアムからの言葉には仕方なく従い立ち上がる


「ありがとうございます。ではシンプルに押し合いっこでもしましょうか」

「・・・・」


2メートルを優に超えるアルスパーダが目の前に立つと、身長差のせいで見上げなければならない

その逆でアルスパーダは俺を見下している


「相手に膝を付かせた方が勝ちということで」

「・・・・」

「あ、ここの床が壊れるといけないので魔法障壁は敷かせてくださいね」

「・・・・」

「では」


床が壊れてしまわないように魔法障壁を足元に張る

そしてゆっくりアルスパーダへ向けて右手を伸ばした


だがアルスパーダは腕を組んだ状態のまま微動だにしない

まるで『このままで居てやるから押し倒してみろ』とでも言うように


だが俺の力と、そしてグラシエールの力の片鱗でも知っておいてもらわなければ困る


「ちゃんとやってくれないと、捻り潰しますよ?」

「「「っ!?」」」


強化魔法を掛け、黒い魔力を引きずり出す


俺の放つ異様な程の魔力を近くで体感し、隊長達全員が驚いている

魔力を感知する実力も無いであろうメリアムですら、魔力に中てられたのか驚愕の表情だ


「む・・」


俺の手がアルスパーダの腕に触れそうになった瞬間

咄嗟になのかアルスパーダは俺の手を正面から握った


「む・・ぐ・・」

「それで全力ですか?舐めてないで両手使ってもいいんですよ?」

「く・・・」

「もう少しだけ強くいきますね」

「ぐぉお・・・」


膝を付かせる為にアルスパーダの手を捻る

すると堪えられなくなったのか、アルスパーダは空いている右手も使って踏ん張り始めた

だがそれでも耐え切れず、あっさりとアルスパーダは膝を付くことになる


「はぁ・・はぁ・・」

「「「・・・・」」」


悔しそうに俺を見上げるアルスパーダと

驚愕で言葉が出ないその他の者達


(騎士団最強と言われるアルスパーダでもこの程度か・・・)


黒い魔力が無ければ当然力比べでは俺が不利だろう

だが膨大な魔力さえあればアルスパーダですら、本当に赤子の手をひねるようなものだ


「少しは俺の言った事を信じて頂けましたか?」

「・・・・あぁ」

「俺はこれでもまだまだ全力ではありません。更に強化魔法に使う魔力を増やすこともできます」

「「「・・・・」」」

「ですが今の俺が全力を出したとしても、グラシエールには敵いません。だから皆さんの力を貸してください」

「手を貸すのは良いのじゃが・・・儂等が手伝ったところで、却って邪魔になるのではないのか?」

「あ~・・・・正直に言うとそれも少し思っています。ですが今のは単純に力を強くしただけの事です。ブラマンシュさんの魔法やクレルティアさんの目、それに俺が実力を全く知らない隊長方もいますから。とにかく、俺一人の力では打開策が見つからないんです。だから一度、一度だけでもいいので皆さんの力を貸してください」


全員に向かって頭を下げる


正直なところ、マホンの言ったように

誰かの、隊長達全員の力を借りた所でグラシエールに勝てるとは思っていない


現に最強と思っていたアルスパーダですら簡単に力で圧倒できた


だが何か打開策が見つかるかもしれないのならば全て試しておきたい

グラシエールも人間だ、完璧な存在ではないはず

何か弱点となる物があるはずなんだ

それを何としてでも見つけなければ俺に勝機はない


「私からも頼もう・・・いや、これは命令だ。アルスパーダ始め隊長全員、ルシオと共にグラシエールの討伐を命じる」


そして鶴の一声が決め手となった


____

__

_



こうしてグラシエールの居る塔のすぐ傍に

壱から捌番隊までの隊長全員と俺の計9名がやって来た


個々の士気はあまり高くないかもしれないが

実質アヴァングラースで揃えられる最高戦力といっていいだろう


アルスパーダをはじめとする士気の低い数名に関しても、実際にグラシエールを目の当たりにすれば手を抜く余裕など消し飛ぶはずだし

それができないのならば死ぬだけだ

俺もグラシエールを相手に隊長達を守りながら戦うなんてことは考えていない



「それでは、行きますか」


俺の先導で皆が塔へと向かって歩き出した


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