「71話」 え? !
サブタイ短い!
突然の告白に俺の眼は点になった。
え……? は⁈
いきなりの事の情報で脳が全くついて行っていない。
そんな情報の処理がぜんっぜん追いつかない。
だからだろうか?
呆然とした俺の背後から近寄ってくる殺気の塊にも気がつかないでいた。
「ぐるぁ!!」
!
唐突に辺りに響き渡る獣の咆哮に俺の意識は一瞬にして現実に引き戻された。
今は、目の前で潤んだ瞳で俺の事を上目遣いーー少し朱の刺した頬を持ってーーで俺の事を睨んでくるオリーブの事は後回しだ!
俺は、自分が漸く掴みかけた理解の先端を手放す事で、リベリヲンの猛攻から逃れた。
突進して来るリベリヲンをオリーブを抱きかかえてすんででのける。
「ッ……!」
オリーブを姫抱く様に難なく除けれるが、どうしても先程の言葉を意識してしまう。
やはり、思考を放棄する事など不可能だったのだ。
俺は、リベリヲンの攻撃をよけて、安全な場所に着地してオリーブをおろした。
そして、後ろを振り向く。
草木も何もかもが灰燼に帰した学院の中庭で、そいつはたっていた。
「…………」
どうやら、そいつ……リベリヲンをみているのは俺だけでは無かった様だ……
そいつを中心に、7人位の人間がリベリヲンをあっけに取られた様に傍観していた。
各言う俺もまたそのうちの一人にすぎない。
「ねぇ……ニア、あれ…なんなの?」
俺の背の方からオリーブの声が聞こえる。
心なしかその声は震えているようだった。いや、確かに震えている。
その震えが彼女から俺にまで伝わって来た。
俺も、そんなそいつの様子に、恐怖ではないーー美しさや、感嘆の様なーー震えを感じていた。
そいつは、あまりにも美しかった。
まだ、俺がやつの中にいた頃には閉じられていたその翼は今や完全に広げられている。
蛹の様だったその姿は今や完全に開花し、花開いていた。
漆黒の14の翼は極限まで開き切っており、その流麗なる御姿を惜しげなく晒している。
その頭上には月の光に染まった様な銀色の3重の光輪を、まるで王冠の如く頂いている。
その翼、羽化した中心には、よく見知った……魂の容れ物がそこに在った。
その容れ物の少年は壮麗なる銀の肌を鏡の様に映し、俺の眼を焼いていた。
その少年は……ネブカドネザルの形をしていた。
当初の悪鬼でも無い、俺の貌でも無い。
ただ、漆黒の翼を纏い、感情の削げ落ちた表情で……
カミーリャを、見下ろしていた。
「会いたかった……母さん。」




