「72話」 誕生!
リベリヲン……
即ち、ルシファーとネブカドネザルの融合体である彼の核となる部分はネブカドネザルが握っている。
というのも、それはネブカドネザルに魂が有り、そこにルシファーに借り付された精神を乗せ、2つの肉体を融合させる……
そういった形で“生命”……詰まるに、魂、精神、肉体の三位一体を構成している。
が、本来、俺の作り上げたかった“人工的な申し子”としての姿は全く別のところにある。
本来はルシファーではなく、ネブカドネザルの精神を本体に据えるはずだったのだ。
しかし、予期せぬアクシデント……ルシファーによる精神的侵食をうけた事で、全く、全ての主導権を奪われてしまったのだ。
そして、俺はそもそも核成らざるルシファーにそんな崇高で、高度で、緻密な精神は与えてはいない。
奴が持ったる、俺の与えた精神……俺が、奴を造る工程で生じた精神は唯、一つ。
破壊。
ただその一言に尽きる。
なぜならばそもそもリベリヲンとは、運命を破壊し、俺が都合の良い様再構築する為の存在だったからだ。
まさしく、ゲヘナ。
みなみな相応しき炎の申し子。
だが……
今の彼は、まさしく申し子出会った。
煩雑した、混濁迷宮なネブカドネザルの精神、その中で愚直なまでに真っ直ぐに伸びる母……カミーリャへの想い。
そして、爽快なまでにたった一つの破壊衝動の為だけに生きるソレ、ルシファー。
彼らが混ざり合う事は、カミーリャにとって、あまりにも危険だった。
「母さん…………」
リベリヲンの表情は何も語らない、ただ、俺から継承した天使の力によって地面から少し浮いたところにある彼の体は真っ直ぐにカミーリャの事を捉えていた。
「あぁ、あぁ、母君よ、我は貴女を畏れ奉らん。」
高らかに響かせる様に、リベリヲンの声は鳴る。
カミーリャを母とするか、リベリヲンよ。
その無表情の顔をふかんさせ、蒼天の青空を仰ぎ見る
全能の運命に対する反逆者として生まれた獣はただ、母を求めていた。
「ね、ねぇ……ニア、あいつ、何を言ってるの?」
と、俺の感情なんぞブッチしてオリーブが俺の裾を引っ張って来た。
うぅむ、それはなかなか難しい質問だな、一概に言葉で表すのは難しいかもしれない。
まぁ……要するに。
「胎内回帰……還りたがってるんだよ……」
俺は厳かにこそ聞こえるよう、呟く程度の声でオリーブに告げた。
が……
「なに…それ?」
理解してくれなかった様だ。
「……また今度話す事にするよ」
その、また今度五日必ず来る事を祈って、今は、戦う。
☆
「自然の乳房から歓喜を飲む」
何を想い、何を語るでもなく、リベリヲンは翼を広げた。
その際に頭上に掛かる光輪が揺れる。
王冠の如きそれは、明確に彼の母……カミーリャを微かに……
しかし、そんな睨めつく視線を彼女から交わす様に、騎士の様を呈した少年はが一人たっていた。
赤毛の少年は、無表情なまま、母を追う反逆者に強い視線を浴びせる。
「……てめえ何かにこいつに手出しはさせねぇよ……」
☆
そんな情景を俺はただ呆然と眺めていた。
あそこにいる赤毛の少年はは他の誰でもない。
遠巻きに言えば今来のカテン国と本国の戦争の全員となったとも言える少年……
2つの今は亡き亡国の、たっとき血筋の流れる……レンゲ王子だったからだ。
しかも……
俺がそこまで考えていた時だった。
「え⁈」
突然の爆音が響いた。
何が起こったかさえも理解ができないまま土埃に包まれる。
巻き起こる灰燼が俺の裾視界を白く染めて行く。
唐突な出来事に対してリベリヲンからの攻撃を疑ったりもしたが、舞っている灰が落ちる毎に、その考えが違うという事を思い知らされる。
徐々に明瞭になってゆく視界。
そこに写っているのは……人影。
それも、1つではなく、2つ。
そして、俺はそこで信じられないものをみた。
「ボクの子供にも、その友達にも、ては触れさせない……」
「に…ニアくんは、私達がまもるんだから!」
そこには、己の死の運命を『捻じ曲』、現れた、父と、リリーさんの姿が在った。
ええぇー!!((((;゜Д゜)))))))
このタイミングでパパ登場⁈
ってか、パパは確かカテン国と戦いに行ったんじゃ……




