空都を背に
風の塔を出ると、フウライはふと顔を上げ白ドラゴに顔を向ける。
「この風の塔も、黄色いドラゴンさんが作ったの?」
黄のドラゴンだけが作ったにしては、あまりにも仕掛けが壮大だ。
「基礎を作ったのは黄色だけど…まあ、集大成ね。
紫がだいぶ拡張したんじゃないかしら。それに――」
ドラゴンだけが作ったわけじゃないかもね。
白ドラゴが思わせぶりに顔を傾ける。
「人間が…ってことではないよね?」
フウライは人間が作るにしては、技術に問題があるよなぁと思いながら首をかしげる。
「そうね、もっと偉大な何かかもしれないわね。」
白ドラゴは微笑みを浮かべつつ、つい、と風の塔を振り返る。
フウライも一緒に振り返るが、そこには何事もなかったかのような風の塔が、ひっそりとたたずんでいるだけだった。
二人は道の両脇にある店舗兼住居をのぞき込んだり、休憩所で少し座ったりしながら島への出入り口前に到着すると、もう一度振り返る。
「また、にぎやかになるといいねぇ…」
フウライは遠くを見るように風の塔を見ると、目を伏せる。
「そうだな。
まぁ、そのうちわかるだろうよ。」
下りるために赤い鱗をまとったドラゴが翼を広げる。
「ええと、次は帝国へ、だっけ。」
フウライは気を取り直したように、ドラゴに向き直る。
「ああ、だが、遠いぞ。」
ドラゴはその覚悟を確かめているのか、真っすぐにフウライを見つめる。
「うん、承知の上だよ。…楽しみだね!」
色々あった旅を振り返りつつも、覚悟を決めてドラゴに視線を返す。
そして、二人はもう一度風の塔を振り返ると、そのまま地上へと降りて行ったのだった。




